ロードバイクのフレームサイズ
ロードバイクにはフレームのサイズが複数用意されています。身長や手足の長さ、身体の柔軟性などによって、人それぞれで適正なフレームのサイズは変わってきます。自分に合わないサイズの自転車は身体に負担がかかり、走ることが辛かったり、場合によっては怪我につながったりするので、適正なサイズを選ぶことはとても重要です。
ロードバイクのフレームサイズ表記
ロードバイクのフレームサイズは、S・M・Lなどのアルファベットでの表記と、460や52などの数字で表記されるパターンがあり、メーカーによって違います。あとの項で詳しく解説しますが、これが自身にとっての適正フレームサイズを知るためのひとつの基準になります。
ロードバイクのフレーム形状
サイズについての詳細の前に、まずは、基本となるフレーム形状についてお話します。ロードバイクのフレームは、大きく分けて【ホリゾンタルフレーム】と【スローピングフレーム】という二種類の形状があり、フレームの素材や大きさに関係なくどちらかに属します(まれに例外もあります)。それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
ホリゾンタルフレーム
トップチューブ(一番上のフレーム)が地面に対して水平方向に伸びているフレーム形状が【ホリゾンタルフレーム】です。もともとはこの形状が主流でしたが、最近のロードバイクはスローピングのものが多くなっています。構造上、同じサイズだとフレームが大柄で重くなるのが大きな要因ですが、クラシカルなシルエットを好む人たちなどにを中心に、現在も高い人気があります。
スローピンングフレーム
トップチューブがシートチューブに向かって下がっている形状のフレームが【スローピングフレーム】です。フレームがコンパクトサイズになるため、剛性アップ・軽量・低重心などのメリットがあり、現在のロードバイクはこの形が主流です。また、信号待ちなどでバイクを降りたときに、トップチューブが下がっているため股に当たりにくいという利点もあります。
ロードバイクフレームの適正サイズの選び方
ここからはロードバイクのフレームサイズの選び方を具体的に紹介していきます。基本的にはメーカーが推奨する適応身長目安を参考にするとよいでしょう。メーカーによっては公表していないこともあり、その場合や、より詳細なデータを参考にしたい場合は、ジオメトリ表をチェックしてみましょう。
選び方のポイント①適応身長目安を参考にする
ロードバイクはサイズごとに推奨する身長が設定されています(ないものもあります)。メーカーによってばらつきはありますが、まずはこの適応身長がひとつの目安になります。選び方のポイントとしては、推奨されている身長幅のちょうど真ん中に当たるサイズがおすすめです。例えば適正身長が165〜175cmのバイクであれば、中間の170cmの身長の人がジャストサイズとなります。
迷ったら大きめよりも小さめのサイズがおすすめ
推奨されている身長には幅があり、適応身長の数値が被っている場合があります。この場合は小さめのサイズがおすすめです。ロードバイクはサドルやハンドル位置を調整することで自分の身体に合わせることが可能です。フレームが大きめのサイズだとその調整幅が少なく、小さめのサイズであればサドルやステムを伸ばすことで対応できるためです(限度はあります)。
選び方のポイント②水平換算トップチューブ長を参考にする
メーカーによっては適応身長を公表していない場合もあります。その場合は水平換算トップチューブという、仮想ラインの数値から適応身長を割り出すことが可能です。後の項で詳しく解説しますが、メーカーが公表している「ジオメトリ表」に記載されていてます。
ジオメトリ表
フレームの各部の詳細なサイズが表記されているのが「ジオメトリ表」と呼ばれるものです。いわばフレームの寸法図であり、水平換算トップチューブ長もこの表に記載されています。各メーカー・各車種によってそれぞれ定められていて、カタログやメーカーのHPなどで確認できます。
ジオメトリ表で見る適正身長
ジオメトリ表を参考にした、フレームの適正サイズの探し方をみていきましょう。メーカーが推奨する適応身長目安やフレームのサイズ設定も、このジオメトリから算出されています。各部の寸法が事細かに載っていので、見慣れない人には目がチカチカするような図でしょうが、ここでは【シートチューブ】と【トップチューブ】の関係のみ理解していただければOKです。
シートチューブとトップチューブ
まずはシートチューブとトップチューブとは何かをみていきましょう。フレームには場所によって各々名称があり、慣れないとフレームのどの部分のことを言っているのかわからないですよね。ですので、ここではサイズ選びにとって必要最低限のシートチューブとトップチューブの関係に絞ってお話ししていきます。
シートチューブ
シートチューブとは、シートポストの付け根とBB(ボトムブラケット)をつなぐ部分のフレームことです。ロードバイクのフレームサイズ表記は、このシートチューブの長さを基準にしています。460や520というのは、シートチューブの長さが460mm・520mmであることを意味しています。アルファベット表記では、例えばSサイズなら450mm前後が多いようです。
トップチューブ
トップチューブはハンドルとシートポスト付け根をつなぐ部分のフレームです。乗車姿勢から見ると、一番近い部分のフレームですね。この部分が地面と水平なのがホリゾンタルフレーム、シートチューブ側に向かって傾斜している(下がっている)のがスローピングフレームです。
水平換算トップチューブ長(ホリゾンタル換算トップチューブ長)
【水平換算トップチューブ長】は、実際のトップチューブの長さではなく、ハンドル側の高さを基準にして地面と水平方向に伸ばした場合のシートチューブ(シートポスト)までの長さのことです。【ホリゾンタル換算トップチューブ長】とも呼ばれ、かつて主流だったホリゾンタルフレーム形状を仮定した測り方が基準になっています。
水平換算トップチューブ長と適応身長の関係
この表はブリヂストンのアンカーRS8のものですが、適応身長が記載されています。このように適応身長が載っているメーカーの水平換算トップチューブ長と適正身長との数値の関係を参考にして、適応身長が記載されていないメーカーでも、ある程度のサイズを知ることが可能です。
測り方はメーカーによってばらつきがある
ジオメトリ表に載っている各部の寸法は、メーカーによって測り方にばらつきがあります。例えばシートチューブ上部であれば、シートクランプの上からなのか下からなのか、フレームの端からなのか中央からなのか、などです。測り方の違いによる誤差は数mmかもしれませんが、フレームのサイズ選びではその数mmが明暗を分ける場合もあることを覚えておきましょう。
できれば専門のサイクルショップに相談を
ロードバイクの適正なフレームサイズは、カタログなどの数値をみながらある程度の絞り込みは可能ですが、それだけでサイズを決定するのは得策とは言えません。測り方は身長以外にも、手足の長さ・身体の柔軟さ・筋力・スポーツバイクへの熟練度など、さまざまな要素を加味する必要があるからです。やはり専門知識と経験を兼ね備えたサイクルショップに相談するのが最も確実です。
自分に合ったフレームサイズを選びましょう
ロードバイクを楽しむ上で、適正なサイズであることはとても重要です。その基本であるフレームのサイズ選びは、カタログやメーカーのHPからの情報が非常に役立ちます。とは言え、人それぞれ身体の特徴や乗り方が違うので、やはり専門店で相談して決めるのがおすすめです。吟味して選んだフレームは、サイクリングをより楽しいものにしてくれるでしょう。
上の図の「C」が水平換算トップチューブ長だよ!