マルコ・パンターニってどんな人物?自転車にまつわるエピソードを紹介!

マルコ・パンターニってどんな人物?自転車にまつわるエピソードを紹介!

「海賊」という愛称で親しまれたマルコ・パンターニが残した数々の伝説を紹介します。二大ツールを制し、32歳という若さでこの世を去った彼の生き様は、映画にもなりました。マルコ・パンターニの偉大な記録は自転車史に刻まれ、多くのクライマーの目標になっています。

記事の目次

  1. 1.マルコ・パンターニってどんな人物?
  2. 2.マルコ・パンターニのライディングスタイル
  3. 3.たび重なるケガからの復活
  4. 4.マルコ・パンターニの自転車にまつわる伝説
  5. 5.マルコ・パンターニの残した名言
  6. 6.マルコ・パンターニを題材にした映画
  7. 7.まとめ

マルコ・パンターニってどんな人物?

マルコ・パンターニは、イタリア出身のプロロードレーサーでクライマーとして世界で有名な選手です。2004年2月9日にコカインのオーバードーズで34歳の若さで死亡が確認されましたが、第三者から付けられたと見られる傷が発見され、殺人事件として2014年に再捜査が決定されました。

愛称は「海賊(il Pirata)」

スキンヘッドに顎ヒゲという容姿と、いつもバンダナを巻いてレースに出場していたことから「海賊(il Pirata)」という愛称で呼ばれることもありました。バンダナを巻いていたのは、マルコ・パンターニは背が低く、頭も小さく、そのままヘルメットをかぶると動いてしまったので、バンダナを巻いてヘルメットと頭の隙間を埋めていました。

マルコ・パンターニのライディングスタイル

クライマーとして数々の山岳賞を獲得し、グランツールを何度も制したマルコ・パンターニのクライム時のダンシングは、ハンドルバーの下を握り、大きく車体を振るようにするスタイルが特徴的で、ゴール時には両手を広げ、天を仰ぐようなポーズを取るのが恒例でした。

スタイル①トラックレースのようなスタイル

マルコ・パンターニは、世界有数のクライマーで、ツール・ド・フランスでも通算8勝を誇る世界有数のロードレーサーですが、そのライディングスタイルは、ロードレースというよりはトラックレースのような果敢なアタックを続ける攻撃的なスタイルでした。

スタイル②くだり坂での中団キープ

マルコ・パンターニは、勾配が急でヘアピンカーブが続くような危険なくだり坂では、グループの真ん中にいることを好み、そのせいで集団落車によく巻き込まれていました。これによって、彼のロードレーサー人生は、ケガの多い人生でした。

たび重なるケガからの復活

Photo by naka_hide

マルコ・パンターニは、ケガの絶えない選手でした。前述した集団落車に巻き込まれてケガをすることもあれば、練習中に車と接触し、脚を粉砕骨折するという大事故にあったこともありましたが、そのたびリハビリを重ねて奇跡の復活を遂げました。そのケガに負けずにレースに復帰し、結果を残すマルコ・パンターニの姿勢にイタリア中が勇気付けられました。

マルコ・パンターニの自転車にまつわる伝説

ツール・ド・フランスはロードレーサーなら誰もが憧れるトップレースですが、イタリアで開催されるジロ・デ・イタリアもとても有名で、マルコ・パンターニは、このレースで通算8勝を挙げています。イタリア人であるマルコ・パンターニがジロ・デ・イタリアで優勝することは、イタリア中を熱狂の渦に巻き込みました。マルコ・パンターニは、死後もイタリアの自転車業界では絶大な人気を誇り、ジロ・デ・イタリアのコースの途中には、毎年彼の功績をたたえる像やイラスト、横断幕などが多数設置されます。

伝説①ダブル・ツール

Photo bykeesluising

1998年に開催された第85回ツール・ド・フランスにおいて、マルコ・パンターニは初めての総合優勝を果たし、イタリア人として33年ぶりの史上9人目の快挙を成し遂げました。そして、同年の5~6月に開催されたジロ・デ・イタリアでも優勝し、同一年にツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアの二大グランツールを制する「ダブル・ツール」の快挙を達成し、イタリア中が歓喜で沸きました。

伝説②チマ・パンターニ

2004年に逝去したイタリア自転車界の英雄・マルコ・パンターニをたたえ、ジロ・デ・イタリアのコースにおいて、マルコ・パンターニに所縁のある山を毎年一つ選び、チマ・パンターニを設定しています。2004年の初めてのチマ・パンターニには、1994年のジロ・デ・イタリアでマルコ・パンターニが猛烈なアタックを見せたモルティローロが選ばれました。

伝説③ラルプデュエズの最短記録

ツール・ド・フランスにおいて、ラルプデュエズをクライミングする最速記録は、1997年にマルコ・パンターニが記録した37分35秒がまだ破られていません。ラルプデュエズのクライミングタイムは、1994年の38分、1995年の38分04秒とマルコ・パンターニが1人でベスト3の記録を持っています。

伝説④イタリアで自転車ブームを巻き起こした

Photo bykeesluising

マルコ・パンターニが自転車業界だけでなく、イタリア中で愛されているのは、そのカリスマ性と実力で、自転車競技に興味がなかった人の目を誘い、イタリア中に自転車競技ブームを巻き起こしました。今の日本でいう羽生結弦のような存在ですね。マルコ・パンターニが優勝した1998年のジロ・デ・イタリアでは、テレビ中継の視聴率が50%を超えたという記録があります。

マルコ・パンターニの残した名言

Photo by veroyama

スキンヘッドにピアスという特徴的なルックスで、パッドの入っていないレーサーパンツを愛用するなど個性的な人物であったマルコ・パンターニの発言で、語り継がれている名言を紹介します。

名言①「あなたたちこそ、いい契約をしたと思います」

マルコ・パンターニの自信の表れを示した名言です。マルコ・パンターニが事務所と契約を結ぶときに、数々の強気な条件を提示したという逸話があります。お互いの要求をすり合わせ、サインをする段階で、事務所側がマルコ・パンターニに「いい契約を結んだと思いませんか?」と尋ねると、彼は、「いいえ。あなたちこそ、いい契約を結んだと思います」と答えたと言います。

名言②「一秒でも早くこの苦しさから解放されたいからさ」

世界有数のクライマーであったマルコ・パンターニですが、記者に「なぜそんなに速くクライミングができるのか」という質問があった時に、「一秒でも早くこの苦しさから解放されたいからさ」と答えたそうです。

マルコ・パンターニを題材にした映画

世界の自転車業界を沸かせ、34歳で非業の死を遂げたマルコ・パンターニを題材にしたドキュメンタリー映画が製作されています。ジェイムス・エルスキン監督で、日本でも2015年に公開され、日本での題名は、『パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト』です。実際の当時の映像も使われているので、映像は綺麗とは言えませんが、迫力のある映像で、ドーピングスキャンダルで無念を感じながらも闘い続けたマルコ・パンターニが描かれています。

まとめ

映画にまでなったイタリアの英雄マルコ・パンターニを知っていましたか?二大グランを制しながらもドーピングスキャンダルや事故など数多くのエピソードを持ち、そして殺人疑惑の残るオーバードーズで非業の死を遂げたマルコ・パンターニ。彼の偉業は、イタリアのみならず世界中の自転車界の歴史に刻まれています。

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アクティブ少女の非日常
ライター

アクティブ少女の非日常

関西出身のチャリ旅ガール。主に一人で自分のペースで旅するのが好き。全都道府県制覇、その内、自転車では、日本半周行きました。

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