はじめに
皆さんも外に出ると、自転車に乗る人々をたくさん見ることでしょう。しかし、自転車が免許制になってしまったら、今までのように気軽に乗ることはできなくなってしまうかもしれません。今回は自転車の免許制度についての賛成や、反対の意見を紹介いたします。自転車に乗るときは、歩行者や車に気を付けて、安全運転について意識することが大切です。
自転車に乗るのならば安全運転は大切よ。自転車を取り巻く環境について少し触れてみましょう。
自転車に免許制度は必要なのか
自転車は、老若男女を問わずにさまざまな方が日常的に乗っています。また、スポーツサイクルとしてのロードバイクなどの、たくさんの種類の自転車を日常的に目にします。そして、自転車の数が多くなったために、広いとは言えない日本の道路では、危険であるシーンも増え、自転車にも免許制度が必要であるという主張も見受けられるようになりました。
自転車による事故が発生している
警視庁の発表によるデータだと、東京都内で2019年に起きた自転車に関連する交通事故の件数は、13094件です。これは全体の件数での39%となっています。都内での事故件数が年々上昇しており、自転車関連の事故における死者も上昇していることから、自転車事故へのマナーなどの対策が求められてきました。
自転車事故で高額な賠償金を負う事例もある
自転車と歩行者の事故では、自転車側が高額な賠償金を支払うケースも出てきます。東京都では、5000万円以上の賠償金を支払う判決も出ており、神戸市では男子小学生が9000万円以上の賠償金支払い判決も出てきています。自転車に乗る立場の人間は、より一層マナーについて考える必要があるでしょう。
自転車は交通事故の原因になる
- 都内では自転車関連の交通事故は増加傾向
- 交通事故の加害者となることもある
- 事故は被害者と加害者双方の人生に影響を与えてしまう
自転車の免許制度に賛成の人もいる
自転車の免許制度に賛成という立場の意見をまとめると、
- 現状は自転車のマナーがよくないこと
- 自転車関連の事故が増加していること
- 賠償金が高額であり、社会問題になる恐れがあること
免許制になることでマナーが向上するという意見もある
また、免許を持つために、交通ルールを遵守する姿勢が、マナーにも良い影響を与えるという考え方から、一部の地域では自転車運転免許制度が取り入れられています。法的な根拠はありませんが、小学生や、中学生などの交通安全教育の一環として実施されていて、歩行者の保護など、マナーの向上に役立つのではないかという意見があります。
自転車の免許制に反対する人の立場
続いて、免許制に反対する人たちの意見も紹介します。反対する立場の人としては、
- そもそも、自転車専用レーンなどの整備がなされていない
- 専用レーンがあったとしても路上駐車などで塞がれている
- 道や歩道が狭く、そもそも車の走行しか考えられていない
- 免許制度以前にマナーが悪い
マナーの向上と免許制は関連しないという意見
賛成の意見と反対の意見において共通していることは自転車側のマナーについてです。どちらの立場についても理由があり、賛成の立場の人はマナーについて免許という制度面での改善を求めており、反対の立場では、まずは環境面や取り締まりなどの改善を求めています。そのため、免許制が自転車のマナー向上に役に立つのかどうかは未知数であるのが現状です。
どちらの立場の人もマナー向上を求めている
- 道路は狭く、自転車が走行するようには設計されていない
- 専用レーンがあっても、路上駐車によって塞がれていることも多い
- 免許制がマナー向上に直結するかどうかは未知数
まとめ
自転車を取り巻く環境は日々変化しています。ロードバイクなどのスポーツサイクルが増えた影響で、今まで自転車は交通弱者として扱われてきましたが、近年は歩行者への重大な加害事故を起こすこともある乗り物になってきています。万が一にも、自分はもちろんのことですが、相手に重大な怪我をさせてしまうと、二度と取り返しがつきません。マナーを守った自転車の運転を心がけましょう。
自転車に免許制度? 歩行者や車には注意するけれど、免許まで必要なことなのかな?