シリコンオフとパーツクリーナーの違い
シリコンオフとよく混同されるのがパーツクリーナーですが、どちらも油分を除去する効果がある製品です。このふたつの違いは何でしょうか?また、それぞれの代用品としては使えるのでしょうか?
使用用途の違い
シリコンオフは脱脂剤であり、パーツクリーナーは洗浄剤です。つまり、表面の油分を除去するのはシリコンオフ、パーツの油汚れを内部から洗い流すのがパーツクリーナーの役割なのです。どちらもお互いに代用品としても使えますが、本来の性能をフルに発揮させるには、それぞれの用途で使うのがよいでしょう。
シリコンオフは脱脂剤
- 表面の油分を除去する
- 塗装やコーティングの前処理に向いている
- 速乾性
パーツクリーナーは洗浄剤
- パーツ内部の汚れも除去できる
- パーツ洗浄や洗車などに向いている
- 速乾性・遅乾性・泡状などがある
自転車での使い方
シリコンオフの効果や用途、それに伴なう危険性について紹介してきました。使い方にさえ気をつければ、シリコンオフはとても便利な製品です。それではシリコンオフの自転車での使用例や、使い方・注意点をみていきましょう。
準備
自転車の汚れを落とす
まず前提として、自転車についている汚れを落としましょう。走行中についた砂やほこりなどをそのままにして脱脂しても効果が十分に発揮されないばかりでなく、拭いたときに自転車に傷をつけてしまう可能性もあります。汚れがひどい場合は、洗車してから脱脂するようにしましょう。
自転車での使用例
油汚れ落とし
自転車につく汚れの中には、ただ拭いただけではではとれない油性のものもあります。そんな頑固な油汚れもシリコンオフなら簡単に除去できます。シリコンオフは揮発性が高いので、特に汚れやすいチェーンの内部の汚れまでは浸透せず、チェーンクリーナーの代用とまではいきません。ですが、チェーンの表面やチェーンリングなど軽度の汚れであればピカピカにできます。
自転車のコーティング
自転車にワックスやガラスコーティングをするときの前処理として、フレームなどの施工面をシリコンオフで脱脂しておくことで、しっかりとコーティングがかかります。脱脂せずに施工すると、汚れの部分だけはじいてしまったり、汚れを閉じ込めてしまうことになります。場合によってはやり直しが困難なこともあるので、事前にしっかりと脱脂しておきましょう。
自転車の塗装
自転車のフレームやカゴなどをDIYでスプレー塗装する場合も、シリコンオフでの脱脂がとても重要です。塗装する場所に油分がついていると、その部分だけ塗料が密着せずにはじかれてしまいます。コーティングと同様に事前にしっかり脱脂しておくことで、塗装がはじかれたり、後から剥がれるといったトラブルは起こりにくくなります。
脱脂の方法と注意点
脱脂のやり方と注意点を液状タイプを例に紹介します。シートタイプやスプレータイプも基本的にやり方は一緒です。ウエスと呼ばれる布を使いますが、タオルやティッシュなどだと繊維が塗布面に残ってしまうので、繊維が残らないマイクロファイバークロスなどを使うとよいでしょう。
脱脂のやり方
シリコンオフで脱脂するときには、綺麗なウエスを2枚用意しましょう。1枚目はシリコンオフを染み込ませて脱脂する用で、2枚目は脱脂した面を乾拭きする用です。ガラス窓を濡れた雑巾で拭くと白い筋が残ることがありますが、それと同じようにシリコンオフも乾くと白い筋が出やすいので、1枚目での脱脂後に2枚目で乾拭きすると、筋が残らず綺麗に仕上がります。
注意点
有機溶剤はものを溶かす特徴があるとお話ししました。シリコンオフは塗装を溶かさない成分配合になっていますが、プラスチックやゴムなどは溶けることがあります。サッとなでる程度であれば問題ありませんが、長時間つけると艶がなくなったり溶けたりするので、ブレーキシューやブラケット、サドルなどには極力使わないようにしましょう。
シリコンオフとパーツクリーナーって、油分を除去する役割は同じ。具体的にはどこが違うんだろう?