「ビビ・L・押し歩き」とは?
パナソニック・サイクルテックは2021年7月から、国内で初めて押し歩き機能付きの電動アシスト自転車「ビビ・L・押し歩き」を販売します。電動アシスト自転車はモーターが走行時の駆動力を補助する仕様ですが、ビビ・L・押し歩きは坂道や歩道などで自転車から降り、押し歩きする際にも補助が働く機能を搭載しています。一般的な自転車よりも重い電動アシスト自転車は押し歩きが大きな課題とされてきましたが、そこを一挙に解決すべくパナソニックが誕生させる新モデルです。
パナソニック電動自転車「ビビ・L」とは?
パナソニックの電動アシスト自転車は子ども乗せやスポーツモデルなど6つの種類に分かれており、ビビはお買い物や街乗り向きの「ショッピングモデル」です。そのビビの中でも標準モデルより6~7kg軽量で高齢者の方の使用も目立つのが「ビビ・L」であり、これに押し歩きを補助する機能を付けたのが今回発売される「ビビ・L・押し歩き」です。
自転車の「押し歩き」は少なくない!
「乗る」のが前提の自転車ですが、実は押し歩きするシーンも少なくありません。勾配がキツイ上り坂や荷は押し歩きの方が楽ですし、荷物を多く持っている場合はふらつく危険性があるため自転車から降り押し歩きするのが賢明です。また、自転車は人が降り押し歩きの状態になれば歩行者とみなされ、制限なく歩道を通行できます。
電動アシスト自転車の需要は拡大している!
電動アシスト自転車の市場は年々拡大しており、小さな子どもを乗せるためや、高齢者以外にも、通勤、通学、お買い物などママチャリとほぼ同じ感覚で使用されるようになりました。近年は高齢者が運転免許を自主返納した後に移動手段として選んでいるケースも多いですし、コロナ禍において自転車そのものの需要が高まっている中で、初めて電動アシスト自転車に乗る方も増えています。
「ビビ・L・押し歩き」は道路交通法の改正により誕生した!
「ビビ・L・押し歩き」は、2019年12月に施行された「改正道路交通法」により、自転車の押し歩きに対する定義が変わったために誕生しました。一般的に電動アシスト自転車はモーターの補助により快適に移動できるものの、一般自転車に比べ重量があるため、押し歩きに負荷がかかるのが課題でした。その中で改正道路交通法では「原動機の駆動により押し歩きを補助する自転車についても歩行補助車等と認める」となり、電動アシスト自転車での押し歩きも歩行者とみなされることになりました。
押し歩き電動自転車を歩行者とみなす3つの条件
改正道路交通法では押し歩きする自転車を歩行者とみなすために、以下の3条件が定められています。パナソニックではその条件を4つのセンサーによる制御でクリア、ビビ・L・押し歩きに機能を搭載しました。
改正道路交通法で押し歩き自転車を歩行者とみなす条件
- 押し歩きの駆動速度が6km/h以下であること
- 乗車装置(サドル)が使えず乗れないこと
- 自転車から離れると駆動が止まること
「ビビ・L・押し歩き」特徴
ここからは、国内で初めて押し歩き機能を搭載した、パナソニックの新電動アシスト自転車「ビビ・L・押し歩き」の特徴、スペックを詳しく解説します。
ビビ・L・押し歩きの特徴①押し歩き機能搭載
「ビビ・L・押し歩き」の押し歩き機能は、サドルを傾斜させて乗れない状態とし「押し歩き」ボタンを押している間だけ作動します。押し歩き機能は道路交通法の条件をクリアするために、「サドル傾斜センサー」「モーター内蔵センサー」「トルクセンサー」「スピードセンサー」の4つで制御しています。
センサー制御の仕組み
ビビ・L・押し歩きの4つのセンサーは連動しあうことで、適正なアシスト力で補助を行い、誤作動を防いでいます。スピードセンサーとモーター内蔵センサーはモーター制御であり、押し歩く速さが変わった際に乗り手の負荷を検知し、速度に合わせた補助を行います。また、坂道や荷物を運ぶ際にも負荷を検知するため、アシスト力も自動で調節してくれます。
誤作動させない仕組み!
ビビ・L・押し歩きには乗車時と押し歩き時の2つのアシスト機能があるため、乗車時に押し歩き機能を作動させない設計にする必要があります。そのためにあるのがサドル傾斜センサーとトルクセンサーで、サドルが傾斜していることとペダルに負荷がかかっているかどうかを検知し、乗車時に押し歩き機能が作動しない仕組みになっています。
ビビ・L・押し歩きの特徴②押し歩き専用の手元スイッチ搭載
「ビビ・L・押し歩き」には専用の手元スイッチが搭載されており、「押し歩き」ボタンを押している間のみ補助されます。手元スイッチは両手でハンドルを握っていても操作しやすく、押し歩きボタンがほかのボタンに比べ0.2mm高い0.7mmになっており、操作しやすくなっています。また、ボタンから手を離せば機能が自動的に停止しますし、一発で確認できるように押し歩きモード中は赤色LEDが点滅する安心設計です。
ビビ・L・押し歩きの特徴③安全面への配慮
道路交通法にも明記されていますが、押し歩きをモーターでアシストする場合はサドルに座れないことも1つの条件です。そのため、ビビ・L・押し歩きでは上記写真のように、サドルを傾斜させ乗れない(またがれない)状態にしないと押し歩きボタンを押せない仕組みになっています。裏を返せばサドルが水平で自転車に乗車している時には、押し歩き機能が作動しないということになりますので、機械に自信が無い高齢者の方でも安心ですね。
「ビビ・L・押し歩き」のスペック
ここではパナソニックの「ビビ・L・押し歩き」のスペックを詳しく解説しますので、購入の参考にしてください。
パナソニック・電動アシスト自転車 ビビ・L・押し歩き
参考価格: 122,800円
品名 | ビビ・L・押し歩き |
---|---|
タイヤサイズ(インチ) | 26×1-3/8 |
重量 | 24.0kg |
変速機 | 内装3段 |
カラー | チョコブラウン |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー |
バッテリー容量 | 25.2 V-12.0 Ah |
充電時間 | 約4時間 |
メーカー希望小売価格(税込) | ¥129,000 |
ビビ・Lとの違い
ビビ・L・押し歩きは、従来モデルの「ビビ・L」に押し歩き機能を追加した国内で初めてのモデルであり、バッテリー容量やアシストモード、変速機など基本的なスペックは変わりません。ただし、機能が追加された分だけ重量が1.2kgほど重くなり、価格が約1万円高くなっています。また、ビビ・Lは24インチと26インチの2サイズありますが、ビビ・L・押し歩きは26インチのみです。
押し歩きを強力にサポートする「足も灯4-LEDビームランプ2」
ビビ・Lの前照灯は照射範囲が非常に広く、前方だけでなく足元も明るく照らしてくれます。乗車時はもちろんですが、押し歩き時にも足元の段差や障害物が見やすい仕様です。また、常時点灯機能もありますので、夜間の押し歩きでも周りからの視認性が高まりますし、昼間でも暗い駐輪場やトンネルなどでも安心です。
パナソニックの電動アシスト自転車モデル4選
ここまで国内で初めて押し歩き機能が付いた電動アシスト自転車「ビビ・L・押し歩き」を解説してきましたが、パナソニックは国内の電動自転車において非常に高いシェアを誇り、ビビ以外にも多種類用意されています。パナソニックでは今後も新たな価値を提案していくとしており、別の種類にも押し歩き機能が追加されるかもしれませんので、最後に代表的なモデルを紹介しておきます。
パナソニックの電動アシスト自転車①子ども乗せモデル
パナソニックの子ども乗せモデルは「ギュット」シリーズです。チャイルドシートが前方に付いている「ギュット・クルーム」、後ろに付いていて前カゴが装備されている「ギュット・クルームR」、プレミアムリアシート装備の「ギュット・アニーズ」から選択できます。小さな子どもさんから目を離さないで発進できる仕様や、スタンドを挙げると同時にハンドルをロックできる機能など、お子さんに安心な仕様が満載の人気種類です。
パナソニックの電動アシスト自転車②ショッピングモデル
毎日のお買い物やちょっとした街乗りに最適なショッピングモデルは、今回詳しく解説した「ビビ」シリーズです。軽量モデルの「ビビ・L」に加え、装備充実の「ビビ・EX」スタンダードモデルの「ビビ・DX」価格を下げたお買い得モデルの「ビビ・SX」三輪車の「ビビライフ」から選べます。なお、オプションでチャイルドシートの取り付けが可能ですので、子ども乗せとしても活用できます。
パナソニックの電動アシスト自転車③通学・通勤モデル
通学・通勤モデルの「ティモ」シリーズは、ある程度の長距離や坂道を快適に走れる仕様になっています。そのため、ほかのモデルに比べアシスト時間が長く、1回の充電でより長い距離に対応します。ゆったりとした姿勢で乗れる「ティモ・S」スタンダードモデルの「ティモ・L」おしゃれでかわいいデザインの「ティモ・I」内装5段変速付きの「ティモ・DX」から選択できます。
パナソニックの電動アシスト自転車④スポーツモデル
パナソニックは日本で唯一ツール・ド・フランスを走ったことがあるほど、スポーツサイクルにも造詣が深い自転車メーカーです。電動アシスト付きのスポーツサイクルを「E-BIKE」と呼びますが、パナソニックのE-BIKEはフルサスの本格的MTBから街乗りに最適なクロスバイク、ミニベロまで様々な種類が用意されています。
「ビビ・L・押し歩き」は電動アシスト自転車の救世主!
今回は「押し歩き機能付き電動アシスト自転車!「ビビ・L・押し歩き」を徹底解説」と題して、パナソニックの国内初めてとなる押し歩き機能付き電動自転車を解説しました。まとめます。
- 自転車での押し歩きは想像以上に多い!
- 従来の電動アシスト自転車は重いため、押し歩きに苦労していた
- 「ビビ・L・押し歩き」は4つのセンサーで制御することで、押し歩きを適切に補助し誤作動も防ぐ!
- 軽量モデルビビ・Lに、わずかな重量増で押し歩き機能が搭載された意味は大きい
出典:パナソニック