マウンテンバイクのダウンヒルとは?
マウンテンバイクのダウンヒルは、ゴンドラやトラックで自転車と人を頂上まで運び、そこからふもとに向かって高速度で駆け下るという乗り方です。オフロードの下り坂という過酷な条件下で走るため、車体は各部が補強された頑丈なフレームを使用します。
ダウンヒルバイクは他のモデルに比べ高価
また、ストローク量の多い前後サスペンションや、制動力の強い油圧式ディスクブレーキなど、特別な装備がされている上に、ダウンヒルは自転車競技の1つでもあるため、その機材としてのダウンヒルバイクは他のモデルに比べ高価です。
ダウンヒルの乗り方
ダウンヒル競技は山の急斜面に作られたコースで行われます。悪路を最高速度60km/hにもなるような速度で走りながら、ボコボコした岩場、土や砂地の急カーブ、数メートルの崖から大ジャンプするようなコースもあります。そのため、乗り方のコツをつかむのが上達への早道でもありますので、実際のダウンヒルコースで練習することが何より大切です。
危険なため防護装備は必須
ダウンヒル競技は危険を伴うことが避けられませんので、初心者からフルフェイスのヘルメット、肘、膝用のプロテクター、胸当てなど、バイクのモトクロス並みの装備が必要です。
ダウンヒルに使用するマウンテンバイクの特徴
トレイルライドの延長として緩めの坂を下る程度のコースは、速度もさほど出ないためどんな機種でも比較的こなしやすいのですが、競技も視野に入れて本格的に行うとなるとダウンヒル専用モデルがおすすめになります。ここでは、そんなダウンヒルバイクを解説します。
ダウンヒル用マウンテンバイクの特徴①フレーム素材
車体の素材はアルミが主流ですが、加工技術の進化で強度が増してきていることもあり、軽量で激しい衝撃吸収性に優れたカーボンも増えています。しかし、ダウンヒルバイクは何より強度と剛性の高さが優先されるため、補強のためのチューブが追加されていたり、「ダブルクラウン」と呼ばれる堅牢なフロントサスペンションなどの影響で、他のモデルに比べ車体は重くなります。
ダウンヒル用マウンテンバイクの特徴②フレーム形状
ダウンヒルは車体を安定させなければ悪路を高速度で走ることができませんので、車体はアップライドなポジション(上体が起きた姿勢)を取れる形状になっています。アップライドポジションですと急斜面でも後ろに重心を持ってきやすいので、車体が安定し、車上でバランスが取りやすくなります。また、ジャンプや障害物を避ける際にハンドルをまくり上げやすいように、ハンドル位置が高めに設定されています。
ダウンヒル用マウンテンバイクの特徴③サスペンション
車体に大きな衝撃が伝わるダウンヒルでは、サスペンションが非常に重要になります。ダウンヒルバイクは前後にサスペンションが装備された「フルサスペンション」と呼ばれるモデルになります。トレイルやクロスカントリーモデルであればストローク量(沈み量)は100ミリ前後ですが、ダウンヒルではフロントが130ミリ~160ミリ、リアも130ミリ以上のものが多くなります。
ダウンヒル用マウンテンバイクの特徴④油圧式ディスクブレーキ
悪路を高速度で走るダウンヒルでは高い制動力と、難コースをこなすための適切なスピードコントロールが必要です。そのため、強い制動力があり、速度のコントロールがしやすいディスクブレーキが必須です。また、長いコースを走ることもありますので、指1,2本でブレーキが掛けられ、手の消耗が少ない油圧式が主流になっています。
ダウンヒルに使用するマウンテンバイクの選び方
競技用であればダウンヒル専用のマウンテンバイクをおすすめしますが、楽しむことが目的であればそれ以外のモデルでも走ることができます。ここではダウンヒルバイクも含め、ダウンヒルを行うためのマウンテンバイクの選び方を解説します。
ダウンヒル用マウンテンバイクの選び方①サスペンション
前後にサスペンションが装備されているものをフルサスペンションと呼ぶのに対し、フロントにのみ装備されているモデルを「ハードテイル」と呼びます。激しい衝撃があるダウンヒルではフルサスペンションが推奨されますが、初心者向けのコースであればハードテイルでもこなすことはできますし、乗車姿勢や車上でのバランスなど、乗り方のコツをつかんでいるライダーはハードテイルで難コースに挑んでいる人もいます。
ダウンヒル以外の用途も考える
ダウンヒルに集中するのであればフルサスペンションをおすすめしますが、起伏の少ない場所でのトレイルや街乗りもしたいのであればハードテイルも視野に入れてください。サスペンションは平坦な舗装路ではペダルを漕ぐ力まで吸収してしまうので、速度が落ちるなど、かえってマイナスの効果をもたらします。その辺りをよく考えて選ぶようにしましょう。
ダウンヒル用マウンテンバイクの選び方②予算
マウンテンバイクは一般的にフルサスペンションは高価で、ハードテイルは安価になります。また、用途がダウンヒルやクロスカントリーなど競技用は高価となり、トレイルや街乗り用になると安価になっていきます。ダウンヒルバイクは最低でも30万円は覚悟しなければならないため、用途やサスペンションの必要性をよく考え予算を設定しておく必要があります。また、ヘルメットやプロテクターも必須ですので、その分も加味して考えてください。
ダウンヒル用マウンテンバイクの選び方③メーカー
星の数ほどあるモデルの中から1台を選ぶのは至難の業ですので、選択の1つのコツとしてメーカーを絞る手があります。以下はマウンテンバイクに強みがあり実績も積み重ねているメーカーですので参考にしてください。
マウンテンバイクのおすすめメーカー
- GT(ジーティ)
- KONA(コナ)
- TREK(トレック)
- Specialized(スペシャライズド)
- ROCKY MOUNTAIN BICYCLES(ロッキーマウンテンバイシクルズ)
- Bianchi(ビアンキ)
- GIANT(ジャイアント)
- MERIDA(メリダ)
ダウンヒル用マウンテンバイクおすすめランキング~フルサスペンション編
ここからはダウンヒルにおすすめのマウンテンバイクをフルサスペンション5選、ハードテイルは3選とし、それぞれランキング形式で紹介します。まずはフルサスペンション編です。
フルサスペンションおすすめ第5位:TREK(トレック) Fuel EX 5
Fuel EX 5はこれからダウンヒルに挑戦する方向けのエントリーモデルですが、フロント140ミリ、リア130ミリトラベルのサスペンションを装備しており本格的なコースにも挑戦できます。サイズによって車輪の大きさが異なりますので、自分の身体に合わせやすいですし、瞬時にサドルを上下できる「ドロッパーシートポスト」が装備されていますので、トレイルや街乗りにも対応できる特徴もおすすめポイントです。
フルサスペンションおすすめ第4位:MERIDA(メリダ)ONE-SIXTY 400
メリダは世界的なマウンテンバイクの強豪プロチームのスポンサーになっているほど、高性能なモデルを長年に渡って製造してきたメーカーです。ONE-SIXTY 400はメリダの得意とする軽量アルミの製造技術がフルに活かされた車体に、160ミリストロークのフロントサスペンションとドロッパーシートポストが装備され、オールラウンドな特徴もありつつ、ダウンヒル性能に一切の妥協が無い仕上がりとなっています。
参考価格:¥319,000(税抜)
フルサスペンションおすすめ第3位:Specialized(スペシャライズド)DEMO EXPERT
DEMO EXPERTはフロント29インチ、リア27.5インチと前後で大きさの異なるホイールを使用し、トラクションとスピードのバランスを取っているのが大きな特徴です。また、高性能なサスペンションを備えているために、地面に吸い付くような走りが可能ですし、4ピストンのブレーキで素早く減速できますので、速度が出るコースを思い切り攻めることもできます。
参考価格:¥490,000(税抜)
フルサスペンションおすすめ第2位:KONA(コナ) PROCESS 153 DL 29
PROCESS 153 DL 29はフロント160ミリ、リア153ミリのストーローク量のあるサスペンションを装備したコナのダウンヒルバイクです。ダウンヒルの性能はいうまでもないですが、軽量で扱いやすさも加味されているため、上りもこなすことができ、これ1台で何でもこなせるオールラウンダー的な特徴もあります。
参考価格:¥428,000(税別)
フルサスペンションおすすめ第1位:GT(ジーティ) FURY
FURYはマウンテンバイクといえば「GT」と言われるほど、オフロードバイクでは常に高評価を受けるメーカーのトップグレードのカーボンフレームです。GT独自のサスペンションシステム「LTS」の新モデルによりさらに路面追従性やブレーキ性能が上がり、GTは過去最高に楽しいダウンヒルバイクである」とアピールしています。
参考価格(フレームセット):¥448,000(税抜)
参考価格:¥255,000(税抜)