自転車仲間で使える7つのハンドサイン
一般道や専用道でも並走することなく、縦列状態で集団走行するには、安全運転義務を遵守し走行するため、先頭を走るサイクリストが様々な情報を後続たちに伝達します。先頭から伝言形式で伝達されることを想定しています。警察の補導対象にならず、安全運転義務を守りながら対応できる7つのハンドサイン(集団走行するサイクリストの間でよく使われているサイン)をご紹介します。
かっこいいというよりは知らないサイクリスト同士でも「短い合図をお互いに出すことで瞬時の判断に対応できるのではないか」という趣旨です。法定されているものではなく、一般的に周知されているものでもないので、サイクリング経験者の場合でも知らない人のほうが多いことを、念頭に置いてご利用ください。ハンドサインには方言のように地域差もあります。
走行前に毎回、集団走行するサイクリング仲間とハンドサインの確認をするのを忘れないようにしてください。
自分のサイクリング仲間以外の人には笑顔で「ありがとう」「すみません」は忘れないようにしてください。
ハンドサイン①急激な停止
急激な停止のハンドサインは直進している状態で、左手でも右手でも問題ありませんが、腰くらいの位置で手をパーにして、しっかり掌を後方に向けて見せることで、「危ないのは承知の上、徐行を行わず、即時ブレーキを踏んで停止します」という意味になります。事前に知らせれば、後続のサイクリストたちも衝撃にあらかじめ対処できるので、配慮がある行動として信頼されます。
衝突は免れなくても、衝撃は何も知らない場合より緩和されます。
ハンドサイン②減速します
減速しますのハンドサインは直進している状態で、左手でも右手でもよいのですが、掌を下にして羽のようにひらひら上下するのを繰り返すことで、ブレーキを踏んで減速し徐行する旨を伝えます。大きく羽ばたけば大きく徐行し、小さく羽ばたけば小さく徐行することで追突などを防げるはずです。先程の徐行・停止の手信号に移行させれば停止もできます。
ハンドサイン③障害物を知らせる
集団走行で重要とされる「障害物を知らせるハンドサイン」は、注目すべき状況や走行の妨げになるような障害物がある場合、指差しで伝えながら走行します。後続のサイクリストが危ない目に合わないよう配慮をしている行動なので、仲間からの信頼感が増します。障害物を指差しするか、障害物の周辺を指差しすることで、後続たちにも伝わりやすいです。
障害物とは、路上に転がっているパンクの原因を引き起こす可能性のあるもの、突然、目の前に出てくる可能性のある植物や動物、アスファルトやコンクリートの傷みの激しい場所、あまり踏んで気持ちのよくない動物の糞などです。
ハンドサイン④左に寄ってください
左に寄ってくださいのハンドサインは直進している状態で、左手の掌を左側に向けたまま指、手首、肘などから左手の掌で押し出すように仰ぐ動作を見せることで、「左に寄ってください」という方向指示になります。腕をぴんと張ったときに掌との角度が、90度だと後続たちにも伝わりやすいです。後続たちは自分が左に押されてるイメージで左に寄りましょう。
ハンドサイン⑤右に寄ってください
右に寄ってくださいのハンドサインは、直進している状態で右手の掌を右側に向けたまま、指、手首、肘などから右手の掌で押し出すように仰ぐ動作を見せることで、「右に寄ってください」という方向指示になります。腕をぴんと張ったときに掌との角度が、90度だと後続たちにも伝わりやすいです。後続たちは自分が右に押されてるイメージで右に寄りましょう。
ハンドサイン⑥先頭を譲る
先頭を譲るハンドサインは直進している状態で、左手でも右手でもよいのですが掌を進行方向に向けたまま指、手首、肘から前後に仰ぐような動作を見せることで、「どうぞ先頭に進んでください」という意味になります。先頭のサイクリストをよく観察して後続が行動できれば、仲間のしたいことをアシストする能力が高いのでかっこいいです。ハンドサインを送った相手を追い越して先頭に出ましょう。
先頭を走っていて予想外に体力がなくなった場合は、肘を利用することが多いです。先頭のすぐ後ろを走る場合は、先頭のサイクリストの出すハンドサインを注視しましょう。
追い越しの際は「追い越すよ」など大きな声で言ってから追い越すとベターです。
ハンドサイン⑦路面に段差があり/路面が荒れている
路面に段差があったり荒れたりしているときのハンドサインは、直進している状態で、左手と右手の両方でハンドルを握ったままグーパーを繰り返します。集団走行では、路面に段差があったり荒れたりしていた場合、このサインを出すことによって「臨機応変な対応をしていこう」というメッセージになります。この場合は危ない運転になりますが、違反行為には該当しません。自分が先頭の際このハンドサインを使うと、仲間の信頼度も上がりますよ。
路面が荒れているかどうかはサイクリストにとっては重要です。慎重に走行しなければならなかったり、徐行せざるを得なかったり、ブレーキを踏む可能性や路面のせいで危ない運転をすることになります。
この場合は意識的に違反行為をとったということにはならず警察の補導対象には当たりません。
並走は公道では警察の補導の対象である危ない運転にあたり違反行為です。ご注意ください。