電動自転車は高齢者におすすめ
自転車は地球に優しい乗り物
地球環境に、またお財布にも優しい乗り物として、自転車に注目が集まっています。CO2の排出はありませんし、ガソリン代も不要です。初期投資も車やオートバイに比べて、非常に少なくて済みます。自分のスケジュールで移動できますし、駐車スペースも最小限あればOKです。自転車は、今後さらに人気が高まっていくことでしょう。
ペダルを漕がなければならない
ただ問題は、自分の足でペダルを漕がなければ目的地に到着しないことです。健康で元気な子どもや若者でも、自転車を漕ぐのがしんどいと感じることがあるのですから、女性や高齢者にとってはなおさらです。
ペダリングをアシストでラクラク
電動自転車なら、そんな状況を解決してくれます。電動自転車には電動モーターがついていて、それがペダルを漕ぐのを手伝って(アシスト)してくれます。これは、力の弱い女性や筋力の衰えた高齢者にとって非常に大きな助けとなるため、人気急上昇中です。
一般的な電動自転車と高齢者向け電動自転車の比較
電動自転車ならモーターのアシストがあるので、どれでも性能はさほど変わらないと思っている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。現在は電動自転車も細分化が進み、お年寄りがより乗りやすい高齢者向けの電動自転車モデルも増えています。では、一般的な電動自転車と高齢者向けとでは、どこがどう違うのでしょうか。
相違点①タイヤが小さい
小型タイヤが採用されている
高齢者向けのモデルは、一般モデルよりタイヤ径が小さめです。一般モデルにもタイヤがコンパクトなタイプがあり、その多くはファッションが目的の小型女性向けモデルですが、高齢者向けでは実用的な理由があります。
小型タイヤのメリット
タイヤがコンパクトだと停車時にふらつきにくい、小回りが利く、取り回しがしやすいというメリットがあります。ただし、漕ぎやすさは小さいタイヤより大きいタイヤのほうに軍配は上がるのですが、クランクの長さやシート角を調整することなどで対応は可能で、最近の自転車ではさほど気にならない程度にまで漕ぎやすくなっているはずです。
相違点②低床フレームを採用している
一般的な電動自転車にも低床フレームはありますが、高齢者用はすべて低床フレームです。これは、乗り降りのしやすさが理由です。
相違点③車体重量が軽い
車体が軽いほうが取り回しがしやすいメリットがあります。高齢者向けモデルは、軽い車体に加えて低床で重心が低いので、より取り回しがしやすくなります。運転中はもちろん、駐輪の際も軽いほうが楽ですよね。
相違点④アシストモード数が少ない
一般的な電動自転車のアシストモードには「強・中・弱」の3段階となっていますが、高齢者用は「強・弱」の2段階です。これは、高齢者が運転に集中しやすいよう操作方法をなるべく少なくするためです。高負荷の場所を走ることの少ない高齢者なら、2段階のアシストがあれば十分でしょう。
相違点⑤ハンドル形状
高齢者に運転しやすいハンドル形状
一般的な電動自転車のハンドルの形状は、フラットや後方に曲がっているものなどいろいろありますが、高齢者向けは運転がしやすいようすべて後方に大きく曲がっているハンドルを採用しています。
速いよりリラックスが優先
フラットなハンドルは前傾姿勢が取りやすくスピードを出しやすくなりますが、長時間の運転では疲れやすくなります。一方、後方に曲がったハンドルはリラックスして運転ができることやバランスがとりやすいというメリットがあるので、高齢者には適しているといえます。
メーカーで「高齢者向け」と銘打って販売しているモデル以外に一般の電動自転車であってもお年寄りでも扱いやすいモデルもあります。選び方は、上記5つを満たしているかどうかがポイントとなります。
高齢者向けおすすめ電動自転車4選
おすすめ①ヤマハPAS SION-U 20型
おしゃれな電動自転車
軽めの車体で重心が低く取り回しがしやすい、足つきのいい低床フレームですが、見た目には一般的な電動自転車っぽい、おしゃれでかっこいい高齢者向けモデルです。シンプルで見やすい大きな液晶パネルなので、運転中でも操作に手間取ることはないでしょう。
駐輪時もらくらく
取っ手がついているリアキャリアやスタンドをかけやすい「かるっこスタンド」、大きなつまみで鍵がかけやすいサークル錠など、駐輪がスムーズにできる工夫がなされているのも特徴です。
ヤマハPAS SION-U 20型のスペック
- タイヤサイズ:20インチ
- 総重量:22.3kg
- 1充電での走行可能距離:「強」約49km
「弱」約72km - 変速:内装3段
- 価格:125,400円(税込)
おすすめ②ブリヂストンフロンティアラクット20インチ
乗り降りがしやすい
ブリヂストンの従来の20インチフレームより10cm低くなっているので、乗り降りが楽で、取り回しもしやすいです。太陽光で発電し暗くなると自動で点滅するソーラーテールや走りながら自動で充電が可能など、便利な機能を備えています。
安心・安全に配慮
モーターによるアシストは前輪に、人が漕ぐ力は後輪に伝わるので車体が長持ちし、ブレーキをかけると直接モーターにブレーキがかかるので安心です。また、チェーンの代わりにカーボンベルトドライブを採用しているので、注油が不要でメンテナンスの手間が減ったり外れたりしないのでトラブルの心配がないなど、さまざまな特徴があります。
ブリヂストン フロンティアラクット20インチのスペック
- タイヤサイズ:20インチ
- 総重量:23.3kg
- 1充電での走行可能距離:「強」約49km
「弱」約77km - 変速:内装3段
- 価格:129,580円(税込)
おすすめ③パナソニック ビビ L20
お年寄りにもおすすめ
高齢者向きとは謳っていませんが、女性に人気のビビシリーズで最軽量モデルなので取り回ししやすいのでお年寄りにもおすすめです。もちろん低床フレームですし、てこの原理でスタンドを楽に立てられる「かろやかスタンド」が便利です。
一般電動自転車でも問題なし
アシストモードは「パワー」「オート」「ロング」の3段階ですが、自分の体力に合わせて選択肢が増えるうえに操作はシンプルなので問題ないでしょう。太陽光で充電して暗くなると自動で点滅するソーラーオートテールや前方だけでなく足元も照射するLEDビームランプなど、安全面も考慮しています。
ビビL20のスペック
- タイヤサイズ:20インチ
- 総重量:21.7kg
- 1充電の走行可能距離:「パワー」約45km
「オート」約53km
「ロング」約70km - 変速:内装3段
- 価格:119,680円(税込)
おすすめ④パナソニック ビビライフ
3輪タイプも売れ筋
たっぷりの荷物が載せられて、こける心配が少なく駐輪の際も楽なのが、3輪タイプの電動自転車です。3輪タイプは乗り始めてしばらくは多少コツが必要ですが、慣れてしまえば非常に便利です。
至れり尽くせりの機能が豊富
このモデルには、乗る人に合わせて角度が固定、10度、25度の3段階に調整が可能なスイング機能や、漕ぎ出し時は穏やかにアシストする「ふんわりスタート」を採用しています。また、坂道などの駐輪時に便利なパーキングブレーキや、屈まなくてもハンドル部分で前輪錠の施錠・開錠ができる「らくらくロック」など、至れり尽くせりな機能が満載です。
パナソニックビビライフのスペック
- タイヤサイズ:前輪18インチ、後輪16インチ
- 総重量:34.1kg
- 1充電で走行可能距離:パワーモード約56km
オートモード約67km
ロングモード約93km - 変速:内装3段
- 価格:215,380円(税込)
購入時には実際に乗ってチェック
高齢者向けの電動自転車で、スピードが速いことは選択のポイントではありません。むしろ速いスピードが出ることは、事故の原因を高めます。それより、転倒しにくいこと、乗りやすいこと、運転しやすいことに注目しましょう。購入時には、売れ筋や見た目ばかりで判断せずに、乗り降りしやすいか、漕ぎやすいか、バランスはどうかなど、実際に乗ってチェックすることが重要です。
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