注目の若手ロードレース選手②主役の座を狙う男たち
上記の3人にとどまらず、その他の若手も追いつき追い越さんばかりの活躍を見せています。以下に挙げる4人もまた、その才能や実績において、十分次世代の主役たりうる要注目株です。
注目選手④タデイ・ポガチャル
- 生年:1998年(21歳)
- 国籍:スロベニア
- 所属:UAEチームエミレーツ
主な戦績
2018年 | ツール・ド・ラヴニール総合優勝 |
2019年 | ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合優勝・新人賞 |
ツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝・新人賞(大会最年少) | |
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位・ヤングライダー賞(区間3勝) |
タデイ・ポガチャル選手は、一昨年のラヴニール優勝で、地元チームからワールドチームへの大出世を果たしたU23の新星です。早速プロ1年目で大きなレースを制し、初グランツールのブエルタではいきなり総合の表彰台に登るという規格外の活躍を見せてくれました。今年はツールでもエースの大役を担うことが発表されており、期待は高まるばかりです。
注目選手⑤エンリク・マス
- 生年:1995年(25歳)
- 国籍:スペイン
- 所属:モビスター
主な戦績
2017年 | ブエルタ・ア・ブルゴス総合2位 |
2018年 | ツール・ド・スイス総合4位・新人賞 |
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位・新人賞 | |
2019年 | ツアー・オブ・広西総合優勝・ヤングライダー賞 |
エンリク・マス選手は、コンタドールの育成チームで成長を遂げ、スペイン自転車界の期待を担う逸材です。今年は大ベテランのバルベルデと共にツール、ブエルタの2つのグランツールでダブルエースを務めます。偉大な先達の薫陶を受け、さらなる進化を遂げる彼の走りからも目が離せません。
注目選手⑥セルヒオ・イギータ
- 生年:1997年(21歳)
- 国籍:コロンビア
- 所属:EFプロサイクリング
主な戦績
2019年 | ブエルタ・ア・エスパーニャ区間1勝 |
2020年 | コロンビア選手権優勝 |
ツアー・コロンビア総合優勝、ヤングライダー賞 | |
パリ〜ニースヤングライダー賞 |
セルヒオ・イギータ選手は、昨年から今年にかけ、一気に頭角を表してきたU23の有望株です。チームでは同じコロンビアのエース、ウランの後継者育成も求められるため、今後はグランツールを始め多くのビッグレースで彼の姿を見ることになるでしょう。
注目選手⑦パヴェル・シヴァコフ
- 生年:1997年(22歳)
- 国籍:ロシア/フランス
- 所属:チームイネオス
主な戦績
2017年 | ツール・ド・ラヴニール山岳賞 |
2019年 | ツアー・オブ・ジ・アルプス総合優勝、ヤングライダー賞 |
ジロ・デ・イタリア総合9位 | |
ツール・ド・ポローニュ総合優勝 | |
2020年 | ツアー・ダウンアンダーヤングライダー賞 |
パヴェル・シヴァコフ選手は、チームメイトのベルナルの影に隠れがちですが、U23世代の中でも実力は折り紙付きです。昨年は初のグランツールであるジロで総合9位に入り、才能の片鱗をうかがわせました。メンタルが強くどんなレースでも結果を残せるため、大物ひしめくチーム内でも存在感が高まっています。
注目の若手ロードレース選手③才能あふれる若者たち
他にも将来性豊かな若手選手は目白押しです。彼らはまだエースとして表舞台に出る機会は少ないですが、既にグランツールを始め多くのレースでチームのために重要な役割を果たしつつあります。やがて必ずチームの中心的存在となるべく育成される、大事な金の卵たちなのです。
注目選手⑧ダヴィド・ゴデュ
- 生年:1996年(23歳)
- 国籍:フランス
- 所属:グルパマ・FDJ
主な戦績
2016年 | ツール・ド・ラヴニール総合優勝 |
2018年 | ツール・ド・フランス 総合34位 |
2019年 | ツール・ド・ラ・プロヴァンス新人賞 |
UAEツアー新人賞 | |
ツール・ド・ロマンディ新人賞 |
ダヴィド・ゴデュ選手は、ラヴニール優勝で名を上げ、フランスの期待を担うU23歳クライマーです。絶対エース、ピノの後継者として育成され、英才教育を施されています。既にアシストとして2度のツール出場も経験、エースを守りながら攻撃にも転じる規格外の戦闘能力は、もはや23歳とは思えません。やがて彼がエースになった暁には、どんな戦いを見せてくれるのでしょうか。
注目選手⑨ファビオ・ヤコブセン
- 生年:1996年(23歳)
- 国籍:オランダ
- 所属:ドゥクーニンク・クイックステップ
主な戦績
2017年 | ツール・ド・ラヴニール区間1勝 |
2018年 | ビンクバンク・ツアー区間1勝 |
2019年 | ツアー・オブ・広西ポイント賞(区間2勝) |
ツアー・オブ・ターキー区間1勝 | |
ツアー・オブ・カリフォルニア区間1勝 | |
オランダ選手権個人ロードレース優勝 | |
ブエルタ・ア・エスパーニャ区間2勝 | |
2020年 | ヴォルタ・アン・アルガルヴェポイント賞(区間1勝) |
ファビオ・ヤコブセン選手は、ラヴニールを皮切りに数多くのレースで勝利を挙げている若手スプリンターの筆頭です。若手育成にも定評のあるチームだけに、常勝軍団の一員として世界のトップスプリンターに名乗りを上げる日も遠くありません。今年はジロへの出場へ意欲をみせています。
注目選手⑩イバン・ソーサ
- 生年:1997年(23歳)
- 国籍:コロンビア
- 所属:チームイネオス
主な戦績
2018年 | ブエルタ・ア・ブルゴス総合優勝・山岳賞・新人賞 |
ツール・ド・ラヴニール総合6位 | |
2019年 | ツアー・コロンビア総合2位・山岳賞 |
ブエルタ・ア・ブルゴス総合優勝・山岳賞・新人賞 |
イバン・ソーサ選手は、続々と新しい才能が芽吹くコロンビアにおいて、ベルナル以上とも言われるのがこのソーサです。タレント軍団のイネオスでは、なかなかチャンスを掴むのは難しいですが、強者たちの中で揉まれることで未来のエースへと育成されるこの機会は大事にしたいところです。今年は春先のレースでケガを負い経過が心配されます。
まとめ
2020年代のロードレース観戦において、中心となるであろう若手選手たちを紹介してきました。世界を見渡せば他にも育成途上の有望選手や規格外の怪物は出てくるでしょうし、トラック競技やシクロクロスの逸材も見逃せません。私たちはそんな新しい才能の出現、成長と活躍を見守ることで、歴史のうねりをも目の当たりにするのです。8月のレース再開後、若者たちはどんなドラマを見せてくれるのでしょうか。
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