マウンテンバイクを始めよう
オフロードの主役・マウンテンバイク
マウンテンバイク(MTB)は、その名の通り山道を走破するための自転車です。頑丈なフレーム、重量感あふれる極太タイヤ、衝撃をいなすサスペンションなど、多くの技術を駆使して、でこぼこした畦道や急峻な登り下りの坂、むき出しの岩肌などの悪路をより楽に速く駆け抜けるためのバイク。山の多い日本国内で、ロードバイク以上に人気の高い自転車でもあります。
通勤・街乗りを問わずに乗れる万能バイク
マウンテンバイクの活躍の場はオフロードにとどまりません。ロードバイクに比べ重量はあるものの、快適な乗り心地や優れた走行性能は、通常の舗装路でも遺憾なく発揮されます。ロードバイクでは走るのをためらうような段差や荒れたアスファルトも、マウンテンバイクなら苦になりません。だからこそ街乗りや通勤通学でも多くのユーザーに愛用されているのです。
マウンテンバイクの選び方
マウンテンバイクは、ロードバイクと比較しても個々に特徴があり、その種類は実に多様です。これからマウンテンバイクを始めてみたい初心者にとっては、何をどう選んでよいか悩みどころでもあります。
選び方①用途
まず最初に、マウンテンバイクを主にどこで/何に使うかが大事です。というのもマウンテンバイクも競技用自転車ですので、どのフィールド、どのレースで使用するかによってバイクの機能や種類が違ってくるからです。大まかに次の3種類に分けられます。
- クロスカントリー:アップダウンのある山道を高速で走る
- ダウンヒル:下り坂を一気に駆け降りる。岩場や崖もある
- オールマウンテン/エンデューロ:より距離が長く、さらに起伏が激しい競技
クロスカントリー競技では主としてXCバイクが、オールマウンテンやエンデューロではトレイルバイクが使われます。初心者の方でレース出場を視野に入れていないならば、軽量で街乗りにも適し、山道も気軽に走れるXCバイクから始めると良いでしょう。
選び方②サスペンションの種類
他の自転車にはない、マウンテンバイク特有の機能がサスペンションです。激しい振動や衝撃を吸収してくれるこのサスペンションをどの程度備えているかによって種類が分かれます。
- フルサスペンション(フルサス):フレームの前後にサスペンションが付いている
- ハードテイル:前輪のフォークのみにサスペンションが付いている
基本どの競技でもフルサスが使われますが、クロスカントリーでより速く、軽快な走りが必要な場合は、軽量で速度重視のハードテイルも使われます。逆にダウンヒルなど激しい衝撃を想定したものは、フルサスでより深く沈む種類のバイクが適しています。フルサス搭載の高級モデルも悪くありませんが、コスパに優れた中級ハードテイルが初心者の入門機としておすすめしたいところです。
選び方③ホイールサイズ
MTBは、ロードバイクのようにほぼ700C一択ということはありません。現在マウンテンバイクのホイールで主流となっているのは、27.5インチと29インチの2種類です。
- 27.5インチ:ダウンヒルなど、下りや悪路に向いたサイズ。細かな操作性に優れ、軽量・小柄なライダーにも適している。
- 29インチ:速さや走破性を重視する汎用性の高いホイール。クロスカントリーやエンデューロなどに適しており、初心者にもおすすめできる。
選び方④価格
ロードバイク同様、マウンテンバイクも価格は様々です。軽量で丈夫なカーボンフレームや、最新技術が盛り込まれたバイクは当然高価になります。安い入門車なら相場としては6万円台から、レースに使用する本格的な高級バイクなら60万~100万というところです。フルサスペンション搭載機なら安いところで相場は20万円台からなら、有名メーカーのコスパの良い機種が揃っています。
選び方⑤E-MTBというトレンド
近年注目されているのが、E-MTB、いわゆる電動アシストマウンテンバイクです。普通の電動アシスト自転車とは違い、専用のモーターユニットが搭載されたE-MTBは、力の入れ具合に変化の大きい過酷な山道などで威力を発揮します。MTB初心者だけでなく、体力に自信のない年配の方や女性でも、思う存分トレイルを楽しめるようになっているのです。
マウンテンバイクと相性の良い電動モーター
E-MTBが普通のマウンテンバイクと比べ受け入れられやすいのは、重量面での不利が少ないことです。頑丈なフレームやサスペンションがある関係上、軽量さをそれほど求められないマウンテンバイクは、タフでハードなライドをサポートするのにうってつけです。
日本でも人気が広がるe-bike
ここ数年ヨーロッパを中心に、世代を問わずe-bikeの愛好家が増えています。モーターユニットひとつとっても、BOSCHのような外国産メーカーから、シマノやYAMAHAなど日本製の商品まで、高出力、軽量化を目指す技術開発も活発です。最近ではE-MTB専用のレースやイベントも開かれ、国内でもスポーツバイクのいちジャンルの地位を確立し始めています。