ハンマーチェイスとは？ロードレースの概要やルールをご紹介！

ハンマーチェイスはロードバイクレースの中では短いコース設定です。ゴールまで10㎞ともなると、別チームが距離がギリギリまで近づき、一つの大集団となります。そして、ゴール直前になると、各チームが入り乱れる形の大混戦となりゴールへ突入します。

あまりの混戦ぶりに走っている選手も、自分のチームが勝ったのかすら確認できないほどです。唯一、チームで4番目にいた選手だけが、自分のゴール＝チームの勝利と確信できる場面があり、2017年のサンウェブと激闘を繰り広げたスカイのゲオゲガンハート選手が、いち早くガッツポーズをあげたのは印象的でした。

ドラフティングとは前を走るレーサーを風よけとして使う自転車競技でよくみられる走行テクニックです。しかし、レースでのドラフティングは原則として同チーム内の選手間でしか認められない行為になります。ハンマーチェイスのコースデザインとルールでは、他チーム間でのドラフティングが発生している状況になりえるほど大集団を形成した展開になってしまい、ギリギリの攻防が続きます。今後ルール改正がありえる部分ですが、ゴール前10㎞から直前の大集団によるドラフティング合戦は圧巻です。

2017年のハンマーチェイスでは珍しいパンクのアクシデントが起きました。9位から16位を決めるグループ2のレースの中で、先頭にたったBMCレーシングの選手たち5人中4人が次々とパンクし、大幅に後退するというものです。この連続したパンク劇は話題になり、新しく始まったハンマーシリーズの波乱の展開、ドラマ性として広まりました。

高校生の青春と自転車、ロードバイクレースを描いた大人気の漫画「弱虫ペダル」で登場することになるインターハイのレース形式と、このハンマーシリーズのレース形式は多くの共通点があり、とても似通っています。弱虫ペダルを読んだことがあるなら、このハンマーシリーズのルールをすぐに理解できるでしょう。

漫画「弱虫ペダル」のインターハイのルールと、ハンマーシリーズは既存のサイクルロードレースでは当たり前であるマスドスタート（選手が一斉にスタートする形式）ではなく、着順による決まったスタート形式をとるという点が共通しています。

2019年のハンマーシリーズの予定は下記の通りです。テレビ中継は、オンデマンド放送なら「Ｊsports」、衛星放送とケーブルテレビなら「スカパー」、「J:COM」から視聴可能です。また、現地ではロードレースそのものだけではなく、エンターテインメント性も重視した会場内では、子供向けのミニレースやロードバイクの試乗会、その他の自転車にまつわるさまざまな催し物が行われます。

ここではハンマーシリーズのハンマーチェイスを中心にご紹介してきました。2017年に始まった新しいロードバイクレースですが、わかりやすいルールの採用、よりドラマティックでダイナミックさを融合した自転車エンターテイメントとして、サイクルロードレース界に新しい風をもたらしました。特に最終戦となるハンマーチェイスのゴール前の大接戦は必見！　今後のシリーズが楽しみなサイクルロードレースです。