フルクラムとは
フルクラムは、世界3大コンポーネントブランドのひとつとして知られるカンパニョーロの高い技術力を引き継ぐ、ホイールに特化した姉妹会社です。カンパニョーロが扱うホイールはロードバイクがメインですが、フルクラムではロードバイクのほか、マウンテンバイクのホイールも扱っています。2004年創業と新しいブランドながら、世界中で高評価を博しています。
フルクラムのホイールの種類と特徴・魅力
フルクラムのホイールは、大きく「トップグレード」と「ミドルグレード」「エントリーグレード」の3つに分類できます。そして、それそれのグレードにいくつかのシリーズがあります。また、ほとんどのモデルにおいてディスクブレーキに対応しています。
①トップグレードホイール
トップグレードホイールは「レーシングゼロ」「スピード」「レッドウィンド」「レーシングスピード」の4シリーズに分けられます。
レーシングゼロシリーズ
フルクラムといえば「レーシングゼロ」いうイメージの強いホイールで「レーゼロ」と呼ばれて非常に人気が高いです。高い剛性と加速性能、推進力などバランスのよさから「アルミホイールの最高峰」との呼び声もあるほどです。レースやヒルクライム、ダウンヒル、平地などあらゆるシーンで実力を発揮してくれます。
スピードシリーズ
その名称のとおり、スピードを追求したモデルです。プロチームとの共同研究によって、速く走ることを目的に開発されました。フルカーボンの軽量性と優れたエアロ性能によって、レーシングシーンで圧倒的な高性能を誇ります。
レッドウィンドシリーズ
タイムトライアルやトライアスロンなど単独走行に特化したホイールです。単独走行ではひとりで空気を切り裂いて空気抵抗に対応しなければなりませんが、レッドウィンドシリーズの優れたエアロ効果は、最高のパフォーマンスをみせてくれます。
レーシングスピードシリーズ
レーシングスピードシリーズは、プロユースのホイールで素材も性能も仕上げも最高級です。軽さも剛性も異次元レベルで、決戦レース用として申し分ありません。
②ミドルグレードホイール
ミドルグレードホイールには「レーシング3」と「レーシングクアトロ」のシリーズがあります。
レーシング3シリーズ
レーシング3シリーズは、高い走行性能を持ち、決戦レースへの使用からトレーニングや調整など、さまざまなシーンで使えるオールラウンドホイールです。コストパフォーマンスに優れており、中級者におすすめのホイールです。
レーシングクアトロシリーズ
エアロ性能にこだわるのが、クアトロシリーズです。ハイトリムによるエアロダイナミクスで、高速巡航時に卓越した効果を発揮します。
エントリーグレードホイール
エントリーグレードの種類
エントリーグレードとはいえ、フルクラムのホイールは上位モデルの性能を引き継ぐハイコストパフォーマンスが魅力です。エントリーモデルには、レーシング5、7、SPORTSがあり、どれも優れた性能を持っています。
おすすめはミドルクラス以上
とはいえ、やはりエントリーモデルなので過度の期待は禁物です。スポーク組もフルクラムの特徴である「2 to 1」を採用していません。さほど軽量とはいえないので、初めてホイールを交換した場合でもその差を体感しずらいかもしれません。交換しても意味はないとはいいませんが、できればもう少し予算を上げてミドルクラスを購入することをおすすめします。
フルクラムのホイールのグレードの違いのポイント
フルクラムのホイールのグレード差はどこにあるのでしょうか。主なポイントは「リム素材」「リムの高さ」「ハブ」「重量」「スポークの組み方」の5つです。これらの要素の組み合わせによって、ホイールの性能が決まりグレードが生まれます。
ポイント①リム素材
リム素材がカーボンかアルミかによって、グレードが左右されます。基本的にカーボンのほうが剛性が高く軽量で高性能です。また、軽いのでリムハイトを高くできるために空力性能もアップします。しかし、カーボン素材は加工が難しいこともあって価格は高くなります。
ポイント②リムの高さ
リムが高いほど、空力性能がよくなり、剛性が高まります。しかし、アルミ素材で作成できるリムは30mm程度が限界で、それ以上となるとカーボン素材でしか作れないため高額となります。
ポイント③ハブ
ホイールを回転させる重要なパーツである「ハブ」は、ベアリングの精度によっていくつかのグレードにわけられます。もちろん精度の高いほうが回転力と剛性が優れています。フルクラムのホイールに使用されるハブもグレードの高いモデルほど高性能なハブが採用されています。
ポイント④重量
ロードバイクの世界では「軽さは正義」とされていて、車体の総重量に大きな割合を占めるホイールの軽さは非常に重要で、軽いホイールほどメリットが大きいといえます。軽すぎるホイールは巡航性能がよくないデメリットが挙げられますが、フルクラムのホイールならバランスがいいので軽くても問題はありません。
ポイント⑤スポークの組み方
フルクラムのホイールの特徴は「2 to 1(ツー・トゥ・ワン)」というスポークの組み方にもあります。比較されることの多いカンパニョーロのホイールは「G3」という組み方でこちらはマイルドでグイグイ進む乗り味ですが、「2 to 1」は剛性の高さと反応のよさによるレーシーな感覚が特徴です。
フルクラムのおすすめホイール3選
おすすめ①レーシングゼロナイト
レーシングゼロナイト
参考価格: 119,000円
フルクラムのホイールの中でも「レーゼロ」と呼ばれ最も人気の高いのがレーシングゼロシリーズです。レーシングゼロシリーズはアルミリムをメインとしながら、カーボンリムもラインナップし、さらにディスクブレーキに対応するモデルなど、ユーザーのあらゆるニーズに応えてくれます。
ブラックリムが大人気
そんな「レーゼロ」の中でも人気の高いのが「レーシングゼロナイト」です。プラズマ電解酸化処理を施したマットなブラックのアルミリムは、見た目にクールでかっこいいだけでなく、制動力もアップしています。
おすすめ②レーシング3
レーシング3
参考価格: 69,207円
走行性能の高さとハイコストパフォーマンスから、多くのライダーの欲求に応えてくれるオールラウンドなミドルグレードのホイールです。このシリーズにもディスクブレーキ対応モデルがあります。
「ゾンダ」と人気を二分
初めてのホイール交換の際にカンパニョーロのゾンダと比較・検討されることも多いですが、ゾンダはどちらかというと衝撃吸収のよいロングライド寄りモデルなのに対して、レーシング3は乗り心地が硬くレース向きのモデルといえます。また、ゾンダは「G3」、レーシング3は「2 to 1」とホイールの組み方が違いますが、どちらも美しく特徴的なルックスです。
おすすめ③レーシングクアトロカーボン
レーシングクアトロカーボン
参考価格: 169,290円
エアロ性能にこだわるクアトロシリーズで人気の高いモデルが「レーシングクアトロカーボン」です。カーボンホイールのミドルグレードに位置されますが、カーボンホイールならではの軽量、また加速力や推進力は上位モデル譲りの高性能を誇ります。
カーボンホイールの入門モデル
リムハイトは40mmでセミディープで平地での高速巡航に効果を見せます。ディスクブレーキ対応モデルもあります。カーボンホイールの入門として、フルクラムのカーボンホイールが欲しいという人におすすめです。
フルクラムでは、ホイールバッグも販売しています。黒地に赤色でフルクラムのロゴが入っているレーシーな雰囲気のおしゃれなバッグです。レース場への運搬などに使えば、大注目ですよ。
まとめ
ロードバイクのホイールをアップグレードしようと考えたとき、フルクラムは間違いなく候補のひとつに挙がるでしょう。それくらい種類が豊富でさまざまな要望に応えてくれるモデルがたくさんあります。特に意味はなく、かっこいいというだけで選ぶ人も少なくないほどです。フルクラムとカンパニョーロ、この2つのブランド人気はしばらく続くに違いありません。
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