メンテナンススタンドの種類とそれぞれに適した作業
メンテナンススタンドを選ぶには、自分がどのような整備を行うかを、明確にイメージすることが必要です。主要なパーツを脱着する重整備まで行うのか、それともチェーンの掃除などの軽整備は自分で行うが重整備は専門家に任せるのか、洗車だけかなどで、作業のレベルも変わりますし、メンテナンススタンドの機能への要求が変わってくるのです。
それでは、市販されているメンテナンススタンドの種類と、それに適している作業をご紹介します。
メンテナンススタンドの種類①:ワークスタンド
ワークスタンドは、ロードバイク用のメンテナンススタンドでは最も一般的なものです。その形は、左右からロードバイクを保持し後輪をフリーにするもので、チェーンステーにスタンドのフックを乗せるタイプと、後輪のハブ軸を挟み込むタイプの2つがあります。簡単な構造で価格もいちばん手頃ですが、基本的に保管専用や軽作業向けの製品が多いと言えます。
後輪のハブ軸を挟み込むタイプの場合、クイックレリーズレバーの形状によっては使用できない製品もありますので、購入時にはメーカーや取扱店でご自身のロードバイクとの適合をしっかり確認してください。
メンテナンススタンドの種類②:リアフック式
このタイプは、ロードバイクを持ち上げて、そのシートステーとチェンステーの2箇所をスタンドのフックに差し込んで使うもので、バイクを持ち上げるだけで簡単にスタンドにセットできます。これにより後輪がフリーになるため、ディレーラーやチェーンの清掃、車体の洗車など、アマチュアが行うレベルの整備にはぴったりのメンテナンススタンドです。
スポーツサイクルを専門に扱っているショップでも、このメンテナンススタンドを使っているのをよく見かけます。手軽にセットできる点が、評価されているのでしょうね。
メンテナンススタンドの種類③:クランプ式
作業者が立ったまま整備が行えるよう、ロードバイクのシートポストなどをクランプで固定するタイプのメンテナンススタンドです。車輪を外さなくても使用できること、前後輪とも持ち上がるので、ロードバイクのどの部位も整備ができることなどから、アマ・プロを問わず人気の高いメンテナンススタンドです。ただし、車体の固定ポイントが1か所ですので、安定感では少し劣ります。
また、フレームやシートポストの形状によっては使用できない場合もありますので、この点はよく注意してください。
メンテナンススタンドの種類④:フォークダウン式
前後輪のどちらかを外し、フロントフォークあるいはリヤエンドと、ボトムブラケットをスタンドに固定するタイプのメンテナンススタンドです。車輪を外さなければならない手間はありますが、車体を2か所でしっかりと固定しますので、細かく微妙な整備を行うときには、作業効率が格段によいのです。多くのプロチームがこのタイプを愛用しているのも、その良好な作業性ゆえです。
このスタンドは、バイクを付けたまま回転させることもできますので、泥がついたMTBなど入念な洗車が必要なバイクの整備には、特に威力を発揮します。
自分のメンテナンススタイルに合ったスタンドを選ぼう
スポーツサイクルは繊細な乗り物ですので、その性能を100%発揮するためには、日々のメンテナンスがとても重要です。それぞれの製品が持つ機能と性能の、ご自身が行う作業への必要性をよく考えられた上で、適切なスタンドを選んでください。そうすれば、あなたのメンテナンスに対する考えは、必ずや大きく変わるでしょう。
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出典:flickr _ Photo by Gene Bisbee