ツーリングバイクとは
長距離を快適に走る自転車
ツーリングバイクとは、長距離の自転車旅行に対応するよう設計されているほか、さまざまな装備の取り付けができるように考慮された自転車をいいます。スピードを求めるのではなく、のんびりと長い距離を快適に走ることを目的として作られているのが、一般的なロードバイクと異なる点です。
特別な工夫が満載の自転車
ツーリングバイクという名称ではありますが、それを名乗るために特に満たすべき条件といった定義はありません。一般的なロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクでもツーリングに出掛けることはできます。ただ、ツーリング専用の自転車は、長旅でのライダーの負担を抑えたり多くの荷物が積載できるような工夫がされています。
ツーリングバイクの特徴
特徴①ハンドル
長時間走行ではいろいろな乗車姿勢が取れるほうが体への負担は軽減されます。そのためクロスバイクのようなフラットハンドルではなく、大半がドロップハンドルを採用しています。また、前傾姿勢を和らげるためにハンドル位置が若干高めに設定されているモデルも多く見られます。
特徴②タイヤ・ホイール
パンクリスクや乗り心地、路面からの抵抗などを考慮して、タイヤ幅はロードバイクより太め、マウンテンバイクより細めの30c程度が主流です。また、舗装路走行がメインなので凹凸がない、もしくは少ないものが多いです。ホイールも軽さより乗り心地を重視したモデルが採用されます。
特徴③変速機
移動中のトラブルをなるべく減らし、かつさまざまな状況に対応できるように、変速機は前3×後7~9段というモデルがメインです。ギア比は、スピードを出すよりゆっくりと走れるように速度域が低く軽め、また急坂や長距離走行でも足への負担が少ないように幅広くなっています。
特徴④装備の取り付け
自転車での長旅となると荷物が多くなりがちですし、雨に降られるかもしれません。それらに対応するためにキャリアや泥除けが装着できるようにネジ穴が設けられているモデルが大半を占めます。さらには、キャリアや泥除けが標準装備されているものも少なくありません。
ツーリングバイクの魅力
魅力①長距離でも快適
ツーリングバイクでは、ホイールベースが広くなっているので直進安定性が高く、たくさんの荷物を積んでもふらつきにくい、またバッグ類が足やかかとに当たらないような設計となっています。さらに、きつい前傾姿勢を取らずにすむので長距離ライドでも体への負担が少なくて済みます。
魅力②フレーム強度が高い
ツーリングバイクの大半が、フレーム素材としてクロモリを採用しています。クロモリはアルミやカーボンと比較すると重いのですが、細身でも頑丈な点やしなやかで疲れにくい点がロングツーリングに適しています。
魅力③たくさんの荷物が積める
自転車旅行ではいろいろと荷物が多くなりがちですが、ロードバイクやクロスバイクではリュックやサドルバッグ、フレームバッグなどに詰め込むしかありません。ツーリングバイクには、サイドバッグやパニアバッグなどより多くの荷物が取り付けられるようにネジ穴が、それも複数個所装備されているモデルも少なくありません。
ツーリングバイクの主なカテゴリー
一般的なロードバイクやクロスバイクでも荷物を積んで自転車旅行にでかけることはできますが、やはり快適性や利便性においてツーリング専用車にはかないません。ツーリングバイクとして挙げられる自転車のカテゴリーは、おもに3つに大別できます。
カテゴリー①ランドナー
ランドナーはフランス発祥の伝統的スタイルのツーリング用自転車です。特徴としては、舗装路だけでなく砂利道程度の多少のオフロードなら走行が可能なように、太めのタイヤを装着しています。設計は、荷物を積んでのんびり走れるように直進安定性を重視した万能タイプのツーリングバイクです。
カテゴリー②スポルティーフ
ツーリングバイクながらホイールはロードバイクと同じ700c、タイヤは28c前後と細めを採用しているので、あまり未舗装路走行は得意ではありません。荷物も多くは積載できませんが、ランドナーより速い速度での走行に向いたモデルといえます。
カテゴリー③ヘビーツーリング
ヘビーツーリングは、単に自転車旅行というより数週間や数か月といった長期ツーリングやキャンプツーリングに適しています。長期間やテント泊に対応するためどうしても増えがちな荷物を積載するため、前後キャリアや大きなサイドバッグの取り付けが可能な仕様になっています。
ツーリングバイクおすすめ7選
おすすめ①ミヤタ フリーダム プラス
自転車旅にありがたい装備
650B×45cの極太タイヤで舗装路はもちろん、未舗装路でも安定した走りを見せる乗り心地に優れるクロモリフレームのランドナーです。シマノ製のロード用9段コンポーネントを採用しています。ナローワイドチェーンリングにより荒れた路面でもチェーン落ちのリスクが軽減されるのは、自転車での長旅となるとなおのことありがたいですよね。
手頃な価格は初心者にもおすすめ
機械式のディスクブレーキとセンターロック式のディスクローターにより、雨の日でも安定した制動力が得られるので安心です。自転車ツーリング初心者でも手が出しやすい手頃な価格も魅力です。
おすすめ②ミヤタ アイガー
本格的ランドナー
乗り心地と軽量・高剛性を両立したクロモリチューブをダウンチューブに採用したランドナーです。下部がハの字型に広がっている本格的ランドナーバー形状のドロップハンドルなので、長時間のライドも疲れにくいでしょう。26インチタイヤはメンテナンス性が高く、旅先でのトラブルにも対応しやすいメリットがあります。
輪行にも使いやすい
ブレーキは高いコントロール性とオフロード走行時の泥詰まりを防ぐカンチブレーキなので、悪路や雨天時でも安心して走れます。後部マットガードは工具なしで分割可能なので輪行の際に便利ですし、パンク時に安心な大型フレームポンプも装備しています。
おすすめ③アラヤ フェデラル
走りも充実
バックステーに至るまで、軽量かつしなやかな走りを実現するオールクロモリフレームを採用しています。650×38Bタイヤを標準装備していますが、42Bタイヤの装着も可能です。ロードバイクで多く採用されるシュートリーチドロップハンドルは反応性にも優れています。
ツーリングバイク初心者にも
制動時の剛性を高めたカートリッジシューのカンチブレーキやロングツーリングに適した厚めのクッションのオリジナルサドル、軽量なアルミ製ギアクランクなどの装備が自転車ツーリングにおいて快適性を提供してくれます。手頃な価格は、ロードバイク初心者にもおすすめです。
おすすめ④アラヤ ツーリスト
坂道に強い
メインコンポーネントにシマノ製のロード用コンポクラリスを採用したツーリングバイクです。ラグフレームのオールクロモリで構成され、650×35Aと26インチよりやや大きめのタイヤを装着します。スプロケットには低めのギア比があるので、坂道などでは有効です。
初心者から中級者まで
フレームポンプやアルミ製の泥除け、さらにフロントキャリアが標準装備されているので、すぐにでもロングツーリングに出掛けることができます。初心者から中級者までの乗り手に応えるミドルレンジツーリングバイクです。
おすすめ⑤丸石サイクル エンペラーツーリングコンダクター
クラシック感がおしゃれな自転車
700cサイズのホイールを採用しているので、いろいろな状況や路面をスポーティに走行できます。ハンマードアルミフェンダーラージハブは、軽量で耐久性に優れるオールクロモリのホリゾンタルフレームと相まって、高級感漂うクラシックイメージを演出します。
長距離でも疲れにくい
オリジナルのツールリングバーを採用したハンドルは、いろいろなポジショニングを可能にして、長距離走行でも疲れにくいメリットがあります。蝶ネジで留める分割式のハンマードアルミフェンダーはおしゃれなだけでなく、輪行にも便利です。
おすすめ⑥トレック 520 ディスク
人気のトレック
ロードバイクでも人気の高いトレックのクロモリフレームのツーリングバイクです。ワイドなギア比のシマノ製27速ドライブトレインにメンテナンスの容易な機会式ディスクブレーキを装備、安定したツーリング向けジオメトリーなど、数日間の自転車旅行に適した装備・性能を持っています。
ロードバイクからの乗り換えも問題なし
また、フロントとリアのキャリアやチューブレスレディホイール、耐パンク性の700×38cタイヤを装備しています。シフトはデュアルコントロールレバーなので、ロードバイクから乗り換えても違和感なく対応できるでしょう。
おすすめ⑦ジェイミス レネゲード S4
「アドベンチャー」に出掛けよう
ジェイミスでは、アドベンチャーバイクというカテゴリーを謳うモデルです。クロモリフレームに650×36cのタイヤ、シマノ製ソラのメインコンポーネント、テクトロの機械式ディスクブレーキは、まさに「アドベンチャー」に出掛けるにふさわしい装備です。
スピード走行もOK
キャリアやラックを取り付けるネジ穴も複数装備されています。ロードバイクに近い乗り心地や操作性、装備なので、ツーリングだけに縛られずスピードを求めた走りもしたいといった人におすすめです。
ツーリングバイク選びのポイント
ツーリングバイクはランドナー、スポルティーフ、ヘビーツーリングと3つのカテゴリーに大別されます。しかし、自転車ショップでは専門店でない限り区別せず「ツーリングバイク」として販売されているケースが多いので、選ぶ際には自分なりにいくつかのポイントをしっかり認識しておく必要があるでしょう。
ポイント①どんな走り方をするのか
1日に走る距離は?
長距離の自転車旅行といっても、人により走行距離や日程、積載する荷物の量などはさまざまです。走行距離は総走行距離はもちろん、1日の走行距離も重量です。1日に多くの距離を走りたいのであれば、タイヤは細めでスピードの出るロードバイクタイプのほうがおすすめです。
高速性か安定性か
たくさんの荷物を積んでいくのであれば、タイヤは太いほうが安定性があっていいでしょう。また、行程は舗装路がメインなのか、未舗装路も多く走るのかといった点でも選ぶ自転車は違ってきます。しっかりした日程や行程は必要ありませんが、高速性を求めるのか、安定性を重視するのかという点を自分の中ではっきりさせることが大切です。
ポイント②必要な装備はついているか
装備を揃えると結構な金額に
ツーリングバイクには、泥除けやキャリアなどが標準装備されているものも少なくありません。しかし、それらが装備されていないモデルであれば新たに購入するので、自転車本体以外に追加投資が必要となります。
標準装備モデルを選ぶのもアリ
予算に余裕があれば自転車本体を購入してあとから追加で装備を購入すればいいのですが、自転車にかけられる予算が決まっているなら、最初から必要な装備がついているモデルを選ぶのもアリでしょう。
ポイント③ツーリングバイク専門店がおすすめ
専門店で相談
特に初心者の場合は、どのモデルが自分の使い方に適しているかという判断が難しいケースも多いので、最初はツーリングバイクをたくさん取り扱っている自転車専門店に相談することをおすすめします。
初心者にはわからないことだらけ
ただ、ツーリングバイク、特にヘビーツーリングを置いているショップは決して多くはないのが実情です。しかしながら、同じ自転車だからとロードバイク専門店でツーリングバイクを購入するのはあまりおすすめできません。ロードバイクとツーリングバイクは似て非なるものと心得て、ツーリングバイクに詳しいお店で相談・購入しましょう。
ツーリングバイクはマルチパーパスな自転車
ツーリングバイクはその名の通り長距離ツーリングや旅行を目的にした自転車ですが、頑丈かつ長い時間乗っても快適に作られているため、実は普段使いとしてもおすすめなマルチパーパスな自転車です。ロードバイクが欲しいけれども速く走ることだけが目的じゃないという人は、ツーリングバイクを検討してみてはいかがでしょう。
http://araya-rinkai.jp/tur.html