はじめに
種類の豊富なキックスタンド
ロードバイクやクロスバイクおよびマウンテンバイクは、シティサイクルとは違い、キックスタンドなしで売られています。キックスタンドは自転車を買った後で取りつける部品ですが、品種が豊富で取りつけ構造も違うので、選び方が難しいです。今回はその特性を解明して目的別の選び方と、人気があっておすすめのキックスタンドを紹介していきます。
キックスタンドは必須?
キックスタンドがなくても自転車には乗れますし、法的な取りつけ義務もありません。ロードバイクやマウンテンバイクは、重量が増えることを嫌って取りつけない方もいます。しかし、車輪をロックして自転車を自立できる駐輪場は少ないのでクロスバイクなどの、毎日乗る自転車にはキックスタンドが必須です。
キックスタンドの選び方
汎用品からキックスタンドを選ぶ時は、タイヤサイズに注意しましょう。20インチと26インチではスタンドに要求される長さが異なります。汎用品は豊富な種類がありますし、取りつける場所も様々なので、選び方が難しいです。よってクロスバイクの場合は、ブランド純正オプション品をおすすめします。
キックスタンドの種類
キックスタンドの分類は取りつけ場所で異なる
取りつけ場所によって、キックスタンドは5つに分類されます。
(1)リアエンド取りつけ型
(2)フレーム2か所取りつけ型
(3)フレーム1か所取りつけ型
(4)センター取りつけ型
(5)取り外せる携帯スタイル型
(1)は自転車メーカーのオプション品で、(2)~(4)は汎用品です。(5)はキックする構造ではありませんが、よく使われるので紹介します。
種類(1)リアエンド取りつけ型
白黒画像背景の赤丸がリアエンド
クロスバイクのキックスタンドは、リアエンドとダボ穴に取りつける片足が主流です。ダボ穴はキック時の回転する力を抑える働きがありますが、自転車よってダボ穴の場所が違うので、ブランド純正のオプション品を使用します。サイズで迷うこともなく、人気があっておすすめです。
種類(2)フレーム2か所取りつけ型
白黒画像背景の青丸がチェーンステーで、黄丸がシートステー
キックスタンドを、チェーンステーとシートステーのフレーム2か所に取りつける片足です。各ステーの太さや角度は自転車メーカー間の違いが少ないので、選択ミスが少なく無難に選べます。人気があっておすすめです。20インチ以下の小径車と26インチクラスのマウンテンバイクは、要求されるスタンドの全長が違います。
種類(3)フレーム1か所取りつけ
白黒画像背景の青丸がチェーンステー
キックスタンドを、フレームのチェーンステー1か所のみで取りつける片足です。20インチ以下の小径車と26インチクラスのマウンテンバイクは、要求されるスタンドの全長が違います。フレーム2か所で取りつける構造と比較すると、剛性は劣りますが品種が豊富で、取りつけ場所の調整範囲が広いメリットがあります。
種類(4)センター取りつけ型
白黒画像背景の灰丸がボトムブラケット
キックスタンドを、ボトムブラケットの近くに取りつける構造です。片足と両足がありますが、両足は自転車を垂直にできます。リアエンド・チェーンステーなどの片側に取りつけるキックスタンドを「サイドスタンド」と呼びますが、中心部に取りつけるキックスタンドを「センタースタンド」と呼びます。人気はありますが選び方が難しいです。
種類(5)取り外せる携帯スタイル型
クランクやフレームに取りつけることで一時的に自転車を自立させ、取り外すこともできる面白い構造のスタンドです。他のキックスタンドと比較すると手間がかかりますが、折り畳みできるのでコンパクトに持ち運びできます。日常的に駐輪することの少ないロードバイクやマウンテンバイクなどで使われます。
キックスタンドの比較
リアエンド取りつけ型の長所と短所
リアエンド取り付けのキックスタンドは、ブランド純正オプション品なので、選択で迷うことがありません。画像のようにサードパーティ品もあります。フレームの塗装を痛めることもなく、人気があっておすすめです。ただし自転車の重心から遠い場所に取りつける構造なので、バランスが悪い短所があります。またクイックリリース機能が有効に使えないのも短所です。
「正爪」キックスタンドはクロスバイクには使えません
通販サイトでよく見かける、「正爪」スタンドはクロスバイクには使えません。「正爪」とは、シティサイクルや幼児車およびピストバイクなどの、後方水平方向に車輪を取り外す構造です。真下方向に車輪を取り外す「ストレートドロップ」構造のロードバイク、およびクロスバイクやマウンテンバイクには、構造が違うので使えません。
フレーム2か所取りつけ型の長所と短所
頑丈で種類も豊富
フレームの2か所にキックスタンドを取りつけるので、頑丈です。各ステーの太さや角度は、自転車メーカー間の違いが小さいので選択ミスが少なく、豊富な品種から選べます。またクイックリリース機能を有効にするため、リアエンドに取りつける構造ではなく、こちらを選択する方もいます。
鉄製やアルミ製の頑丈なフレームでしか使えず、塗装も傷みがち
フレーム2か所に取りつけるキックスタンドのは、フレームにかかる負担が大きいので、鉄製やアルミ製の頑丈なフレームでないと使えません。カーボン製のフレームは剛性的に難しく、軽量目的で肉厚を薄くしたアルミ製フレームも同様です。フレームとの接触面に力がかかるので、使用を止めてスタンドを取り外しても、塗装面に傷が残る短所もあります。
フレーム1か所取りつけ型の長所と短所
重心近くに取りつけできるのでバランスがよく種類も豊富
スピードセンサーとの干渉
白黒画像のように、スピードメーターの検出センサーをチェーンステーに取りつけていると、スタンドを取りつける場所がありません。例えスタンドを取りつけられても、重心の近い場所に取りつけできないので、自転車のバランスはよくなりません。スピードメーターを優先するなら、他のスタンドを検討すべきです。
センター取りつけ型の長所と短所
バランスはよいが、取りつけ条件が厳しいセンタースタンド
自転車の重心付近にキックスタンドを取りつけるので、バランスがよいのが長所です。また両足は斜めにならず直立できます。短所は、シートチューブ(シートポストでサドルとつながるフレーム部)とタイヤの間に隙間が必須で、変速ワイヤーなどとも干渉しやすいので、取りつけ可能なフレームは限定されます。また両足は重量が重くなる短所もあります。
センタースタンドが取りつけ可能な例
画像のようにシートチューブとタイヤの間に、センタースタンドを取りつける隙間が必須です。両側のチェーンステーを挟み込む金具で取りつけるので、ボルト締め付けの工具を入れる空間も必須になります。人気はあるのですが取りつけ条件が厳しいので、車種別のレビューなどを入念に調べるべきです。
画像のように両側のチェーンステーをつないで補強している場所があれば、その隙間にセンタースタンドを取りつけるのが一般的です。このフレームはクロスバイクや折り畳み自転車でよく見かけます。またBBカップ(画像のクランクとフレームの間)に取りつけるスタンドもあります。
おすすめのキックスタンド①
おすすめ① リアエンド取りつけ型
リアエンド部ダボ穴の場所は自転車メーカーによって異なるので、ブランド純正の別売オプション品か、サードパーティ品のキックスタンドを選ぶことになります。無難な選び方ですし、フレームの塗装を痛める心配もありません。人気があっておすすめです。ダボ穴のない自転車には原則的に取りつけできないので、他のスタンドを検討ください。
おすすめのキックスタンド②
おすすめ② フレーム2か所取りつけ型
24~28インチ対応
自転車 キックスタンド,LINECY【高さ調節可能】ロードバイク用スタンド 簡単取り付け 片足スタンド 24~28インチ対応
参考価格: 1,250円
チェーンステーとシートステーの2か所に、キックスタンドを取りつける構造です。タイヤサイズは24インチ~28インチと幅広く対応して、タイヤサイズに合わせて長さと取りつけ角度を調整できます。軽量で調整範囲が広く剛性も高い汎用品なので、人気があっておすすめです。
おすすめのキックスタンド③
おすすめ③ フレーム1か所取りつけ型
20~26インチ対応
powseed (パワーシード) 自転車 スタンド キックスタンド サイドスタンド アルミニウム合金製 汎用 33.5cm~39cm 調節可 アジャスタブル ママチャリ ロードバイク クロスバイク マウンテンバイク MTB 20インチ 24インチ 26インチ 700C対応 軽量 片足 ブラック
参考価格: 1,399円
スタンドの長さが、33.5~39cmまで調整できるので、タイヤサイズが20インチ~26インチの幅広い対応ができます。チェーンステーが楕円形だけでなく方型にも対応していているので、折り畳み自転車やマウンテンバイクなどで採用されている方型構造のフレームにも使えます。また接続部にゴムを使用することで、フレームが傷みにくい特長があります。
おすすめのキックスタンド④
おすすめ④ センター取りつけ型
このキックスタンドは、片足と両足の2種類あります。タイヤサイズが、24~29インチと広範囲に対応できて、人気があるスタンドです。取りつけ構造もよく考えられています。しかしセンタースタンド対応のフレームは限定されているので、レビューなどで事前によく確認してください。
おすすめのキックスタンド⑤
おすすめ⑤ 取り外せる携帯スタイル型
折り畳み可能、26インチ以下
ROCKBROS(ロックブロス)スタンド 自転車 キックスタンド ロードバイク カーボン製 簡単取り付け 片足 転倒防止 軽量 26インチ以下 700c
事前にリアエンドに部品の一部を取りつけて、スタンドとして使用する時は、折り畳みのポールを手動で接続する面白い構造のスタンドです。折り畳みのポールをつなぐ手間はかかりますが、ポール自体はフレームに取りつけできるので、大きな自転車用バッグが不要です。またカーボン製の重量は約27g、ステンレス製の重量は約56gと軽量です。
まとめ
キックスタンドは、豊富な種類がありますが選び方は困難です。汎用品から選ぶなら、フレーム2か所取りつけ構造が、剛性が高く選択ミスも少ないので、おすすめします。リアエンド取り付け構造なら、ブランド純正オプション品をおすすめします。センター取りつけ構造を検討の方は、フレームとの適合確認を充分に行ってください。