「地球ロック」とは
「地球ロック」は「アースロック」ともいわれ、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクの、鍵の掛け方のひとつです。地球ロックをひとことで説明すると「地面に固定されて動かすことのできないものに、ワイヤーなどで自転車を結びつけるように鍵を掛ける」というものです。
地球ロックは盗難防止に効果的
地面、つまり「地球」と一緒に自転車を固定するので「地球ロック」「アースロック」とよばれます。地球ロックは、自転車の盗難を防ぐ最も簡単かつ効果的な方法とされています。盗難防止には、なぜ普通に鍵を掛けるだけではなく、地球ロックが最も効果的なのでしょうか。
鍵を掛けない自転車は盗まれる!
自転車の盗難で最も多いのが、無施錠、つまり鍵を掛けていなかった状態のものです。もちろん、鍵が掛かっていようがいようまいが、自転車を盗むことは違法ですし許されませんが、盗難の大半は、鍵を掛けることで防げたというわけです。
窃盗グループに狙われているロードバイク
しかし、無施錠で盗まれたのは多くがママチャリで、ロードバイクやクロスバイクの窃盗の場合は、鍵を掛けていたのに盗まれたという報告も少なくありません。そして、その多くは窃盗グループの仕業だとされています。彼らの目的は、盗んだロードバイクやクロスバイクを転売したり、ネットオークションに出品してお金を得ることです。
狙われやすいスポーツバイク
特に高価なロードバイクやクロスバイクが被害に遭うことが多いのは、ママチャリなどより高く売却できるからです。また、高級なスポーツバイクは車重が軽くできているため、鍵を掛けてあっても簡単に担げるので、持っていきやすいという面もあります。つまり、高級な自転車は高く売れる上に盗みやすいと、盗む側からすれば「一石二鳥」なのです。
地球ロックで窃盗グループから守ってくれる
地球ロックで自転車とくくりつける固定物がしっかり結ばれていれば、いくら自転車が軽くても、鍵を壊さない限り盗んでいくことはできません。鍵を壊すのに時間が掛かると、人目につく危険性が多くなり盗みにくくなるため、地球ロックをしてある自転車は、盗難の防止に効果があるというわけです。
地球ロックのやり方とは
地球ロックは自転車の盗難の防止に効果的ですが、どのようにすればいいのでしょうか。ここでは、具体的なやり方やどんな鍵を使用すればいいのかなどを紹介していきましょう。
固定物と結びつけるだけ
地球ロックのやり方は、いたって簡単です。たとえば、道路標識やガードレール、駐車場のポールなどの、地面や建物などにしっかりと固定された対象物を利用して、強固なワイヤーなどと自転車を結びつけるだけです。
強度に注意
これで、自転車の盗難のリスクはかなり少なくなるはずです。「ちょっと拝借」と乗っていく場合はもちろん、窃盗グループからも守ることができるでしょう。ただし、ワイヤーなどの強度が不足していると、簡単に切断されてしまう危険性があるので、なるべく頑丈な鍵を使用することが望ましいです。
重量にも注意
ただ、問題は持ち運びです。基本的に、頑丈な鍵=重い、大きいとなりがちです。せっかくカーボンフレームにしたり、カーボンのホイールに変えたりして、ロードバイクの軽さを追及しているのに、盗難を防止するために重くて大きな鍵を持ち運ばなければならないのでは、意味がありませんよね。
自転車の使用状況で選ぼう
通勤や通学に使用するので、駐輪場に停める時間が長いという場合は、少々重くても頑丈な鍵がおすすめですが、ロングライドやツーリングで、自転車から離れるのはコンビニに立ち寄る短時間だけというなら、小さくて持ち運びやすいものでもOKです。どのような鍵を使用するのかは、自分の自転車の使い方を基準にするといいでしょう。
地球ロックのポイントと注意点
地球ロックのやり方には、いくつかのポイントや注意点があります。それをしっかり押さえておかないと、盗難防止効果が薄れるだけでなく、やはり盗難のリスクも生じますし、さまざまなトラブルの原因にもなりかねません。
ホイールだけを地球ロックはNG
クイックリリースの弱点
地球ロックは、ワイヤーなどで自転車と固定物を結びつけてロックします。その際、ホイールと固定物だけを結びつけている人も少なくありませんが、ロードバイクやクロスバイクには、ホイールにクイックリリースを採用しているモデルが多く、簡単にホイールが取り外しできます。
弱点を狙われる
この便利さを逆手にとってホイールを外し、車体のほうを持ち去られることもあります。前輪だけを地球ロックして自転車を離れ、戻ってきたなら、フレームと後輪は姿かたちがなく、ロックされてつながったホイールだけが残っていたという、笑えない話も珍しくありません。
複数の鍵でフレームを地球ロック
したがって、地球ロックではフレームと固定物をつなぐのが基本です。さらに効果的なのが、2個、3個と複数の鍵を使う方法です。ひとつの鍵で地球ロックを、他の鍵でフレームとホイールを固定するというやり方です。フレームだけを地球ロックしていると、ホイールが盗まれるリスクもあり得るので、特に高価なホイールを装着している場合には、この方法が有効になるはずです。
違法駐輪は厳禁
駐輪する場所にも注意しましょう。自転車は、道路交通法上は「車両」なので、地球ロック云々以前に、駐停車禁止の場所に停めるのは違法です。駐輪場なら比較的安心ですが、管理人が常駐していないあまりひと気のないところはおすすめできません。窃盗グループは人目を気にしますが、周りに人がいないと、地球ロックをしていても、時間を掛けて鍵を壊し盗むこともあるからです。
固定するものにも注意
頑丈な固定物を選ぶ
固定する対象物には、強固なものを選ぶことも大切です。金網状のフェンスに鍵を通して、地球ロックをしている人も見掛けますが、フェンスなどその気になれば簡単に切って持っていかれます。いくら頑丈な鍵でロックしていても、固定物を壊して盗まれるかもしれない可能性も考えて、地球ロックの場所は選びましょう。
頑丈でもNGなもの
いくら頑丈であっても、他人の所有物や敷地内の固定物にロックするのはいけません。また、ガードレールや道路標識、電信柱、街路樹など公共物であっても、場所によっては違法となる場合もあるので、注意が必要です。
続いて、地球ロックに適した鍵を紹介!