ロードバイクにヘルメットは不可欠
自転車は「軽車両」
道路交通法において自転車は「軽車両」に区分されるため、13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、身体に障害のある人、また「自転車通行可」の道路標識のある場所や安全のためやむを得ない場合以外は、基本的に車道を通行しなければなりません。
ロードバイクはリスクが高まる
これはママチャリもロードバイクも同様です。自動車やオートバイと同じ車道を自転車も走行しなければならないわけですから、さまざまな危険が生じるのは当然です。原付バイク並みのスピードが簡単に出せるロードバイクともなれば、さらにリスクは高まるでしょう。
ヘルメットは事故の衝撃を緩和してくれる
自転車に乗る場合、事故のリスクを抑えて安全に走行するように気をつけるのは当然ですが、注意をしていても危険に巻き込まれてしまう可能性は誰にでも存在します。万が一の事故の際、ヘルメットは頭部への衝撃を緩和して怪我の被害を抑制してくれます。
ヘルメットで自分を守る
自転車乗車中の事故での死傷者の損傷部位において、頭部損傷による死亡は全体の60%以上で最も多く、その際にヘルメットを着用していれば死亡リスクは4分の1に抑えられるというデータもあります。現在は13歳未満の子どもへの着用努力義務だけですが、自分の体は自分で守ることを考えれば、年齢に関係なく自転車に乗る際にはヘルメットの着用を強くおすすめします。
ロードバイク用ヘルメット選びの基本ポイント
ロードバイク用のヘルメットはさまざまなメーカーからたくさんのモデルが販売されているうえ、価格もさまざまです。そのため、初心者でなくてもどのヘルメットがいいのか迷ってしまうことも少なくありません。ヘルメットを選ぶ際には、基本的な点を押さえたうえで自分の使い方にマッチするものをチョイスすることが大切です。
基本ポイント①安全性
万が一の事故の衝撃から頭部を守ってくれるヘルメットですから、安全性は最重要視ポイントです。そのために注目するのが、SG規格や日本自転車競技連盟(JCF)公認または推奨マークの有無です。これらのマークのついているヘルメットは一定の性能基準をクリアしたものに与えられるため、安心して使用できます。
基本ポイント②サイズ
サイズが合っていなければ長時間着用した時に非常に疲労感を得てしまいます。一方でぴったりしすぎるのも問題で、締め付けを感じたり痛みを覚えることもあります。自分の頭にぴったりのサイズを選びましょう。
ヘルメット選びの基本以外の留意ポイント
ロードバイク用ヘルメットを選ぶ際には、基本的なポイントを押さえることが重量ですが、それ以外にも使用目的や機能面などにおいて留意する点があります。
ポイント①フィット感
人の頭の形はさまざまですから、サイズがぴったりでも頭の形にしっかりフィットしないこともあります。フィット感の悪いヘルメットは、長い間被っていると疲労感が増したりして被るのがイヤになってしまうこともあるかもしれません。したがって、被った際に違和感なくフィット感を得られるヘルメットを選ぶことも重要です。
ポイント②アジアンフィット
日本人と欧米人の頭の形の違い
ブランドやモデルによってヘルメットの内部の形状が異なります。日本人の頭の形状は欧米人に比べて前後が短く側頭部が横に広い傾向が多く見られるため、欧米モデルのヘルメットではサイズは合ってもフィットしないといった状況になりがちです。
アジアンフィットで解決
ヘルメットを被らない理由のひとつに、ヘルメットを被ったときの頭と顔のラインがキノコのように見える「キノコ頭」になるのがイヤという人もたくさんいます。キノコ頭を避けるには、アジアンフィットという日本人の頭部の形状に合ったモデルを選ぶといいでしょう。近年はヨーロッパメーカーでもアジアンフィットを採用するモデルが増えています。
③軽量性
ロードバイク用ヘルメットには軽量がおすすめ
通勤や通学で使用する場合であれば、ヘルメットの重さはさほど重要視する必要はないでしょう。しかし、ロングライドやヒルクライム、ブルベなどでは重量は非常に大きなポイントとなるので、軽量性も考慮することをおすすめします。
重さで疲労度が変わる
100gの違いがあると、頭の上に余分に100gを乗せて走ることとなります。この余分な重量を頭の上に乗せて100km以上走るとなると、首回りや肩、背中などの筋肉の疲労に大きな影響を与えます。
④通気性
自転車は体を動かす運動ですから、夏はもちろん冬でも頭部に汗をかきます。したがって、通気性の良いヘルメットを選びましょう。汗をかくのは仕方のないことですが、暑さがヘルメット内にこもらない通気性の良いモデルならムレを防いで快適性がアップします。
⑤調整機能
サイズがぴったりでフィット感のあるヘルメットを選ぶことが重要ですが、アジャスターやストラップなどの調整機能で、さらに頭にフィットさせることができます。こういった調整機能はメーカーやブランドによって異なりますが、より多くの調整がより細かくできるモデルのほうがフィット感が高まります。
⑥MIPS
MIPSとは「Multi-derectional Impact Protection System」の略で「多方向衝撃保護システム」という意味です。MIPSは外側のシェルとインナーライナーの間に低摩擦レイヤーを設け、落車などで頭部に受ける衝撃を分散させて保護するシステムで、一般的なヘルメットと比較してより安全性が高いとされています。
⑦その他の機能
夜に乗ることの多い人なら、車からの視認性を高めるためにリアライトのついたモデルやリアライトが装着できるようになっているモデルもいいでしょう。また、レースに参加する人であれば、空気抵抗を減らす設計がされた空力の優れたエアロヘルメットがおすすめです。
高いヘルメットと安いヘルメットの違いとは
価格による安全性は?
ヘルメットを選ぶポイントのひとつに価格もあります。ヘルメットの価格は3,000円程度のものから3万円以上といったものまで非常に幅広いです。ヘルメットを購入する際、高価なほうが安全だと値段の高い方を選ぶ人も少なくありませんが、実は安いヘルメットも高いヘルメットも安全性に関してはさほど違いはないのです。
価格の違いは機能の違い
ロードバイク用ヘルメットの価格の際は、軽さや通気性、またフィット感や快適性を高めるためのさまざまな機能、さらにはMIPSといった特殊なシステムの有無などの付加価値によるものです。もちろん軽量なもの、通気性の良いもの、フィット感や快適性を高める機能のあるもの、MIPSのついたもののほうが高価となります。
安全基準をクリアしたものを選ぼう
したがって、街乗りや通勤、通学だけでヘルメットを被るというのであればさほど高価なヘルメットを購入する必要はないでしょう。あまりにも安すぎる怪しいメーカーの製品は不安があるので避けたほうが無難ですが、安くてもSG規格またはJFC公認や推奨マークのついたモデルなら安全基準をクリアしているので安心して使用できます。
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