スプロケットの交換方法
ギアを抜き取る
ロックリングを外したら、ギアを引き抜き取り外していきます。ギアとフリーボディの嵌合(かんごう)は、ただ差し込んであるだけなので、抵抗なくスルスルと抜き取ることができます。ただし例外がありまして、ロードバイクの走行中に、強いペダリングを与えていた場合は、フリーボディにギアが食い込んで、抵抗が生じる場合がありますが、慌てずにゆっくり抜き取れば問題なく取り外せます。
一枚づつ丁寧に並べる
外したギアは、抜き取った順番に並べてギアの向き、大きさの順や部品点数などを把握して、カメラで画像に記録しておきましょう。再び使いたいときに、取り付けるギアの順番を間違えずに済むからです。
スプロケットをクリーニング
これまでの手順で、スプロケットは、外す前に見えている部分の汚れを、おおよそクリーニングしました。ここでは、見えていなかった部分や、ギアとギアの隙間などに、付着・蓄積した汚れを、クリーニングして落とします。ギアをバットにきれいに並べて移し、すべての部品が揃っているか確認します。この段階で、汚れの程度をカメラで画像に記録して、クリーニングでどれだけ落とせるか、確認できるようにしておきましょう。
汚れを落として劣化を防止
スプロケットを外した時は、クリーニングも同時に、実施する習慣を身に着けましょう。汚れには、塩分が多分に含まれており、汚れが付着した状態で放置すると、金属部品は、もれなく錆びてしまいます。期待通りの機能と性能を発揮させるために、大切なロードバイクの部品をクリーニングしての管理をおすすめします。
スプロケットには順序と向きがある
カセットスプロケットには、順序と向きがあり、これらを正しく整えて取り付けることが、ポイントです。カセットスプロケットは、異なる歯数のギアが複数枚組み合わされていますが、ギアの大きさと表裏の2つの違いがあります。
ギアの大きさの違いを確認
まず、それぞれのギアの大きさの違いの判断基準が2つあり、1つは直径で、重ね合わせると同じ大きさがないことがわかります。大きさを段階的に並べることが、正しい順序になります。
ギアの表裏を確認
ギアの表面に、歯数が刻印されています。刻印の数字の大小で、ギアの違いが判ります。次に表裏の違いも確認します。先ほどの、刻印が打ってある側が表向きになります。すべてのギアの向きをそろえることが必要です。
次に使うときに取り付けやすい外し方
取り外したギアは、大きい順から、表側を見えるようにしながら重ねましょう。このとき、薄いギアとギアの間には、ギア間の間隔が均等になるようにスペーサーを挟みましょう。
ギアを束ねて保管管理
重ねたギアは、そのままでは、バラバラになってしまいますので、結束バンドなどを、中心に通して対策しましょう。一番上には、ロックリングも一緒に束ねることを忘れないでください。
外し方の逆でギアを取り付ける
次に、取り付けたいスプロケットを、ホイールに取り付けるためには、ギアの中心に刻まれたギザギザを嵌合させます。ギザギザのことを、スプラインと呼びます。正しく嵌めるには、ホイールのフリーボディ側と、スプロケ側のスプラインの幅が一致する部分を合わせます。スプラインの一部に、不当間隔がありますので、それを目安に一致を探しましょう。
取り付ける順番と向きに注意
取り付ける順番は、外すときに確認した直径と、向きを再び確認してください。まず、直径の大きなギアから、フリーボディに嵌めます。2~3枚のギアが、一体になっているギアを最初に嵌めます。次は、1枚ずつ直径が大きい順に嵌め、最後は最も小さいギアが嵌ります。
ロックリングを締め付けて完了
最も小さいギアを嵌めたら、その上にロックリングを嵌めます。ロックリングを嵌めるときは、ギアがスプラインからずれないように、注意してください。ずれたら嵌めなおします。ロックリングは、時計回りに締めることが、できるねじになっていますので、ねじ込みます。ギアと水平にねじ込めているか注意してください。
ロックリングは、40Nmというトルク値で、締め付けることが、指定されています。ですが、トルクレンチがない環境では、締め付けの力を、感覚でつかむことは難しいので、どれだけ締め付ければ良いかは、回転数で覚えましょう。ロックリングを手でゆっくり締めていき、回らなくなったところから、工具を使って1/4回転強、角度では、90~100°ほど回します。ここで、工具がそれ以上回らなければ、十分な強度で取り付けられます。
まとめ
スプロケの交換は、道具をそろえて、ポイントを押さえれば、どなたでもできる作業です。ロードバイクに乗り始めて、さまざまなコースを走るようになると、多くのライダーは、スプロケを変えて、自分の走りを実現しています。スプロケを交換することで、ライダーの希望するように、バイクの性格を変えることができるでしょう。ぜひ、当記事を参考に交換にチャレンジしてみてください。
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撮影:著者