補助ブレーキの仕組みと種類
そんな補助ブレーキとは、どういう仕組みになっているのでしょうか。その仕組みや構造を理解すれば、補助ブレーキの取り付け、取り外しも簡単に行なえるようになります。種類によって多少の構造の違いはありますが、どのタイプも、ドロップやブルホーンの上ハンドル部分にレバーをもってくる使い方は同じです。
補助ブレーキのタイプ①キャリパーからの枝分かれ型
最も単純なのは、ブレーキキャリパーひとつにつき2本のケーブルが伸びて、メイン、サブブレーキ両方と繋がっているもの。昔のクラシックなスタイルのバイクによく取り付けられていましたが、現在ではあまり見られないようです。取り付け、取り外しに他のブレーキワイヤーを外さなくてもよいので簡単ですが、ハンドル周りが合計4本のケーブルでごちゃごちゃしてしまうのが難点です。
補助ブレーキのタイプ②最もポピュラーなインラインブレーキ型
現在補助ブレーキで最もポピュラーなのがこのタイプです。構造としては、ブレーキワイヤーの外側(アウターケーブル)だけが途中で分離され、サブブレーキレバーの両側の穴にはめ込まれてつながっています。内側のインナーケーブルはメインのレバーから補助ブレーキを通り、途切れることなくキャリパーまで延びています。まさにインラインブレーキという名の通りの構造で、途中の補助ブレーキは中でインナーケーブルを引っ張ってブレーキがきく仕組みです。
補助ブレーキのタイプ③ちょっと特殊な一体型
補助ブレーキの珍しいタイプでは、ダイヤコンペが出しているエクステンションブレーキがあります。これは最初からメインとサブのブレーキが一体化している製品で、ブラケット部分のレバーからサブブレーキレバーが手前に大きく枝分かれすることで、上ハンドルでもブレーキをかけられる構造になっています。レトロなクロモリバイクによく似合いますが、一体型の構造上、補助ブレーキだけの取り外しができないので気をつけましょう。
補助ブレーキの付け外しはどうすればいい?
では補助ブレーキの取り付けと取り外しはどうすればいいのでしょうか。エントリーモデルのロードバイクには、最初から補助ブレーキが付いているものもありますが、既製のロードバイクにも補助ブレーキは簡単に取り付けられます。ここでは前述のタイプ②を例にとって説明します。
取り付け方
- 最初にハンドルのバーテープを取ります。
- 一度キャリパーからワイヤーを取り外し、ブラケット上部の穴からインナーケーブルだけを抜き取ります。
- 補助ブレーキを取り付ける位置を決めたらレバーを固定し、そこに合わせてアウターケーブルだけを切断します。ハンドルの舵を切ることも考えて短すぎないようにしましょう。
- インナーケーブルが通せるように両側とも切り口を整えたら、固定用のキャップを先端部にはめ、ブラケット側、キャリパー側の両方から挟むように、補助ブレーキレバーの穴にはめ込みます。
- インナーケーブルをブラケットの上からキャリパーまで通して固定します。
- 実際に補助ブレーキレバーを引いて効き具合を確認し、大丈夫そうならバーテープを巻いて完成です。
取り外し方
- バーテープを外します。
- インナーケーブルを抜きます。
- 補助ブレーキレバーを外し、アウターケーブルも抜きます。
- 新しいアウターケーブルを用意します。ブラケットやブルホーンの先端から、キャリパーまでちょうどいい長さに合わせましょう。
- アウターケーブルの切り口を整えたら、ブラケットの上からインナーケーブルを入れ、アウターケーブルに通します。ケーブルの両端をブラケットとキャリパーそれぞれに固定します。
- ハンドリングの長さとブレーキの効きを確認し、バーテープを巻いて終了です。
これらの作業はいずれもそんなに難しいものではありません。ただし、ブレーキの制動力は安全に直接関わってきますので、不安な方は自転車店などプロにお願いしましょう。