ロードバイクに適正体重って存在するの?
ダイエットに自転車が効果的と、体重を落とすことを目的にロードバイクに乗り始めたという人も少なくないでしょう。しかし、あまり体重の重い人がスリムでスポーティなロードバイクに乗ると、車体やパーツによくない影響を与えるのではないか、と考えている人もいるかもしれません。ここでは、ロードバイクにおける適正体重などを紹介していきましょう。
メーカーが公表するロードバイクの体重制限値
はたしてロードバイクに乗るにあたって正体重などあるのでしょうか。以下のスポーツバイクを販売するメーカーでは体重制限値を公表していますが、それ以外のメーカーでは情報がない、もしくは体重制限を定めていないようです。
各メーカーの体重制限値
- ジャイアント 129㎏
- スコット 110㎏以下を推奨
- キャノンデール 126㎏(カーボンフレームロードバイク)
- スペシャライズド 125㎏
- トレック 125㎏
カーボンやアルミ、クロモリなどフレームやフォークの素材によって、体重制限値が異なるメーカーもあり、その場合はカーボンよりクロモリのほうが制限値は高くなっています。
マウンテンバイクやグラベルロードのほうが体重制限値は高い
マウンテンバイクやグラベルロードのメーカーが定める体重制限値は、ロードバイクの1割近く高めとなっています。これは荒地や砂利道を走るために車体がより頑丈に剛性を高めた設計・作成されているからと考えられます。とはいえ、20㎏足らずの違いですし、ロードバイクも100㎏以上でもOKなのですから、体重が重い人といえども大半は問題ないのではないでしょうか。
体重制限値を気にする必要はないけれども…
つまり、150㎏近く、もしくはそれ以上の体重の人でもない限り、ロードバイクに乗ることに問題はないといえます。しかし体重が重いか軽いかによって、パフォーマンスにおける有利・不利はあります。それを数値化できるのが、パワーウエイトレシオです。
パワーウエイトレシオとは?
パワーウエイトレシオとは、日本語に訳すと「出力重量比」となります。自動車やオートバイの世界において、パワーウエイトレシオは性能を推し量る基準として大きな役割を果たします。自転車の世界では、パワーメーターの登場によって一般的に用いられるようになりました。
パワーウエイトレシオの算出方法
ロードバイクのパワーウエイトレシオは、パワーメーターで計測したFTP(ライダーが1時間維持できる限界出力)の値を体重で割って算出します。FTPの出力の単位はW(ワット)で表しますが、たとえば体重が70㎏でFTPが210Wの人は、210W÷70㎏=3.0W/kgがパワーウエイトレシオとなります。
パワーメーターとは?
- クランクやハブなどに器具を装着して、その金属部分の歪みなどによってどれだけのパワーが出ているかを測定するのがパワーメーターです。登場した当初は非常に高価だったため、一部のプロしか使っていませんでしたが、今ではホビーレーサーでも使用している人が増えています。
パワーウエイトレシオでわかることとは?
FTPの数値が高いほうがパワーがあり速いのですが、同じFTP値の場合には、体重差によって比較することが可能となります。たとえば、体重が80㎏の人と50㎏の人で、二人ともFTP値が200Wとしましょう。この場合、80㎏の人のパワーウエイトレシオは2.5㎏ですが、50㎏の人は4.0㎏となり、数値の高い50㎏の人のほうが優れているといえるのです。
出力を上げるか、体重を落とすかでパワーウエイトレシオは向上する
パワーウエイトレシオは、FTPの出力値を体重で割れば算出できます。パワーウエイトレシオの数値は、ロードバイクに乗る人の走行性能や脚力を表します。この数値を上げたければ出力を上げる、もしくは体重を落とすことで可能となります。
ロードバイクは体重が軽いほうがメリットが大きい
パワーウエイトレシオの値は、体重の軽いほうが効率よくパワーを使って走れることを証明しています。つまり、世間一般に認識されている通り、ロードバイクでは体重が重いより軽いほうがメリットがあるというのは間違いないといえるでしょう。しかし、パワーウエイトレシオの値を盲信していいのでしょうか。
陥りやすいパワーウエイトレシオの盲点
FTPとパワーウエイトレシオの関係
ヒルクライムでは体重が軽いほうが登りにメリットが大きいため、特にFTPよりパワーウエイトレシオが重視される傾向があります。しかしFTPが低いと、いくらパワーウエイトレシオが高くてもパフォーマンス自体は低くなってしまいます。
体重とパワーウエイトレシオの関係
パワーウエイトレシオ値を上げるために体重を落としても、そのために筋力が低下しては意味がありません。筋トレなどで筋肉がついて体重が増えたとしても、FTPが高くなればパワーウエイトレシオも向上します。パワーウエイトレシオ値だけに固執していては、本来のパフォーマンスの向上を妨げることになりかねないのです。
体重よりパワーにこだわろう
確かにロードバイクにおいて、体重の軽い人のほうが重い人よりパフォーマンスは優れてる、つまりメリットが大きいといえます。しかし、そう単純に結論付けていいのでしょうか。
無理な体重制限はNG
体重を気にするあまり無理な食事制限などをしてしまうと、タンパク質をはじめとする筋肉を作るための栄養素が不足してしまう恐れがあります。かといって、プロテインばかりを摂っても栄養バランスが崩れてしまいます。
体重ダウンより出力アップ
プロとしてレースに出場するためにロードバイクに乗るのであれば、極限を求めてパワーウエイトレシオにこだわって体重を絞り込むのもいいかもしれません。しかし、多くのホビーライダーが体重にこだわり過ぎるのはNGといえるでしょう。体重を気にするより筋肉をつけてパワーを上げるほうが効果的で速くなれますよ。
ロードバイクはダイエットに効果はあるけれども…
ちなみに、ダイエット目的でロードバイクを始めた人がすぐに痩せることができるのは大きなメリットです。ただし、それは自転車に乗るのに最適な体重になるという意味ではありません。最適な体重になるため、そしてなってからそれをキープするには、定期的なトレーニングと継続的にたくさん自転車に乗ることが必要なのです。
まとめ
ロードバイクでは体重の重い人より軽い人のほうが有利なのは間違いありません。また、ダイエット目的でロードバイクをはじめると即効果を得られる可能性も高いといえます。ただ、体重が軽いほうが速く走れるからと、無理に体重を落とすことはおすすめできません。レースに出場するプロならいざ知らず、ホビーライダーにとっては何ごともほどほどにしておくことがロードバイクを楽しむコツですよ。
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