ホリゾンタルフレームの選び方
ロードバイクを探すとき、どんなことを重視するでしょうか。「フレームがホリゾンタルであること」を条件に探すならば、探し方や選択肢の方向性がある程度定まってきます。ここでは、「ホリゾンタルフレームのバイクが欲しい」という方へ向けたアドバイスをしていきましょう。
基本はクロモリフレーム
ホリゾンタルフレームの美しい自転車は、その多くがクロモリフレームのクラシカルなバイクです。ホリゾンタルに魅せられる方は、たいていこのクロモリを選ぶ人が多いです。クロモリの魅力はただ美しいというだけでなく、高強度でしなやかなため、乗り味も柔らかいという点も挙げられます。
歴史と伝統のある日本やイタリアのメーカー
ホリゾンタル自体、クラシカルなスタイルの自転車です。長い歴史を持つ自転車メーカーやブランドなら、技術も優れ、デザイン性も高いおしゃれなバイクを数多く作っています。実用車や競輪のノウハウもある日本のメーカーの他、自転車が文化として古くから根付くイタリアでも、数多くの有名ブランドが、ホリゾンタルの美しいクロモリバイクを生産しています。
日本の有名ブランド
- BRIDGESTONE:アンカーに代表される国内屈指のバイクブランド。「NEO-COT」RNCシリーズはホリゾンタルが美しいクロモリの名車です。
- Panasonic:家電製品のイメージが強いですが、かつてはプロの舞台でも活躍した優秀なバイクを製造。POSというシステムで、クロモリやチタンを使ったバイクのオーダーができます。
- ARAYA:実用車からツーリング、スポーツ車まで、古くから日本の自転車を作り続けてきた老舗。自社ブランドのバイクの他、イギリス・ラレーのクラシカルバイクも取り扱います。
- FUJI:厳密にはアメリカのブランドですが、元は日本が発祥です。ストリートにも映えるピストタイプから、クラシックなツーリング車まで、ホリゾンタルなクロモリロードの品揃えも豊富です。
イタリアの代表的なブランド
- GIOS:ジオスブルーで有名な、歴史の長い自転車ブランド。美しいクロモリロードには定評があります。
- colnago:イタリア屈指の自転車ブランド。クロモリの名車「master」は今なお多くのファンの心を捉えて離しません。
- chinelli:名車「スーパーコルサ」は半世紀もの間クロモリロードの代名詞です。堅実な造りとおしゃれなデザイン性を両立させたバイクは日本でも高い人気を誇ります。
カーボンでホリゾンタルフレームを探すなら
「クラシックなクロモリもいいけど、自分はカーボンバイクが欲しい」や「空力も追求した軽量なカーボンバイクがいいけど、美しいホリゾンタルフレームもゆずれない」と、そんな欲張りな方にも、ホリゾンタルなスタイルのカーボンフレームはしっかりと存在します。
イタリアブランドが狙い目
ここでも強みを発揮するのがイタリアのブランドです。DE ROSAならSK Pininfarina、PinarelloならDOGMA F10、PrinceやGAN、BianchiならOltreなど、最新機能を備えたホリゾンタルスタイルのカーボンバイクを展開しています。中でもPinarelloはホリゾンタルにこだわり、サイズも豊富なのが魅力です。
小柄な人はホリゾンタルフレームに乗れない?
ホリゾンタルのロードバイクですが、私たち日本人、特に女性にとってハードルになるのが、身長とフレームサイズの問題です。もともとヨーロッパ男性のサイズを基準にしたロードバイクでは、現在主流の700Cホイールをもとにフレームを作る場合は、160cm前半くらいが何とか乗れる下限とされます。それ以下の小柄な人にはホリゾンタルフレームは体に合わないのです。
サイズと形状の関係
したがって小柄な方に合わせたフレームは、どうしてもトップチューブがスローピングせざるを得ず、完全なホリゾンタルにはなりません。ホリゾンタルスタイルを採用するPinarelloのカーボンフレームも、下の2サイズはスローピングになります。無理に大きなフレームに乗ってもその分サドルを下げなければならず、バランスが悪くなってしまいます。
650C規格もある
そんな小柄な方や多くの女性にとっての救いが、650Cというホイール規格に合わせたフレームです。700Cと比べてわずかに小さく、ホイールやタイヤ、チューブの選択肢が少なくなりますが、趣味で乗る分には何ら不都合はありません。ラレーではカールトンAに650Cがある他、日本のA-DEWというメーカーではSサイズに650Cを採用。身長148cmからでも、完全なホリゾンタルスタイルのバイクが手に入ります。
まとめ
ロードバイクは趣味の世界です。趣味ならば所有することに喜びを感じるおしゃれで美しいものを持ちたいですし、ホリゾンタルフレームのクラシカルなロードバイクは、乗っても降りても満足できる大人の愉しみです。現在ではその伝統的なルックスに最新技術を組み合わせた、レトロかつモダンな自転車も作られています。ただの懐古主義と思うことなかれ。自転車のもつ普遍的な魅力を体現しているのがホリゾンタルフレームなのです。
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筆者撮影