フィジークのサドルの選び方①
脊椎の柔軟性
サドルの選び方の第一段階は、まず背骨の柔軟性から違いを割り出すことです。あなたが上の3つのどのタイプなのかは、ここから判断します。
スパインコンセプトの基本3タイプ
- スネーク(蛇)タイプ:脚を曲げずに前屈して、手が足の爪先まで届く脊椎が柔らかい人。ペダリング時に骨盤が立つ状態です。→アリオネ
- ブル(雄牛)タイプ:前屈してもヒザ下くらいまでしか手が行かない、脊椎が硬い人。ペダリング時には骨盤が倒れる形になります。→アリアンテ
- カメレオンタイプ:前屈したとき、手が足首の少し上までで止まる人。柔軟性は普通で、骨盤がやや倒れるくらいです。→アンタレス
フィジークのサドルの選び方②
上記の選び方に加え、それぞれのサドルには、レギュラーかラージの2種類のサイズがあります。体重と平均速度から割り出されるパワー出力を、フィジークのパワー・マトリクスチャートで探し出し、サドルのサイズを選択します。この2つの選び方を採用したのがスパインコンセプトEVOです。
フィジークのサドルの選び方③
痛みの場所によって形を決める
一番気になるのは、お尻や股間の痛みです。これに悩まされている方には、上記の選び方に加え、センターの形状という要素が加わります。痛みが耐えきれないほどつらい人は、穴や溝があるタイプがよいでしょう。ただし痛む場所とサドルの形状の違いで、かえってそこを圧迫してしまう場合もあるので、ショップでよく相談することをおすすめします。
ノーマルとOPEN
ノーマルは溝も穴もない、普通のサドルです。特にお尻の痛みに悩まされていない方はこれでもよいですが、そうでない人は、穴あきタイプのOPENがおすすめです。気になる点としては、穴のふちを補強するためやや重さが増えることと、その穴のふちが当たる場所に痛みを感じる方は要注意です。
VERSUS EVO
VERSUS EVOは中央部に溝が走るタイプです。このモデルは、カーボン強化ナイロンシェルの土台に、マイクロテックスカバーのパッドを接合した特殊構造になっており、快適で軽量なサドルを実現しました。
フィジークのサドルの選び方④
軽さを極めた最高級00シリーズ
00シリーズは、土台となるシェルに複合素材ではなく、全てカーボンを使い、サドルレールもカーボンを使用した、最軽量・最高級ランクのモデルです。もちろんアリオネ・アリアンテ・アンタレスの3タイプ、2種類のサイズ、ノーマルとVERSUS EVOに用意されています。
レールの素材
最後はサドルを支える、シートポストの素材です。カーボン製のR1、k:iumと呼ばれる素材を使ったR3、アルミ製のR5に分かれ、R1>R3>R5の順に値段が高くなります。R5モデルは穴あきのOPENタイプのみで、他の2つは全モデルで使われています。(00は全てカーボンなのでカーボンレールのみ)
カラーバリエーション
かつてフィジークのサドルは、赤いサドル、白地に赤いライン、グレーに白ライン、黒に赤の非対称なラバーと、色とりどりでした。現在販売されているモデルは、基本黒一色で、まれに白のモデルがあるのみです。昨年、受注限定でカラーオーダーシステムを受付け(センター部分に12色から選んで入れる)、今年は穴あきのOPENモデルで4色展開の限定販売を行っています。自分のバイクにマッチしたカラーのサドルを求める人は、こうした情報もマメにチェックしましょう。
試乗ができます:それでもお困りのあなたへ
だいたいの違いはわかったけど、実際ひとくくりにはできない、本当に自分に合うとは限らないのでは? という方のために、フィジークのサドルは試乗ができます。スポーツサイクル取扱店の中には、一定期間、フィジークのサドルをレンタルして、試せるサービスを行っている所もあります。詳しくは最寄りのバイクショップにお問い合わせください。
まとめ
今回はフィジークのサドルについて主要の3種類を紹介し、違いや選び方、インプレを元に、どんな人にどのタイプがおすすめなのかを説明しました。確かに人の体もお尻も千差万別で、サドル選びには正確な答えは出ないものです。一方で、理論と検証に基づき確かな方向性を示すフィジークが、サイクリストの間で高い人気を得ている理由がおわかりだと思います。この記事を参考に、サドル沼から脱出して快適なサドルを手にすることができれば幸いです。
- 1
- 2
出典:筆者撮影