パレスサイクリング(パレサイ)とは
パレスサイクリング通称「パレサイ」は、自転車産業振興協会の主催によって毎週日曜日に開催されている催しです。普段はたくさんの車が行き交う皇居周辺の道路がサイクリングロード、いわゆる「自転車天国」として開放されます。いつもは車が行き交うビル街のど真ん中を、車を気にせず自転車で走ることができると、人気を呼んでいるサイクリングイベントなのです。
車を気にせず自転車に乗りたい人は多い
日ごろ自転車に乗る人たちは、後ろから猛スピードで追い抜いていく車におびえながら道路の端を走ったり、車に気を遣いながら通行しています。そんな中、日曜日だけとはいえ、皇居周辺がサイクリングコースとして開放されるパレスサイクリングは、サイクリストだけでなく、自転車を楽しみたい家族やカップルなどに人気が高まって当然とも言えるでしょう。
自然と都会の両方を感じながらサイクリング
自然なんてあまりないというイメージの強い東京ですが、意外にも皇居周辺には多くの自然があり、都会の中のオアシス的な存在となっています。大都会のど真ん中、四季折々で移り変わる自然の景色とビル街という、都会と自然の対比的な両方の景色を眺めながら車を気にせずサイクリングができる機会は非常にまれで非日常、かつ贅沢といえるでしょう。
サイクリストの交流の場
近年のスポーツバイク人気のより、パレスサイクリングは東京に住む人たちのみならず、東京周辺のサイクリストや自転車愛好者たちにも大いに注目されています。東京駅をはじめ、近くにいくつか駅があるので、輪行してやってくる人もいます。パレスサイクリングに参加して走るのはもちろん、それぞれが自慢の愛車を披露するなど、サイクリストの交流の場ともなりつつあります。
「ガチ」な人たちだけではない
ロードバイクにサイクルジャージを着てビンディングシューズを履いた、いわゆる「ガチ」な人ばかりだと気後れする人もいるかもしれません。しかし、ただ車に邪魔されず自転車で走りたいという人たちが集まっていて、ママチャリの家族連れやクロスバイクで走る人たちも大勢います。気軽に参加するのが、パレスサイクリングの楽しみ方です。
パレスサイクリングの基本情報
人気の高まりを見せるパレスサイクリングについて、その基本情報を紹介しましょう。
パレサイのコース
パレスサイクリングのコースは、皇居外苑前の祝田橋交差点から平川門交差点までの片道1.5㎞、往復3㎞を一周として、開催時間内は一般車両が通行止めされ、この区間の車道4車線すべてがサイクリングロードとなります。開催時間内なら、何往復してもOKですし、コース以外のスペースであれば自転車に乗らずにゆっくり過ごすのも構いません。
パレサイの開催日や開催時間
パレスサイクリングの開催は、基本的に毎週日曜日の10:00~16:00です。ただし、開催されない週もあるので、事前に自転車産業振興協会のホームページで開催日のチェックをすることをおすすめします。また、当日雨天の場合は中止されますし、天気予報に応じて降水確率が50%以上なら前日に中止が決定されることもあります。前日に中止が決定したなら当日晴れてもイベントは中止です。
パレスサイクリング詳細情報
- 連絡先:TEL 03-6409-6923(パレスサイクリングテント)
- アクセス:日比谷線 日比谷駅から徒歩8分 千代田瀬 二重橋前駅2番出口から徒歩3分
JR東京駅丸の内側から徒歩15分 - 案内所:皇居前警備派出所横テント
- 自転車産業振興協会ホームページ:http://www.jbpi.or.jp/palace.php
パレスサイクリングコース以外のイベント(3つ)
パレスサイクリングでは、サイクリングコースでの走行以外に、自転車に関するさまざまなイベントやスクールを行っているので、そちらも紹介しておきましょう。
①自転車乗り方教室
自転車版教習所
自転車に乗れない人のために、専門の指導員が自転車の乗り方を無料で教えてくれるイベントです。早ければ、2~3時間程度で乗れるようになる人も少なくないそうです。対象は小学生以上で、大人の参加も可能です。パレサイ開催日の8:30~14:30までの受付で、10:00~15:00間に利用できます。事前予約は不可です。
終了証も発行してもらえる
持ち込みはできず協会で用意した自転車で練習を行いますが、体にあった自転車を選んで練習できるので安心です。また、5段階のステップ方式で練習し、最終段階の修了者には「自転車乗り方教室終了証」を発行してもらえるので、モチベーションが上がります。
②幼児練習コーナー
子どもに自転車の乗り方を教えようと思っても街中では車などが気になって難しいですが、ここでは、保護者が就学前の子どもに自転車の乗り方を教えるためのスペースを提供してもらえます。利用可能なのはパレサイ開催日の10:00~15:00、受付は10:00~14:30で、事前予約はできません。練習時間は1時間30分までで、自転車は持ち込み不可ですが貸し出してもらえるのでうれしいですね。
③補助輪付き自転車専用コーナー
保護者の責任のもとで、就学前の子どもが補助輪付き自転車の利用ができるコーナーです。開催はパレサイ日の10:00~15:00で、無料で利用できます。事前予約や受付はなく、コーナー看板付近に用意された補助輪付き自転車を借りて乗ることができます。
パレスサイクリング利用上の注意点(5つ)
大都会東京のど真ん中で車に注意せずに自転車走行を楽しめるパレスサイクリングですが、利用にあたってはいろいろと注意が必要です。また、安全に走行するためのさまざまなルールやマナーも定められています。利用する際には、それらを順守しなければならない点に留意しましょう。
注意点①交通ルールを守る
パレスサイクリングでは、普段の車道が自転車専用道路として開放されています。しかし、自転車だけのスペースになっているわけではありません。外苑を散歩している人もいれば、コース内を普通に横断する人もいて、そのために信号機も作動しています。したがって、信号をはじめとする交通ルール、さらに配備されている係員の指示に従う必要があります。
注意点②パレサイはレース場ではない
パレスサイクリングはレース場ではありません。コース内では、スピードを落とすのがルールです。コースを走っている自転車はさまざまで、ママチャリもあればシティサイクル、さらには子どもの乗った自転車も走っている点を認識しましょう。パレスサイクリングは、ゆっくり・のんびり、自転車を楽しむことが目的です。
注意点③走るコースに注意!
パレスサイクリングは車道4車線が開放されているので、4車線すべてで自転車の走行が可能です。しかし、外苑内側のコースはロードバイクでそこそこのスピードを出して走っているケースが多く見られます。したがって、ゆっくり走りたいのであれば外側のコースを走るほうがお互いのためにいいでしょう。
注意点④自転車は自分で用意する
自転車乗り方教室、幼児練習コーナー、補助輪付き自転車専用コーナー以外で乗る自転車は、自分で用意しなければなりません。以前はレンタルもあったのですが、現在は行っていません。遠方の人なら自分の自転車を持っていくのは面倒という人もいるかもしれませんが、パレサイ会場の周辺にレンタル自転車のお店もあるので、利用してみてはいかがでしょう。
注意点⑤食べ物・飲み物は持参しよう
パレスサイクリング会場内で、飲食はOKですが、残念ながら近くにほとんどコンビニや飲食店はありません。したがって、のどが渇いたりおなかが減っても対応できないので、必要ならば持参することをおすすめします。また、パンクなど自転車にトラブルが発生しても、すぐ近くに自転車店はないことも認識しておきましょう。
まとめ
パレスサイクリングは大都会東京のど真ん中で、自転車で車を気にせず走ることのできる画期的なイベントです。惜しむらくは、毎週1回だけの開催という点ですが、これは致し方ないでしょう。パレサイでは、自転車に親しむ、自転車を楽しむという点だけでなく、主催者である自転車振興協会による正しい自転車の乗り方などを啓もうするためのイベントであるといった点も認識して、サイクリングを楽しみましょう。
自転車乗り方教室、幼児練習コーナー、補助輪付き自転車専用コーナーは、令和2年3月29日にて終了するので、ご注意を!