マウンテンバイク(MTB)とは
マウンテンバイク(MTB)は、野山や荒れたオフロードを走行するために開発された自転車です。したがって、興味はあるけれども「オフロードを走る機会なんてほとんどないから」「大半が街乗りだから」といった理由で、マウンテンバイクを諦めている人も少なくありません。ところが、実はマウンテンバイクは街乗りに向いているのです。
マウンテンバイクが街乗りに向いている理由(4つ)
マウンテンバイクが街乗りに向いているというと、意外に思う人もいるかもしれません。しかし、その理由は大きく4つあります。
街乗りに向いている理由① ママチャリより断然速い
街乗りで便利なママチャリやシティサイクルですが、車体が重いですし、ギアなどの関係から、決して軽快に走れるとはいえません。坂道をこぐのも、なかなか大変です。マウンテンバイクなら車重は軽量なうえ、変速ギアを駆使して、少々の坂道であればスイスイ駆け上ることができます。
街乗りに向いている理由② 街中の段差を気にしない
ロードバイクやクロスバイクなら、ママチャリより街中を軽快に走れます。しかし、スポーツバイクの細いタイヤは縁石や段差、舗装の荒れた路面などの走行に気を遣わなければならないため、ストレスになりがちです。一方、マウンテンバイクの太いタイヤは、それらを問題にするどころか、むしろ得意といっていいでしょう。
街乗りに向いている理由③ 安定感がよく乗りやすい
ロードバイクは、高速走行の際には安定感がありますが、さほどスピードを出さない街乗りでは、特に初心者はふらついて不安定になりがちです。その点、マウンテンバイクの太いタイヤとサスペンションは、安定感を生み出してくれるのでスピードが遅くてもふらつかず、安心して乗ることができます。
街乗りに向いている理由④ タイヤの空気圧を気にしなくていい
ロードバイクなどの細いタイヤは空気圧にシビアなので、できれば1週間に1度、最低でも2週間に1度は空気を入れなければなりません。街乗り、特に通勤や通学に乗る場合、頻繁に空気を入れるのは面倒ですが、マウンテンバイクの太いタイヤなら、そこまで空気圧にシビアになる必要はありません。
マウンテンバイクの3つのカテゴリー
マウンテンバイクのカテゴリーは、前後のフォークの両方にサスペンションがついた「フルサスペンション」、前のフォークだけにサスペンションを装備した「ハードテイル」、そして前後ともにサスペンションがない「フルリジッド」の3つに大別できます。
カテゴリー① フルサスペンション
フルサスペンションは、前後に装備されたサスペンションで、激しいオフロードでも衝撃を吸収してくれる優れモノです。街乗りで、縁石や歩道と車道の間の段差なども、難なくクリアしてくれることでしょう。
あまり街乗りには向いていない面も
しかし、平坦な舗装路でスピードを出したいときには、サスペンションがふかふかし却って漕ぎにくいという事態も生じがちで、街乗りに適しているとはいえません。ただ、サスペンション機能をロックすれば、そういったケースにも対応できるので、街乗りの機会が多いなら、ロック機能の付いたモデルを選ぶといいでしょう。
カテゴリー② ハードテイル
ハードテイルはフルサスペンションと比べると、サスペンションが前だけなので、乗り心地が多少硬い傾向があります。ただし、多少のダートや野山を走行するのに、まったく不足はありませんから、初心者向けのマウンテンバイクとして人気です。
街乗り向きのモデル
もちろん、街中の段差への対応に問題はなく、フルサスペンションモデルより車体が軽量で平地や上りは走りやすい、またサスペンションが前だけなのでメンテナンスが簡単、といった点も、街乗り用としておすすめです。
カテゴリー③ フルリジッド
フルリジッドはサスペンションがないため、段差や乗り心地は多少劣るのは仕方ありません。ただ、サスペンション付きの自転車に乗ったことのない人にとっては、普通の自転車と同じ感覚で乗ることができるのはメリットでしょう。またペダルを漕ぐ力が、地面に伝わりやすいのも特長です。ただ、残念ながら、現在ほとんどのメーカーでフルリジッドモデルは販売していません。
おすすめはハードテイル
総合的に見ると、街乗りに向いているのは、ハードテイルかフルリジッドのいずれかとなります。ハードテイルは、普段は通勤・通学など街乗りに使うけれども、週末などはダートやトレイルも積極的に走りたいといった人に、フルリジッドは、街乗りがメインだけれども、ちょっと野山も走ってみたいといった人に向いています。ただ、手に入れるには中古しかないのがネックとなります。
街乗りにおすすめのマウンテンバイク5選
街乗りにおすすめのマウンテンバイクとなると、山岳地域を専門的に走るダウンヒルモデルや、高性能・高機能なレース向き高級モデルといった本格的なものは必要ないでしょう。コストは抑え気味に、通勤・通学、街乗りに十分な、それでいながらいざというときは、マウンテンバイクとしての楽しみも味わえるようなモデルを紹介しましょう。
街乗りにおすすめのマウンテンバイク①
おすすめ① ジャイアント ATX
ロードバイクやクロスバイクでも人気のメーカー、ジャイアントのマウンテンバイクです。「コスパのジャイアント」といわれるように、ジャイアントのバイクは、値段の割に品質が高いものが多く、このATXも例外ではありません。
ダートから街乗りまでOK
アルミフレームのフロントサスペンションのハードテイルモデルで、21速コンポーネントにディスクブレーキといった、マウンテンバイクのスタンダードな装備を備えています。ダートから舗装路まで対応するセミブロックタイヤですが、ケーブルが内装式になっているなど、見た目にスッキリして、街でもおしゃれでスマートに走れるでしょう。
ジャイアント ATXのスペック
- フレーム アルミ
- コンポーネント シマノ・ターニー混合(21速)
- ブレーキ テクトロ 機械式ディスク
- 重量 14.1㎏(420サイズ)
- 価格 54,000円(税抜)
街乗りにおすすめのマウンテンバイク②
おすすめ② GT Aggressor Sport
マウンテンバイクメーカーとして世界的に有名な、GTのハードテイルモデルです。このモデルは、メーカーが「自転車におけるSUV」と謳うように、林道を走ったりキャンプに出掛けたり、また街中をサイクリングするといった、あらゆる状況に対応してくれます。
マウンテンバイクとして楽しむなら上級モデルを
アグレッサーシリーズには3種類ありますが、主な違いは、コンポーネント周りや、ディスクブレーキが油圧か機械式といった点くらいです。街乗りメインならこのグレードでも十分ですが、オフロード走行も楽しみたいと考えているなら、上級グレードのほうがおすすめです。価格も1万円弱しか変わりません。
GT Aggressor Sportのスペック
- フレーム アルミ
- コンポーネント シマノ・ターニー(21速)
- ブレーキ 機械式ディスク(ノンブランド)
- 価格 51,800円(税抜)
続いて、街乗りにおすすめのマウンテンバイク③~⑤を紹介!