スポーツバイクの靴とは
スポーツバイクにはいくつかの種類がある
スポーツバイクとされる自転車にはいろいろな種類があります。一般的なものとしては「ロードバイク」「クロスバイク」「マウンテンバイク」の3つのカテゴリーに分類されますが、それぞれ使用する用途や主なフィールド、乗り方などが異なります。
適した靴もいろいろ
そのため、それぞれのバイクに適した靴が存在します。もちろん普通の革靴やスニーカーで乗っても大きな問題はありませんが、バイクの持つパフォーマンスをできるだけ引き出すためにはそれぞれに好ましい靴があります。
スポーツバイクの靴のおもな種類
靴に決まりはない
ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイク、さらにその他のスポーツバイクにおいて、公式なレースに参加するといったケースでなければ、この靴を履かなければならないという決まりはありません。ポタリングくらいであれば普通のスニーカーでも問題ありませんし、街乗りならサンダルといった人もいるでしょう。
乗り方に応じた靴はある
ただし、スポーツバイクとしての本来のポテンシャルを引き出すのであれば、やはり靴には注意を払って、バイクの種類や乗り方、楽しみ方に応じたり適したシューズを選ぶほうがいいでしょう。スポーツバイクのシューズには、いくつかのタイプがあります。チェックしていきましょう。
①ビンディングシューズ
ロードバイクに適した靴
ビンディングシューズとは自転車のペダルに固定することができる靴で、競技用だけでなく、ロードバイクライダーの多くが使用しています。ビンディングシューズには「クリート」と呼ばれるパーツが靴底に取り付けられていて、それがビンディングペダルという特殊な形状のペダルの金具と合わさって、靴とペダルをしっかり固定します。
メリットが多い
ビンディングシューズのメリットは、ペダリング効率が上がり安定したペダリングや走行ができることが挙げられます。また、脚の疲れが軽減され疲れにくい、特に中距離や長距離走行の際の速度維持がしやすいといったメリットもあります。さらに、ペダルを踏み込んだ時に足が滑らないのもメリットです。
デメリットもある
デメリットとしては、慣れない間はうまくペダルとシューズの取り外しができずに立ちゴケしてしまいやすい点があります。停車して再スタートする際にうまくビンディングがはまらずに焦ってしまうこともあるでしょう。特に坂道での再発進には一苦労します。また、ビンディングシューズの種類によっては非常に歩きづらい点も大きなデメリットといえます。
②サイクリングシューズ
スニーカーでも問題はないけれども
バイクのパフォーマンスは多少スポイルされることはありますが、普通のスニーカーでも問題はないでしょう。ただし、一般的なスニーカーは歩きやすいように底が柔らかいため、ペダルを踏んだ時に靴底がぐにゃりと曲がって力が逃げやすくなります。
サイクリングシューズのメリット
また、長時間乗っていると足の裏が痛くなってしまいがちです。ロードバイク用のスニーカーは、靴底が硬くペダルを踏んでも力が伝わりやすく逃げにくい、足裏も痛くなりにくいというメリットがあります。
サイクリングにおすすめ
靴底が硬いといっても普通に歩くことができますし、見た目も一般的なスニーカーとほとんど違いはないので、街乗りでも違和感はないでしょう。スポーツバイクにビンディングシューズ以外で乗るなら、サイクリングシューズがおすすめです。
SPDとSPD-SLの違い
SPDとSPD-SLはシマノの製品
ビンディングのシューズやペダルには「SPD」と「SPD-SL」の2種類があり、いくつかのメーカーからいろいろなモデルが販売されています。SPDは「SHIMANO PEDALING DYNAMICS」の略なので、本来他社製品の呼称としては正解ではありませんが、シマノ社の製品を使用する人が多くを占めているためか、他社の製品でも「SPD」や「SPD-SL」と呼ばれていることが多いです。
スポーツバイクにはどっちがいいの?
どちらも靴底のクリートでペダルとシューズを固定しペダル効率に優れたスポーツバイクに向いた靴といえますが、違いがよくわからない、自分にはどちらのほうがいいのだろうなどと悩んでいる人も少なくありません。それぞれの特徴やメリット、デメリットをチェックしてみましょう。
SPD-SLのメリット・デメリット
靴底の樹脂製のクリートが大きいのでペダルとシューズがしっかり固定される、シューズの重量が軽い、靴底が薄く硬いのでパワーが逃げにくく効率の良いペダリングができるといったメリットが挙げられます。デメリットとしては、専用のペダルが必要なことや普通のスニーカーでは滑って非常に乗りにくい、クリートが靴底から出っ張っているので歩きにくい点があります。
SPDのメリット・デメリット
靴底は硬めながらSPD-SLほどではなく、クリートは靴底にフラットなので歩きやすいことや片面のみフラットペダルなどペダルの種類が多い点、見た目は普通のスニーカーに近いので普段着でも違和感がない点などがメリットです。一方SPD-SLと比較して、靴底が柔らかいのでペダリングの力が逃げやすい点やクリートが小さいのでペダルとの固定力は劣ることはデメリットとなります。
使い分けはどうすればいい?
それぞれに適したシーンとは
SPD-SLは踏み面が広く高いパワー伝達が可能なので、ロードバイクに最適なペダルです。一方マウンテンバイク向けに開発されたSPDは、バイクを降りて山道を歩くことを想定しているためにクリートが小さく歩きやすい特徴があります。街乗りやライド先でバイクを降りて歩くことが多いなら、SPD対応のシューズのほうがおすすめです。
SPD-SLでも歩きやすくできる
SPD-SLは、靴底からクリートが出っ張っているので滑りやすく歩きにくいのであまり歩きまわるシチュエーションには向いていません。とはいえ、クリート用のカバーを取り付ければクリートの消耗を抑え、歩きやすくなるので、サイクリングで観光をする場合などにはカバーを持って行けば対応は可能です。
自分の乗り方で選ぼう
SPDかSPD-SLかどちらがいいかは、どんな乗り方をするかによります。ポタリングや街乗りメインであればSPD、ロングライドやヒルクライム、またレースへの出場を目標にして走るといった人ならSPD-SL対応のシューズを選ぶといいでしょう。通常はそれぞれSPD用、SPD-SL用のシューズが必要ですが、中にはアダプターを使用することで両方のクリートに対応するシューズもあります。
街乗りにはサイクリングシューズ
ビンディングペダルではなく普通のペダルで気軽に走りたいという人なら、スニーカーでも構いませんが、サイクリングシューズはいかがでしょう。見た目は普通のスニーカーですから普段着でもマッチしますしおしゃれなカフェやレストランに入っても違和感はないでしょう。靴底は硬いですが歩きやすさに問題はなしです。普通のスニーカーより楽で走りやすいのでおすすめです。