人気を集めている屋根付き電動自転車とは?
自転車は日常で欠かせない乗り物ですが、雨が降っている時や冬の寒い時期になると乗りにくい状況になります。自転車にも車のような雨除けや風除けができれば、天候に左右されずにもっと快適になり、そんな要望を叶えたものが屋根つき自転車です。ここでは、屋根つき自転車がどういったものかを詳しく解説していきます。
天気に左右されない優れもの
雨が降っている日に限って自転車での買い物や用事がありませんか? また、外出時に突然雨が降ってきた経験もあるのではないでしょうか。そんな時でも、屋根付き自転車であれば雨除けがあるので、気にすることなく出かけることができます。また、雨具を持つ必要もないため、荷物の軽減にもなります。
タクシーとしても使われています
普段使いにも便利な屋根付き電動自転車ですが、街中でもタクシーとして活躍しています。ベロタクシーと呼ばれる人力のタクシーで、主に観光やデートに使われています。自転車ならではの風の気持ちよさや街の匂いを感じられ、ゆったりと風景を眺めることもできます。
話題のおしゃれな屋根付き電動自転車6選
海外では屋根付き自転車のことをベロモービルと呼び、1930年ごろに登場していました。ベロモービルは海外を中心に広まってきており、これまでにユニークなものからスタイリッシュなおしゃれなものまで、さまざまな種類の形や特徴を持ったタイプが発表されています。そんな中から話題にもなったイチ押し電動自転車を6種類紹介します。
イチ押し① Virtue Pedalist
アメリカで開発されたVirtue Pedalistは、シェルと呼ばれるドアがついており、雨風を完全に防ぐことができる、まるで車のような自転車です。車内の前部には荷物カゴがついていて、買い物袋などを入れることができます。バッテリーを使用することで最大80km程度、快適に走行することが可能です。
イチ押し②PEBL
こちらもアメリカで作られた屋根付き電動自転車です。雨除けや風除けはもちろんですが、後部にシートがあるので人を乗せることができます。子供と一緒に買い物など一緒に行くことができるため、家庭のある人にも便利です。後部に荷物を入れるカーゴスペースがあります。最大48kmバッテリー走行することが可能です。
イチ押し③PodRide
とても可愛くておもちゃのようなこの4輪タイプの自転車は、スウェーデンのデザインエンジニアが開発しました。ヘッドライトやリアランプ、サイドミラーがついている、まさに車のような自転車です。フロントガラスには手動のワイパーもついているので、雨の日も視界を気にせずに走行が可能です。
イチ押し④Schaeffler ESSENZ
シンプルながらもスタイリッシュなschaeffler Essenzはオーストリアのインダストリアルデザイナーが開発した自転車です。シェルがあるものに比べて乗り降りも簡単で、おしゃれな自転車に乗っている感覚で走行することができます。価格もシェルタイプに比べて、比較的安値で販売されています。
イチ押し⑤Car-eBike
2021年発売予定のCar-ebikeは名前の通り、車と自転車を掛け合わせたものでノルウェー発の電動自転車です。大人2人もしくは大人1人と子供2人まで乗車可能で、自動車の代替としてノルウェーで注目を浴びています。2つのバッテリーが搭載されており、最大100Kmまで走行可能となっています。
イチ押し⑥Veloart-Intelligence
日本発の屋根付き電動自転車の販売会社のVeloart-Intelligenceは、トヨタ出身のエンジニアが起業した会社です。今は写真のWAWを主力として販売しています。オープンカーとしても走ることができ、販売元が日本のため、一番手に入りやすい自転車です。
屋根付き電動自転車のメリット・デメリット
これまで紹介してきたように屋根付き電動自転車にはさまざまな種類がありますが、同じくメリットとデメリットもあります。自分の生活に置き換えながら、屋根付き電動自転車をどう活用するのか、メリットとデメリットを解説していくので参考にしてみてください。
メリット①雨除けになる
自転車を使用する際に不安となるのが雨です。雨除けにと傘をさしながら走ることは道路交通法に違反しており、5万円以下の罰金を取られる場合もあります。屋根付き自転車であれば、違反対象なる傘を持つ必要もなければカッパを着る必要もありません。また荷物も濡れないといった雨除けメリットがあります。
メリット②風除けにもなる
肌寒い日や特に冬の時期になると、風が冷たくて凍えてしまいそうになってしまいます。そんな時でも、カバーが風除け効果になるので寒さ対策にもなります。また風除けとともに、ほこりや小さな虫から目を守ってくれるメリットもあります。
メリット③日焼けの防止になる
真夏のギラギラした日差しの中で走行すると日焼けが心配になります。しかし、屋根付き電動自転車であれば、屋根によっては日差しを避けられるので、安心して出かけることができます。またUVカットのフィルムをはれば、さらに紫外線を防ぐことが可能となります。
デメリット①自転車としてのサイズが大きい
屋根付き自転車は、普通の自転車にくらべてサイズが大きいため、狭い駐車スペースや交通量の多いところで周りに気をつかわないといけなくなります。また、Uターンの際には細かい切り返しが必要です。
デメリット②歩道を走ると違反になる種類も
海外製の屋根付き自転車は規格が大きいため、道路交通法で普通自転車として扱われない場合があります。自転車と同じ軽車両の分類に入りますが、自転車通行可の歩道でも違反対象になるため、公道を走らないといけません。また、種類によっては原付扱いにもなるタイプもあるので、購入の際はその点をしっかり確認しましょう。
普通の自転車を屋根付き自転車にする方法
屋根付き電動自転車は機能が優れている分だけ高価です。そこで屋根を自分でDIYして取りつけるという方法もあります。業者に依頼する方法もありますが、追加料金が発生する場合が多いため、ここでは購入方法や取りつけ方など紹介していきます。
どこで購入できる?
大阪にあるコロポックルという自転車の屋根を専門に扱う会社が、ネットで屋根を販売しています。オーダーメイドで作られているため、自分の自転車のサイズに合う屋根を取り付けることができます。取り付け依頼も可能ですが、追加料金が発生します。
どうやって自転車に取り付ける?
コロポックルのYoutubeチャンネルで取りつけ方法を紹介しています。5分程度で取りつけることができ、専門的な道具も必要ないため、誰でも簡単にできます。また操縦性なども紹介しているので、屋根の装着後どうなるのか確認したい人には必見です。
屋根がついていても違反にはならない?
傘さし運転に関しては、道路交通法で5万円以下の罰金と違反対象になっていますが、コロポックルで販売している屋根は違反対象ではありません。また自分でDIYして屋根を作る場合、屋根の高さが地上から190cm、幅が60cmを超える場合、道路交通法に違反するので注意してください。
屋根付き電動自転車の今後
これまでヨーロッパを中心に世界中でさまざまな種類の屋根付き電動自転車が発表されてきましたが、まだまだ日本では普及には至っていません。原因と今後について、現状の法律を解説しながら予想していきましょう。
日本ではドアつき電動自転車が乗れない!?
日本の道路交通法では自転車の定義として、サイズが高さ190センチ以下、幅が60センチ以下として定められています。海外で開発された電動自転車はその規格を超えているものが多いため、普通自転車として認められず自転車通行可の歩道を走ると違反になります。ただし公道を走ることは可能です。
電動アシストの制限
道路交通法で電動自転車の基準として、原動機の力が10km/h以下で人の力の2倍以下、24km/h以上でゼロであることという制限があります。屋根付き電動自転車の多くは25km以上でもアシスト機能が続くので、普通自転車として扱われず、その場合は公道を走らないといけません。
屋根つき自転車は日本では流行しないのか?
数年前まで日本では認知度の低い屋根付き自転車でしたが、新聞や人気YoutuberがVeloart-Intelligenceを取り上げたことで、一気に広く知れ渡ることができました。また、大気汚染や地球温暖化といった環境問題から車に代わる次世代の乗り物として、これから街中で見かける機会が増えていくのではないでしょうか。
屋根付き自転車に自転車に乗ってみよう
現在販売されている屋根付き自転車は高価で手が出しづらいですが、まずは自分で屋根を購入して取り付けるところから始めるのはいかがでしょうか。雨除け、風除けになるといった大きなメリットを持っているので、日常の自転車ライフが快適になっていくのは間違いないでしょう。
出典:veloartintelligence