はじめに
ロードバイクに乗っていると、ハンガーノックといわれる空腹状態に直面したことを経験した方も多いでしょう。ハンガーノックは非常に危険な状態で、なおかつ力が入らなくなるため、すぐに帰宅するのも難しいこともあります。今回は、ハンガーノックの原因や予防方法について解説していきます。
ハンガーノックの代表的な症状
ハンガーノックはロードバイクに乗っているときに起こりうる非常に危険な状態です。しかし、ハンガーノックの症状を理解しておかないと、実際にハンガーノックが起こっているときや、起こりそうになったときに気づきにくいです。まずは、ハンガーノックの症状について解説します。
症状①強い空腹感
ハンガーノックで一番最初に感じる症状としては、強い空腹感です。ハンガーノック自体は体内の血糖値が低下して引き起こされるため、空腹感は一番気づきやすい症状の一つです。ロードバイクでロングライドをしているときに、空腹感が強くなってきたときには、ハンガーノックが起こり始めていると認識するようにしましょう。
症状②冷や汗やめまい
ハンガーノックでは、空腹感の他にも、冷や汗やめまいの症状が現れます。この冷や汗や、めまいという症状は、人間の体が低血糖状態に陥ってしまったときに起こる症状です。脳へ栄養として使われるはずにグリコーゲンが運動によって失われてしまうと、脳も正常な活動が行われなくなり、冷や汗やめまいといった症状が現れはじめます。特にめまいは、バランスを崩すこともあるため、無理にライドを継続することは避けましょう。
症状③脱力感
ハンガーノックでは、体内のグリコーゲンが枯渇してしまい、筋肉に栄養として使われるものもなくなってしまいます。いわば、ガス欠の状態になります。そのようなガス欠の状態では、筋肉に力を入れることもできなくなるため、脱力感が出現します。脱力感が強くなると、どんどん自転車が進まなくなってしまいます。
症状④しびれや意識障害
ハンガーノックの空腹感や脱力感などを無視してライドを続行してしまうと、低血糖状態がどんどん進行して悪化してしまうため、指先のしびれなどが起こります。最悪の場合には、脳の機能が著しく低下して意識消失してしまうこともあります。ハンガーノックも悪化すると、命の危機に陥ることもあるということは必ず覚えておくようにしましょう。
ハンガーノックの代表的な症状
- 症状①強い空腹感
- 症状②冷や汗やめまい
- 症状③脱力感
- 症状④しびれや意識障害
ハンガーノックを招いてしまう原因
ロードバイクではハンガーノックに注意していても、ハンガーノックになってしまうこともあります。では、どのようなことをするとハンガーノックを招きやすいのでしょうか? 次に、ハンガーノックを招きやすい原因について紹介します。
原因①補給食を持たずにライドする
短い距離のライドであれば水分のみ持っていれば大丈夫かもしれませんが、50km以上のライドで補給食を持たずにライドすることは大変危険です。ハンガーノックになりかけていると気づいたとしても、補給食を持っていないと対処できません。もし、忘れてしまったのであれば途中でコンビニなどに寄った方がいいでしょう。
原因②定期的な補給をしない
もしも、ロングライドに出かけるときに補給食をもっていったとしても、実際にその補給食を食べないと意味がありません。ロングライドで周りの景色に夢中になっていたり、自転車を漕ぐことだけに集中してしまって、補給が不十分になってしまうと、ハンガーノックを招く原因になってしまいます。気持ちには余裕を持ちながらライドして、定期的に補給しましょう。
原因③空腹を感じてから補給する
補給する意識があっても、空腹感を実際に感じてから補給をすることは、補給のタイミングとしては遅いです。どんなに吸収性に優れた補給食を摂ったとしても、消化・吸収には、30分以上かかってしまいます。そのため、空腹感を感じてから補給をしても軽度のハンガーノックになってしまうリスクがあります。
原因④水分摂取が不十分
どれだけ補給食を食べていたとしても、水分の摂取が不十分になっていると、ハンガーノックを招きやすいです。人間の体は、糖分を体内に取り込むときに水分も必要です。また、消化・吸収を行う胃や腸に食べ物が到達しやすくなるためにも、補給のときに水分摂取も同時に行う方が望ましいです。ボトルの水分を一口や二口だけでもいいので、補給と同じタイミングで水分の摂取もしましょう。
次のページでは、ロードバイクでなぜハンガーノックが起こりやすいのかを解説します。