ジロ・デ・イタリアとは
ジロ・デ・イタリアは、1909年から毎年5月にイタリア全土で開催される自転車ロードレースです。今年は、「ジロ2020」と呼ばれています。イタリアを一周するほどの範囲の広さで、3週間をかけて行われます。総合成績が1位の選手には、「マリア・ローザ」と呼ばれるピンク色のジャージが与えられます。
ジロ・デ・イタリアのレースの特徴
イタリア全土を舞台として開催されるジロ・デ・イタリアは、自転車レースとしてたくさんの魅力があります。また、ジロ・デ・イタリアではポイント賞があり、シクラメンの花のような薄紫のジャージで、「マリアチクラミーノ」と呼ばれています。各ステージのゴールとステージ途中のスプリントポイントで、そのポイントが高い選手が着用できます。
レースの特徴①コースレイアウトの難しさ
ジロ・デ・イタリアのレースの特徴としては、勾配がきつい山岳ステージが多く、クライマーが多く出場する大会です。また、ゴール直前に登り坂があったり、ゴール直前に急カーブがあったりと、難易度の高いコースレイアウトになっているのも特徴で、山岳ステージでは雪が残っている場所もあり、寒さなどとも戦う必要があり、選手の技術や闘心などを楽しめるのが魅力です。
レースの特徴②ステージの豊富さ
ジロ・デ・イタリアの魅力は、何と言ってもステージの豊富さです。平坦ステージ、山岳ステージ、タイムトライアルステージがあり、サルデーニャ島やシチリア島などの離島でのステージがあります。ステージの数は通年21ですが、コースは毎年変わります。
レースの特徴③イタリア人の優勝が多い
近年のロードレースは、多国籍の選手が優勝する傾向にありますが、ジロ・デ・イタリアは、多くのイタリア人選手が目標にするレースであり、優勝者にはイタリア人が圧倒的に多いです。
コロナ禍での2020年の開催は!?
2020年の第103回のジロ・デ・イタリアは、本来であれば5月9日にハンガリーで開催予定でしたが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)流行拡大の影響で、延期されました。UCI国際ロードカレンダーの競技停止期間を7月1日までと決定し、UCIワールドツアーは8月1日まで延期することが決定されていましたが、ジロ・デ・イタリアは、10月3〜25日で開催することが決定されました。
コロナで選手の調整がきちんとできているか?
- 大会に合わせて体調を整えておく必要がありますが、ジロ2020についてはコロナ禍で調整がうまくできていない選手がいる可能性があり、番狂わせがあるかも!?
ジロ・デ・イタリア2020のコース概要
ジロ・デ・イタリアの魅力の一つである豊富なコース概要について説明します。総走行距離は3579.8kmとなっており、獲得標高は45000mにも達します。
コース概要①東欧からスタート! 序盤のコース
ジロ・デ・イタリア2020のスタートは、ハンガリーの首都ブタペストからで、東欧からの全体レースのスタートは初めてです。ドナウ川沿いを走り、ブタペストの旧市街を駆け抜けます。ブタペストではトータルで3日間すごします。第4、5ステージではシチリア島が舞台になり、山岳攻略がカギになります。
コース概要②イタリアを北上していく中盤コース
第7ステージ以降はイタリア半島を北上していきます。第8ステージでは、平坦が基調となっています。第9、10ステージでは中級山岳ステージとなっており、第11ステージはまた平坦になります。第12ステージではアップダウンが終始続き、第13ステージは、平坦からの終盤に襲いかかる2つの登りが緊迫したレース展開が期待できます。
コース概要③イタリアならではの風景を楽しめるコース
第14ステージでは、ブドウ畑の間を抜けるという日本ではなかなか見ることのできないコースです。第15ステージでは、曲技飛行が有名なイタリア空軍「フレッチェ・トリコローリ」の拠点であるリボルト空軍基地がスタート地点です。そこから平均勾配7.8%を誇るピアンカヴァッロの登坂になります。第16ステージでは、スロベニアとの国境付近を走ります。
コース概要④続く山岳ステージ
第17ステージからはイタリアアルプスの攻略に入ります。標高1500m前後を誇る3つの山々を超え、有名なスキーリゾートであるマドンナ・ディ・カンピリオに挑戦します。このステージで、獲得標高は5000mを超え、熱いクライマーの走りで魅せてくれます。第18ステージは上りからスタートし、パッソ・デッロ・ステルヴィオの標高2758mを登ります。パッソ・デッロ・ステルヴィオには、ジロデイタリアで今大会の最高地点となるチーマコッピが設置されています。そしてラーギ・ディ・カンカノを登り、第18ステージは終了です。
コース概要⑤ラストスパートをかける!終盤ステージ
第19ステージは、今大会で最長の251kmというロングコースで、かつ最後の平坦のステージです。そして第20ステージはコッレ・デッラニェッロの最後の山岳を超え、フランスに突入後、イタリアに戻ります。そしてミラノ・ドゥオーモ広場がゴールとなります。
ジロ2020のコースのポイント
- 総走行距離は3,579.8km
- 総獲得標高は45000mオーバー
- 山頂フィニッシュは7つ
- スプリンター向けステージは6つ
ジロ・デ・イタリアの女性版! ジロ・ローザ
毎年7月にイタリアで開催されているジロ・ローザは、ジロ・デ・イタリアに対して女子自転車競技として知られています。2012年までは「ジロ・ドンネ」と呼ばれていました。女子三大ロードレースの一つとして数えられています。
まとめ
厳しいコースレイアウトになることが多いジロ・デ・イタリアは、世界最大のレースであるツールドフランスと比較して、世界最高のレースと評されることもあります。長い距離、そして獲得標高も高く、非常に楽しめるレースでしょう。