ヒルクライムで速く走るためのトレーニング方法
では、実際にヒルクライムで速く走れるようになるためのトレーニング方法をご紹介します。それぞれのトレーニングは全く違うように思えますが、共通している部分があります。それぞれのトレーニング方法の目的を理解して効率よくヒルクライム能力を向上するように努めましょう。
トレーニング①長めの上り坂で限界までもがく
最初のトレーニング方法は、距離の長めの上り坂を山のふもとから頂上まで全力で登るトレーニングです。時間にすると、10分から長くても20分程度で登れる上り坂を探してトレーニングしましょう。このような長い時間登るようにトレーニングすることで、平均して出力できるパワーの向上につながります。
トレーニング方法②インターバルトレーニング
インターバルトレーニングでは心肺機能の向上に直接的に作用します。インターバルトレーニングは比較的短い時間での高強度な運動を一定の休憩時間を設けて繰り返すトレーニングです。有名なインターバルトレーニングとしてはタバタ式インターバルトレーニングがあります。非常にきつく身体的にも精神的にも苦痛を感じるトレーニングではありますが、その効果はとても大きいのでおすすめです。
タバタ式インターバルトレーニングとは
タバタ式インターバルトレーニングは「超短時間×超高強度運動」を組み合わせたトレーニングです。強度が高いため、固定ローラーなどで行うようにしましょう。具合的な方法としては、全力でペダルを30秒間踏み続けて、20秒間休憩した後に、再度30秒間全力でペダルを踏み続ける運動を交互に繰り返していきます。全体の運動時間は多くはありませんが、効果は絶大です。
トレーニング②筋トレで筋力を向上する
次にご紹介するトレーニングは筋トレです。ヒルクライムでは強い力でペダルを踏み続けるための高い筋力を身につけなければいけません。スクワットは下半身の筋力だけでなく、体幹筋への負荷も同時にかけられるためおすすめです。体幹筋を集中的に向上させる筋トレとしてはプランクなどがおすすめです。
トレーニング③適切なフォームを確立する
最後にご紹介するトレーニングは技術面のトレーニングです。ヒルクライムでの適切なフォームで登り続けられるというのは、速く走ることに直結します。長めの上り坂を登っているときにフォームが崩れていないかの確認も同時にしながらトレーニングに励むと効率がいいです。疲れてくるとフォームは崩れやすいくなるため、疲れたときこそいっそう注意するようにしましょう。
ヒルクライムで楽に走るためのポイント
ヒルクライムでは適切なフォームや走り方を意識するだけでも速く走ることができます。そのように速く・楽に走るためのポイントもしっかりと押さえておきましょう。
ポイント①リラックスする
ヒルクライムで大切なことは、全身をリラックスさせることです。がんばっているのにリラックスするのは難しいと思うかもしれません。しかし、力を入れるべきところは、力を入れて、無駄なところは力を入れないようにするだけで効果があります。無駄に力んでしまっていると、フォームの乱れや呼吸のしにくさにつながってしまいます。つらいときこそリラックスを心がけましょう。
ポイント②上体を起こす
全身の力をぬいてリラックスするのと同時に上体を起こして漕ぐようにしましょう。平坦な道では空気抵抗がある関係で、前傾姿勢をとらなければいけませんが、ヒルクライムでは空気抵抗は少ないため無理に前傾する必要がありません。むしろ少し上体を起こすようにしたほうが呼吸がしやすくなるため、楽に走られるようになります。
ポイント③呼吸は一定を保つ
ヒルクライムでは心肺機能に高い負荷がかかるため、「呼吸」が重要です。斜度がきつくなったり、長い上り坂では疲れたりして息切れが起こります。息切れが起こることは正常な反応なので問題ないですが、それ以上に乱れてしまうとさらに疲れてしまいます。ヒルクライムでは、一定のリズムの呼吸で、なおかつ「息を吐く」ということに意識をおいて呼吸をすることをおすすめします。
ポイント④ダンシングを併用する
ヒルクライムでは筋肉への負担が大きいので、筋肉の使い分けも非常に重要です。サドルに座った状態でペダリングを行うのと、ダンシングを行っているときの筋肉の使い方は異なります。そのためダンシングを併用しながらヒルクライムを行うことで疲労を分散することが可能です。休むダンシングなどを意識的に使うことで、速く走られるようになります。
休むダンシングとは?
ダンシングのなかに「休むダンシング」があります。加速するためのダンシングは全身の筋力で精いっぱいの力を生み出しますが、休むダンシングは体重をペダルにのせて効率よく推進力を生み出す方法です。筋肉を使う割合も少なくなるので、走りながら休むことができます。勾配が強いほどこの休むダンシングは行いやすいので、練習して実際に取り入れられるようにしましょう。
ヒルクライムで速く走るためには軽量化も重要
ヒルクライムでは空気抵抗ではなく、重力に逆らうようにして運動を行う必要があります。自分が出せるパワーを高めていくことも重要ですが、軽量化することもそれと同じだけ効果が高いです。次はヒルクライムで速く走るための軽量化についての解説をします。
軽量化①ロードバイクを軽くする
最初の軽量化はロードバイクでの軽量化です。ロードバイクは、作られている素材で大きく重量が変わってきます。鉄製のロードバイクとカーボン製のロードバイクでは明らかにヒルクライムでの速さにも差が出てきます。フレームだけでなくパーツの重量を削っていくようにすると、さらに軽量化できます。
軽量化②身につけているものを軽くする
身につけているものの重量も無視できません。サイクリストの多くはサイクルジャージを着て走行しています。サイクルジャージはぴったりとしているため、初心者の方でなじみのない方は恥ずかしいと思うかもしれません。しかし、サイクルジャージはロードバイクで快適に走行できる機能がそろっています。それだけでなく、軽いのでヒルクライムでの軽量化にも有効です。
サイクルジャージは空気抵抗も少ない
サイクルジャージは無駄な衣服のバタつきを抑えられるため、空気抵抗の軽減にも役立ちます。上り坂でもわずかに空気抵抗は発生しているため、その空気抵抗を少なくすることは、ヒルクライムで速く走ることにつながります。軽量化と空気抵抗の削減という2つの大きな恩恵を受けることができるため、一石二鳥でおすすめです。
軽量化③体重を軽くする
最後は自分自身の体重を減量することで軽量化を図る方法です。ロードバイクを軽くすることばかりに目が行きがちですが、ダイエットで体重を減量するほうが全体の軽量効果は大きいことがほとんどです。また、ロードバイクの軽量化には金銭的な負担が加わりますが、ダイエットはそれほどお金がかからないので、コストパフォーマンスに優れています。
まとめ
ポイントをしっかり押さえてヒルクライムで速くなろう!
ロードバイクでのヒルクライムは足の筋肉や心肺機能への負担が大きい運動のため、とれもつらいです。しかし、ポイントをおさえてトレーニングすることで今までよりも強く・速く走ることができます。また、筋力や心肺機能などのフィジカル面のトレーニングだけでなく、テクニック面のトレーニングや軽量化も忘れずに取り組むようにしましょう。
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筋トレはフォームが崩れていると効果が薄いだけでなくけがにつながるため、フォームにも注意しましょう。