ロードバイクのフレームってどうやって作られる?
ロードバイクのフレームは、さまざまな種類の材質で作られています。そして、使われている材質が違うだけで、同じ形のフレームでも、全く違った乗り味になります。もちろん、それぞれの材質には、それぞれ特有の特徴がありますので、それらフレームの特徴をこの記事では解説していきます。
ロードバイクのフレーム素材の種類
さて、現在主流で使われている素材の種類ですが、大きく分けて「クロモリ」と「アルミ」と「カーボン」の3つです。どの種類の素材が一番いいというわけでなく、それぞれにいい面と悪い面があります。
種類① クロモリで作られたフレーム
はじめに紹介するものは「クロモリ」で作られたフレームです。クロモリフレームは昔から使用されている材質で、クロムモリブデン鋼を略して称されたものがクロモリです。これは鉄にクロムとモリブデンを添加させたものなので、主体の材質としては鉄です。
クロモリフレームの特徴
錆に強い
クロモリフレームは鉄が主な原材料として用いられていますが、クロムとモリブデンを添加させてある影響で、錆びに強いといわれています。そのため、非常に頑丈で長持ちするフレームです。
材質に粘りがある
また、乗り味も独特で、粘りがあって伸びるような感覚で乗っていても非常に楽です。材質に粘りがあるので、金属疲労に対しても強いです。
クロモリフレームのデメリット
重量が重い
そんな独特の粘りがあって乗っていても乗り手に優しい感覚のクロモリフレームですが、鉄で作られているので、重量面では一番重いです。また、成型に自由度が少ないので、フレームのシルエットが細く、シンプルに見えてしまう場合もあります。
種類② アルミで作られたフレーム
アルミフレームはアルミ缶などと同じように、アルミニウムを使用して作られたフレームです。クロモリフレームは鉄が原材料となっていましたが、アルミフレームはアルミニウムなので、同じ金属でもフレームの特徴は全く違ってきます。
アルミフレームの特徴
重量が軽い
アルミニウムという素材は、鉄などと比較して同じ量を使用しても重量が軽いという特性があります。アルミフレームは、そのような材質を極限まで薄く延ばしてから成型してフレームとして仕上げているので、クロモリよりもかなり軽いフレームになっています。
コストパフォーマンスに優れる
また、アルミニウムの単価も高くはないので、フレーム自体の価格が抑えられているというのも大きな特徴の一つです。フレームの軽さではアルミフレームの最上位クラスのものは、カーボンフレームよりも軽いものも存在しています。
アルミフレームのデメリット
金属疲労を起こしてしまう
コストパフォーマンスに優れたアルミフレームですが、大きなデメリットとして挙げられるのが「金属疲労」を起こしやすいという点です。薄く延ばして成型しているので、ゆがみやねじれが繰り返されると、徐々に金属疲労を起こしてしまって、最悪の場合はフレームにひびが入ってしまうこともあります。
振動吸収性が低い
また、クロモリフレームのような金属自体の粘りもないため、乗っているときの路面からの振動をダイレクトに感じやすいです。
種類③ カーボンで作られたフレーム
技術の進歩によってカーボンフレームが誕生したことで、フレームの形に自由度が増しました。金属製のフレームとは異なり、型にはめて成型する方法ではなく、炭素繊維を編み込んでフレームの形に成型していくので、デザインの制限が少なくなりました。エアロフレームといわれる幅広のフレームが誕生したのも、カーボンフレームの技術の進歩の賜物です。
カーボンフレームの特徴
耐久性がある
カーボンフレームは炭素繊維を編み込んでつくるため、非常に強度に優れています。アルミフレームのような金属疲労というものがありません。
振動吸収性が高い
また、炭素繊維は振動吸収性にも優れているので、自転車に乗っているときの路面からの振動もアルミフレームよりは優しいです。
高性能
また、最大の利点としては軽さに優れています。ぜんじゅつした通り、最上位のアルミフレームの中にはカーボンフレームよりも軽いものもありますが、やはり高性能なカーボンフレームの軽さには及びません。カーボンフレームは軽くて振動吸収性、耐久性に優れているフレームといえます。
カーボンフレームのデメリット
値段が高い
そんな高性能なカーボンフレームにも弱点は存在します。まずは、価格がどうしても高くなってしまいます。最も高性能で高価なフレームは、フレームだけで70万円以上するものもあります。
強い衝撃に弱い
また、耐久性に優れていますが、一点に集中した強い衝撃には弱いです。具体的に説明すると、どこかに強くぶつけたり、転んだりしてしまうと場合によってはフレームにひびが入ってしまいます。そのためカーボンフレームを取り扱うときには注意しなければなりません。
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