ホリゾンタルフレームの定義と特徴
ホリゾンタルフレームというのは、自転車、特にロードバイクのフレームの形状のことです。トップチューブが地面と平行になるよう作られており、水平を意味するhorizontalからそう呼ばれています。シンプルな構成で組み上げられていたクロモリ全盛の時代から、長きに渡りロードバイクの標準形となって現在に至っています。
シンプルで美しい平行四辺形フレーム
ホリゾンタルフレームの特徴は至ってシンプルです。自転車の基本形状はダイヤモンドフレームと呼ばれ、前後二つの三角形をつないだ平行四辺形をしています。ホリゾンタルフレームはその前三角部分のトップチューブが地面と水平な直線であることが条件です。その結果、フレームは簡素で直線的なものになります。
少なくなったホリゾンタルフレーム
しかし、現在市場に出回るロードバイクは圧倒的に、トップチューブが後方に下がったスローピングフレームが主流です。90年代半ば、GIANT社のロードバイクが初めてスローピング形状のトップチューブを採用しました。発表当時は賛否が分かれましたが、その利点が知られるにつれて多くのメーカーが追従し、今では多くのロードバイクで、スローピングフレームは当たり前となっています。
スローピングの利点とは?
主にシートチューブを短くできることによる軽量化、空力や剛性の向上の他、小柄な乗り手にも対応できることから、サイズパターンを減らして製造コストを削減できるメリットがあります。また乗る側にとっても、足つきがよく乗り降りがしやすいのが利点です。
ホリゾンタルフレームが愛される理由
ロードバイクの中ではいつしか少数派となってしまい、クラシックなスタイルとして主役の座を譲ることになったホリゾンタルフレームですが、まだまだ多くの自転車乗りに愛され、積極的に選ばれ続けています。ここでは、有機的なデザインやスローピングスタイルが全盛となった現代でも、ホリゾンタルフレームが支持されている理由を紹介していきましょう。
端正なバランスの良さ
自転車の基本となるダイヤモンドフレームは、前三角と後三角の二つの三角形をつなげた形状です。ホリゾンタルフレームは前三角が広く、正三角形に近いため安定感があります。この端正でバランスの良いスタイルが、ホリゾンタルフレームの美しさの要素です。
シンプルで上品な機能美
この安定したシンプルなフレーム形状は、何も足す必要も、引く必要もありません。真っ直ぐな鋼のパイプを組み合わせ、直線で構成されたフォルムは潔さすら感じます。細身のパイプからなるその上品でスマートなスタイルは、自転車という乗り物の完成された機能美を最も特徴的に表しています。このホリゾンタルフレームは、多くのサイクリストを魅了し、おしゃれでクラシックな自転車として支持を集めているのです。