ロードバイクのタイヤ23C・25C・28Cを比較検証!何がどう違うの?

ロードバイクのタイヤ23C・25C・28Cを比較検証!何がどう違うの?

2020年現在で流通しているロードバイクのタイヤは、23C、25C、28Cが主なものとなっています。タイヤの太さにもトレンドがある中で、25Cは23Cと比べてどうなのか、28Cのような太いタイヤはどのような使われ方をするのか検証していきましょう。

記事の目次

  1. 1.ロードバイクのタイヤが細い理由
  2. 2.各タイヤ(23C/25C/28C)の特性と比較
  3. 3.ロードバイクなのにタイヤを太くする理由
  4. 4.23Cは今後どうなる?
  5. 5.異なるサイズのタイヤ交換はどこまで可能か?
  6. 6.まとめ

ロードバイクなのにタイヤを太くする理由

Photo by jsnyng

上記の比較で、3種類の太さのタイヤにはそれぞれの違いやメリットデメリットがあることを説明しました。ですが、ロードバイクは本来、より効率的に速さを追求するため、軽さを何よりも重視してきたはずです。にもかかわらず、現在のトレンドはむしろより太いタイヤに最適化される方向に向かっています。その背景には何があるのでしょうか。

分析でわかった25C>23Cのメリット

Photo by zaikou

25Cの普及に拍車をかけたのが転がり抵抗の科学的分析です。それによると、同じ700cのホイールサイズ、同じ空気圧なら、23Cと25Cとではタイヤの変形する度合いは25Cの方がやや少ないというのです。そうなると地面に接する面積も転がり抵抗も、25Cの方が有利ということになります。こうして25Cがプロのレースでも使われるようになりました。

用途の多様化により25Cや28Cが一般化

そして現在、ロードバイクの用途はレースやヒルクライムにとどまりません。ロングライドやブルべを楽しむ人はより快適で負担の少ない乗り心地を望み、25Cが完全に定着しました。またキャンプツーリングに挑戦する人、山や林道へ分け入って走る人は、未舗装路に適したより太い安定したタイヤを求めます。そのため最近のエンデュランスロードは、最初から28Cをはき、28C以上に最適化されているモデルが増えつつあります。

ホイールのワイドリム化

こうして25Cのサイズが標準になったことで、ホイールの方もそれに合わせてリム幅を広くするようになりました。その結果今では多くの700cホイールのリム幅が17mmへと広がり、従来まで23Cで使っていたリム幅15mmサイズのホイールも徐々に少なくなってきています。タイヤとホイールがお互いのサイズに合わせた結果、23Cとリム幅15mmのホイールが淘汰される形になりました。

ロードバイクのタイヤが太くなっている理由

  • 25Cの優位性が立証され標準化
  • 用途が多様化し、乗り心地重視の太いタイヤが普及
  • ホイールのワイドリム化

23Cは今後どうなる?

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23Cのタイヤは、今後どうなってしまうのでしょうか。まだショップでは、23Cも店頭に並んでおり、今すぐなくなってしまうことはないでしょう。ですが、現状を考えると少しずつそのシェアを減らしていくことは間違いありません。

ワイドリムホイールは23Cへの逆風

その理由として挙げられるのが、前述したホイールのリム径のワイド化です。23Cに最適なサイズである15mm幅のリムを生産しているメーカーが少数派になり、Canpagnolo Zondaのような、ホイール交換で定番となる人気商品は軒並み17mm幅で25C推奨となっています。17mmリムで23Cタイヤを付けると、横に広すぎて転がり抵抗が悪くなるというデメリットがあるため、23Cで軽快な走りをするならリム幅15mmが推奨されるのです。

救いの神はヒルクライマー?

Photo by Chelsom Tsai

そんな23Cですが、軽さという特性を活かして活躍できるフィールドがあります。日本で特に盛んなヒルクライムイベントです。誰よりも速く坂や山を駆け上がるのが至上命題のクライマーにとっては、高速巡航性も長距離での快適性も最優先ではありません。1グラム単位で軽い機材を求める彼らにとって、23Cや15mm幅のホイールへの需要はまだなくなってはいないのです。

異なるサイズのタイヤ交換はどこまで可能か?

ここまでは3種類のタイヤの太さについて紹介してきました。ここからはそれぞれのサイズへの交換、タイヤを23Cから25Cに変更できるのか、28Cへはどうなのか、といったことについて解説していきます。

タイヤを23cから25cに変更できるのか

23cから25cについては交換可能です。ここ数年市場に出回っているロードバイクは、全てと言っていいほど25C対応になっています。問題はホイールですが、現在ホイールの主流はリム幅17mmなので、こちらも心配はいりません。リム幅15mmでも25Cに交換できますし、数値上は28Cでも可能なことにはなっています。ただし、狭い幅に太い筒をはめるとその分縦方向に伸びてしまうため、変形度や転がり抵抗の面でベストとは言えません。

タイヤを25cから28cに変更できるのか

Photo by Glory Cycles

では更に太いタイヤに交換するとなるとどうでしょうか。前述のとおりホイールのリム幅が17mmならば大丈夫です。むしろ問題となるのはフレームの対応サイズです。これはタイヤが太くなってフォークやリムブレーキとの隙間がなくなると、通常の使用に支障が出るからです。2~3年前のエアロロードなどでは「25Cまで対応」となっているものもあるので、気をつけましょう。

ホイールとフレームの規格がカギ

自分の持っているロードバイクがどこまでの太さのタイヤに交換できるかは、フレームとホイール、それぞれの適合サイズを確かめることが大事です。現在のロードバイクはより多目的に対応できるよう作られたものが多いので、ホイールのリム幅に注意すれば大抵のタイヤは使えるようになっています。

まとめ

Photo byStockSnap

さまざまな太さのある現在のロードバイク用タイヤですが、23C、25C、28Cの3種類を比較して、その違いや特性とメリット/デメリットを検討してみました。25Cが主流となった現在ですが、そこからより快適でグリップ力が強い、太いタイヤも普及しつつあります。ロードバイクの楽しみ方が多様化・細分化している現代は、23Cも、28Cも、それ以上太いタイヤも、自分の用途や目的、自転車の規格に応じて、さまざまな太さのタイヤを使い分けることが大事なのです。

ちゃりぶらりあん
ライター

ちゃりぶらりあん

自転車、特にロードバイクをこよなく愛し、チャリでブラブラするのが好きな図書館司書(ライブラリアン)。 すなわち「ちゃりぶらりあん」とは私のことです。 怠けているので速くはなく、稼ぎはないので高いパーツも買えませんが、走る楽しさは何よりの宝物です。 海外レースもよく観戦します。

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