ストラバがサブスクリプションに移行
ランニングや自転車など、耐久系スポーツのデータ分析で今や定番となったWebサービスのストラバ。このサイトでも以前その使い方や機能に関する記事を紹介しました。しかし、そのストラバは今年の5月19日から、サブスクリプションによる有料化を基本にサービスを展開すると発表し、これには多くのユーザーが驚かされました。
料金
大きく変わったのは料金体系です。従来の有料サービス「summit」は、目的や用途別にトレーニング・セーフティ・アナリシスの3つのパックが用意され、それぞれ単体で208円、3つセットでも月額525円でした。今回はその区分けをまとめて一本化することでシンプルになりました。
新しい有料サブスクリプション版は月額1,575円ですが、年間プランの場合は6,300円/年。ひと月当たりだと従来通り月525円のままとなります。もちろん30日間の無料トライアルもありますので、どんなものか試すこともできます。
ストラバ有料化の変更点
ストラバが、ただ有料化されたといっても完全な有料化ではなく、今まで無料で利用できた機能のいくつかが有料になったということです。では今回の改変で、何が無料で使えなくなったのでしょうか。いくつかありますが、多くのユーザーにとって明らかに影響が大きいのは、以下の3つになります。
無料で使えなくなったサービス
セグメントリーダーボードの制限
ストラバの特徴的な機能として、セグメント(区間)を走ったランナー/ライダーのタイムやスピードを事細かにランク付けする、リーダーボードがあります。これで区間の中で自分が、どのくらい走れるのかを他のユーザーと比較することができました。しかし現在では、無料ユーザーはトップ10のランキングと自分のタイムだけしか見ることができません。
トレーニングログ
自分のトレーニングの成果を把握するには、過去のアクティビティログを比較・分析する作業が欠かせません。ですが今回の有料化によって、そうしたトレーニングログ機能の多くも無料ユーザーは制限されることになります。
ルート作成
今回の有料化で一番影響が大きかったのは、このルート作成機能が無料で使えなくなったことではないでしょうか。今年の3月でルートラボが終了したこともあり、ライドコースを作成したいユーザーにとってはストラバがその後継として最有力候補でした。それだけにこの機能が有料会員のみになったことは多くのユーザーの間に衝撃が走りました。
その他有料で使える機能
上の3つの他に有料会員のみに限定されている機能は以下の通りです。こちらはどれもアスリートが自分のパフォーマンスやコンディションを把握・管理するために欠かせない機能ばかりであり、トレーニングのためにストラバを使っている人は以前から有料でこれらを使っていました。
- 目標設定
- 心拍数とパワーデータの分析
- Beacon
- アクティビティの詳細データ
- エフォートの比較
モバイル機能の強化
Web版と比較して使いにくかったモバイルアプリ版も今回のサブスク化で改良されています。特に目立つのがルート作成の使い勝手が向上したこと。他にもトレーニングログやワークアウトの分析・比較が、モバイルの画面で見やすく確認できるようになりました。また、これまで弱かったiOSでのトレーニング履歴のチェック機能も改善されています。
無料で使える機能
一方で無料ユーザー向けの機能はいくぶん限られたものになります。とはいえストラバのメインとなる機能は保持されており、コアなユーザーでなければ特に不便は感じないようになっています。
無料で利用できる機能
- アクティビティの記録:自分のラン&ライドを記録する機能です。速度や時間、推定パワーなどのログもしっかり記録され、もちろんモバイルでも使えます。
- デバイス連携:各メーカーのサイクルコンピューターやスマートウォッチ、センサーなどのモバイル機器と連携して、データやログをストラバのアクティビティに反映させます。
- SNS:ストラバに登録している全世界のアスリートを相互にフォローできます。また各種クラブやチャレンジイベントへも参加することができます。
ストラバ 有料化の理由とその反響
今回の有料化の理由は、「トレーニングとコミニュケーションの機能を強化するため」だそうです。そのためにはより多くのユーザーのフィードバックが必要になり、従来のsummitコースで集めたようなデータやログも欠かせません。そうなると当然ランニングコストもかかります。より高い収益性を確保することでサービスや機能の追加・改善を図る目的も、有料化に踏み切った背景です。
多くのユーザーからは批判の声
しかしこうした方針に対して、多くのストラバユーザーはネガティブな反応を示しています。特にルートビルダーは多くのサイクリストがコース作成に重宝していたことと、セグメントリーダーボードは自分の走力をわかりやすく比較できたことで人気の機能でした。この2つが有料化されたことの影響は大きかったのです。
それでもストラバを使うべき5つの理由
ストラバの有料化には批判的な意見も多く、中には「もうストラバは使わない」と言い出す人もいるようです。そんな「ストラバ離れ」の声に対し、ロードバイク乗りにとっては引き続きストラバがおすすめのサービスである理由を説明していきましょう。
理由①ロードバイク乗りはパフォーマンス向上が気になるもの
その軽快さと速度で世界を広げてくれるのがロードバイクです。乗るほどに楽しくなり、自分が昨日より、先週より、先月よりどれほど走れているのかに関心が出てきます。たとえ本気のアスリート志向でなくとも、自分の頑張りが数字とビジュアルで可視化されると、いつの間にかパフォーマンス向上が気になる。そんな習性を持つサイクリストにとって、ストラバはとても便利で楽しいものなのです。
理由②万人に開かれた使いやすいプラットフォーム
パフォーマンスの記録からデータ分析と比較、他人との共有まで一つのプラットフォーム上で完結できるサービスはそう多くありません。サイクルコンピュータやフィットネス機器で同様のアプリはいくつかありますが、いずれも同じメーカーやブランドのユーザーに閉じられているのが普通です。しかし、ストラバはあらゆる機器との連携ができて、どのユーザーでも使いやすい機能を網羅しています。
理由③良質なサービス維持にはマネタイズが不可欠
より多くのユーザーにサービスを提供し、維持するには大きな予算やコストが必要です。特にリーダーボードなどはメンテナンスも複雑でコストもかかるようです。また現在ストラバの社員やスタッフは180人ほどといわれ、人も予算も十分ではないというのが現状のようです。優れたサービスを将来にわたって使い続けるなら、私たちユーザーも相応の対価を払う必要があるといえるでしょう。
理由④無料でもまだまだ充実のサービス
とはいえ、ストラバは無料ユーザーを切り捨てると判断するのは早計です。リーダーボードとルート作成が特に利用が多く注目が大きいため、これらが使えないことでストラバが改悪と言われていますが、実は大抵の無料版機能は引き続き使え、走ったコースや距離、速度や推定パワーなどもしっかり記録されます。趣味で走っており、本格的なトレーニングログは必要ないという人にとってはさほど不自由はありません。
無料でルート作成をしたい人には?
ルート作成に関しても、他のいくつかの代替ツールを使えば問題はありません。他の記事でも紹介しているサービスやアプリの他、ガーミンのように、サイクルコンピューターのアプリでルートが作れるものもあります。
理由⑤単なるフィットネスサービスではないSNS機能
現在ストラバは全世界で5000万人とも言われ、そこには趣味程度のサイクリストから世界のトッププロまで多くのユーザーが運動データを記録しています。こうした大勢の人々と記録を公開し合いエールを送り合う活動は、今回の世界的なロックダウンの中で改めて見直されました。このストラバならではのSNS機能は今後も重要視されるでしょうし、今回のサブスクリプションサービスによって更に強化されていくことになります。
サブスクリプションのおすすめ機能
それでは最後に、有料サブスクリプションサービスで利用できる機能の中で、ぜひとも使ってもらいたいおすすめ機能を紹介しましょう。
おすすめ①beacon
これは家族や友人などの連絡先をあらかじめ登録して設定することで、現在自分のいる場所が相手にもわかるようにする機能です。これならご家族の方の不安も少なくなりますし、ロングライドやブルべなど遠くまで走りに行く方にとっても大きな安心につながります。
おすすめ②ルート作成
他社の無料サービスもあるとはいえ、その利便性を考えるとストラバのルート作成はぜひ使って欲しいツールです。ここではMapboxという会社のマップデータが使われており、自転車で走る人にとってはとても便利な機能が多数組み込まれています。モバイルアプリからのルート作成も使い勝手がよくなりましたが、より詳細なルートを引くならできるだけPCでの作業をおすすめします。
便利機能①ルート推奨機能
さまざまなコースを比較し、最もおすすめのルートを提示してくれます。登りが苦手な人のために登りが少ないルートを、逆に坂が好きな人のために登りが多いルートを選ぶことができます。今回のサブスクリプション化から、モバイルアプリにも対応し始めました。
便利機能②ビッグデータに基づいたコース作成
今回マップが改良された結果、多くのユーザーが走ったことを示すヒートマップやセグメントを参照しながらルートが引けるようになりました。他のサイクリストによく利用されているのはどのコースなのかを、視覚的に把握することができます。
便利機能③より詳細な道路状況の把握
より多くのマップデータ分析に基づき、勾配や獲得標高、標高差の他、路面が舗装か未舗装か、選んだコースが自転車で走行可能かどうかなどもチェックできるようになります。ただし実際に走ってみると状況が違うこともありますので、精度の向上にはユーザーのセグメントデータの分析やフィードバックも必要になります。
おすすめ③ラン&ライドマッチ
同じセグメントを複数回こなした時の記録やデータを簡単に比較分析できる機能です。通勤や通学などで毎日決まったコースを走る人にとっては、日々自分の数値がどの程度変化するかが分かりやすくなるので最適の機能です。
おすすめ④Local Legends
今回のサブスクリプションで新たに追加された機能です。同じセグメントを過去90日間にどれだけ多く走ったかで評価されます。自分はすごく遅いのでリーダーボードの順位なんて関係ないという人でも、継続してアクティビティを繰り返せばそのセグメントで一番頑張った人としてリーダーボードの上位に名前がのる可能性があるのです。日本では2020年9月現在、モバイル版先行で展開されています。
この機能は無料版でも名前とセグメントのエフォート回数は表示されます。有料版だとヒストグラム(縦・横軸による度数分布表)形式のリーダーボードで他のユーザーとリアルタイムで比較ができます。
今こそストラバのフル活用を!
現在ストラバを使っている皆さんは、今回の有料化をどうお思いでしょう。確かに今まで無料だったものが課金しないと使えなくなったのは納得がいかないと思います。ですがストラバのサービスの意味を知り、その真価を理解することで、あなたのロードバイク生活をより充実させてくれるはずです。無料であれ有料であれ、その優れた機能を存分に活用していきましょう。
出典:ストラバ公式サイトから