クロモリロードとは?
19世紀の終わりごろから、現在も使われているチェーン駆動式になった自転車ですが、当時からフレームにクロモリは使われており、自転車におけるクロモリは、100年以上も使われている素材であります。1990年代からアルミフレームが大ブレイクし、21世紀になった現在、カーボンフレームがさらに大ブレイクしている現在でも、実はクロモリフレームには根強い人気があります。
クロモリという素材と使用される意味
クロモリとは、平たく言うと鉄です。クロムモリブデン鋼という鉄にクロムとモリブデンという材料を組み合わせて作った合金です。素材としては、ほとんど鉄なので比較的安価でありながら、合金にしたことにより、比強度や粘り強さに優れ、若干の防錆性能も上がっています。
クロモリの種類
種類①クロムモリブデン鋼
クロモリの略称前の名前であるから当たり前ですが、クロモリロードのフレームに一番使用されている素材はクロムマリブデン鋼です。98%以上が鉄を使用しているため、ステンレス鋼などと比べて錆びやすい傾向がありますが、その分安価で、溶接もしやすいという意味で人気です。
種類②ニッケルクロムモリブデン鋼
ニッケルクロムモリブデン鋼とは、 その名の通りニッケルとクロムとモリブデンを鉄に加えて作る三元合金で、熱処理により強度を調節でき、クロムモブでリン鋼よりも高強度にすることができます。その意味で、フレームのパイプをより薄くできるため、軽くすることが可能になります。一方で、使用されているニッケルが他の材料と比べて高価であるため、ニッケルクロムモリブデン鋼自体も高くなってしまうのがネックです。
種類③マンガンモリブデン鋼
通称マンモリと呼ばれているマンガンモリブデン鋼ですが、クロムの代わりにマンガンが使用されている合金であり、その強度はクロムモリブデン鋼とほとんど変わらないため、こちらも自転車普及当時から使用されてきました。クロムモリブデン鋼と並んで使用される意味として、クロムモリブデン鋼よりもしなやかであり、乗り心地が安定していることから、自転車に荷物を積む長距離サイクリングや自転車旅行用のフレームとして人気があります。
クロモリとアルミの違い
ここからは実際に、クロモリロードバイクはアルミロードバイクとカーボンロードバイクに比べてどのような点で優れていて、どのような点で劣っているのか、それぞれの素材の特徴を説明しながら詳しく紹介していきます。
クロモリロードバイクがアルミロードバイクより優れているところ
クロモリロードバイクの方が強度が高い
やはりクロモリロードバイクの一番の特徴といえるのが、圧倒的な強度です。自転車に乗っていると、どんなに気を付けていても、不慮の落車や事故がたまにあります。そんな時クロモリロードバイクであれば、必ず壊れないわけではないですが、少なくともアルミロードバイクよりは壊れにくいです。クロモリの素材上大切に乗り続けていれば、半世紀以上乗れると言われているのも魅力的です。
クロモリロードバイクの方が乗り心地がいい
クロモリロードバイクは、どちらかといえばレースより自転車旅などのロングライド向きであるため、非常に乗り心地がいいです。よく言われているのが、クロモリフレームはペダルからホイールへ力がゆっくり伝わる感じで、ペダルを踏むときに無理な力を加えずにホイールに力が伝わるため、とても疲れにくいです。
クロモリロードバイクの方がロングライドに適している
クロモリロードバイクは前述の通り、強度が高く、乗り心地がいいためロングライドに適しています。具体的には、何日も費やす自転車旅などでは、クロモリロードバイクであれば次の日の疲れの残り具合が違いますし、自転車に荷物を積む際強度的な安心感が全然違います。重い荷物を積むと、どうしても漕ぎ出しが重くなって疲れやすくるのですが、クロモリロードバイクの乗り心地のよさは、その疲れも軽減します。
アルミロードバイクがクロモリロードバイクより優れているところ
アルミロードバイクの方が軽い
アルミロードバイクとクロモリロードバイクの違いで一番最初に説明されるのが、アルミロードバイクの方が軽いということです。ヒルクライムにおいては軽さ=楽さというほど軽さがメリットになります。しかし、クロモリロードバイクであっても、その強度を利用してフレームを薄くしたり、ホイールなどの他の部品を軽くすることで、アルミロードバイクより軽くすることも可能です。
アルミロードバイクの方がレース向き
アルミロードバイクの方がレースに向いています。その理由としては、もちろんアルミロードバイクの方が軽いため、スピードが出やすかったりヒルクライムが楽なこと。アルミロードバイクではペダルかホイールに力が直に伝わるため、力のロスが少なく力を入れた分だけ、そのまま加速することができます。
アルミロードバイクの方が雨に強い
クロモリロードバイクは、アルミロードバイクより錆びやすいです。そのため外に駐車する場合にはカバーを掛けるか、雨ざらしにならない屋根がある場所での保管が必要です。アルミロードバイクであっても雨ざらしにしてしまうと、チェーンなどが錆びてしまうため、強度が落ち折れる可能性もあるので注意が必要です。
続いて、クロモリとカーボンの違いを紹介!