ツールドフランス2020概要
まずはツールドフランス2020の、コースや日程、参戦チームなど、概要を紹介します。この記事をご覧になってからDVDや動画で振り返るのもおすすめです。ちなみに、ツールドフランス2020は、ツールドフランス107回目のレースになります。
ツールドフランス2020の日程
ツールドフランス2020は、2020年8月29日~9月20日の日程で行われました。ツールドフランスは、例年6月末から7月中旬の日程で行われますが、2020年は新型コロナウィルスの感染拡大により延期されました。コースは21ステージ用意されていますが、9月7日と15日に休息日が設定されており、全日程は23日間でした。
ツールドフランス2020のコース
2019年の10月15日に今大会のコースが発表されました。開幕地の南仏ニースから21日間をかけて首都パリに凱旋するコースです。フランスの全ての山脈・山塊を網羅していると言われ、山頂フィニッシュが5ステージも用意されていました。しかも、個人TTも最終日のみという、山に偏った難解なコースレイアウトが大逆転の結果を生んだとも言われています。
ツールドフランス2020参戦チーム
ツールドフランス2020には参加が義務付けられているトップカテゴリーの「UCIワールドチーム」19チームと、ワイルドカード枠となる「UCIプロチーム」3チーム、計22チームが参戦しました。ここでは全22チームとチームに機材を提供した自転車メーカーを紹介します。
ツールドフランス2020参加チーム①UCIワールドチーム
※チーム名:ロードバイク提供メーカー
- (フランス)AG2R La Mondiale(AG2R・ラ・モンディアル):エディ・メルクス
- (カザフスタン)Astana Pro Team(アスタナ・プロチーム):アルゴン18
- (バーレーン)Bahrain-McLaren(バーレーン・マクラーレン):メリダ
- (ドイツ)Bora-hansgrohe(ボーラ=ハンスグローエ):スペシャライズド
- (ポーランド)CCC Team(CCCチーム):ジャイアント
- (フランス)Cofidis, Solutions Crédits(コフィディス、ソリュシオン・クレディ):デローザ
- (ベルギー)Deceuninck-Quick Step(ドゥクーニンク・クイックステップ):スペシャライズド
- (アメリカ)EF Pro Cycling(EFプロサイクリング):キャノンデール
- (フランス)グルパマ・FDJ(グルパマ・エフ・デ・ジ):ラピエール
- (イスラエル)Israel Start-Up Nation(イスラエル・スタートアップネーション):ファクター
- (ベルギー)Lotto Soudal(ロット・ソウダル):リドレー
- (オーストラリア)Mitchelton–Scott(ミッチェルトン・スコット):スコット
- (スペイン)Movistar Team(モビスター・チーム):キャニオン
- (南アフリカ)NTT Pro Cycling(NTTプロ・サイクリング):BMC
- (イギリス)Ineos Grenadiers(イネオス・グレナディアス):ピナレロ
- (オランダ)Team Jumbo-Visma(チーム・ユンボ・ヴィスマ):ビアンキ
- (ドイツ)Team Sunweb(チーム・サンウェブ):サーヴェロ
- (UAE)UAE Team Emirates(UAE チーム・エミレーツ):コルナゴ
- (アメリカ)Trek-Segafredo(トレック・セガフレード):トレック
新城幸也選手は参戦ならず!
現役の日本人選手で唯一(ツールドフランス2020時点)ワールドチームに所属する、バーレーン・マクラーレンの新城幸也選手は残念ながら参戦なりませんでした。しかし、新城選手は2021東京オリンピックのロードレース競技の選考においてポイント1位となり、見事に代表選手の座を獲得しました。自国開催のオリンピックでの新城選手の走りに期待しましょう。
ツールドフランス2020参加チーム②UCIプロチーム
※チーム名:ロードバイク提供メーカー
- (フランス)Arkéa-Samsic(アルケア・サムシック):キャニオン
- (フランス)B&B Hotels-Vital Concept(B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト):KTM
- (フランス)Total Direct Énergie(トタル・ディレクト・エネルジー):ウィリエール
ツールドフランス2020上位入賞選手のロードバイク5選
ここではツールドフランス2020の出場選手の中から、個人上位5位までの選手が乗ったロードバイクを紹介します。
ツールドフランス2020上位入賞選手のロードバイク①UAE・チームエミレーツ「タディ・ポガチャル」編
タディ・ポガチャルは個人総合優勝(マイヨジョーヌ)に加え、新人賞と山岳賞も獲得しました。コースを問わない縦横無尽の走りはまさに大躍進といえるものです。イタリアの老舗メーカー「コルナゴ」のタディ・ポガチャルが乗ったロードバイクを紹介します。
COLNAGO(コルナゴ):V3-RS
チームエミレーツはトップグレードの「CONCEPT」や「C64」も持ち込みましたが、ポガチャルは「V3-RS」を愛用しました。V3-RSは軽さとエアロ性能を両立した総合レーシングバイクです。選手によってリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルが使い分けられていました。
ツールドフランス2020上位入賞選手のロードバイク②チーム・ユンボ・ヴィスマ「プリモシュ・ログリッチ」編
プリモシュ・ログリッチは第19ステージまでマイヨジョーヌを守ってきましたが、あと2ステージというところでタディ・ポガチャルに逆転を許し2位となりました。そんなログリッチが乗った現存する世界最古の自転車メーカー、「ビアンキ」のロードバイクを紹介します。
Bianchi(ビアンキ):OLTRE XR4
チーム・ユンボヴィスマはコースに関係なく、エアロロード「OLTRE XR4」を選択していました。しかも、ログリッチは多くのチーム、選手がディスクブレーキモデルを選択する中で、リムブレーキモデルを愛用しています。スプリントステージで2勝の結果を出す一方で、ログリッチが山頂ゴールの第4ステージを制し、ビアンキがOLTREのコースを問わない対応力を見せつけた結果となりました。
ツールドフランス2020上位入賞選手のロードバイク③トレック・セガフレード「リッチー・ポート」編
リッチー・ポートに自身初の表彰台をもたらしたのは、アメリカの人気メーカー「トレック」がチームスポンサーのトレック・セガフレードです。リッチー・ポートが乗ったロードバイクを紹介します。
TREK(トレック):Émonda SLR9
個人総合3位のリッチー・ポートがメインに選んだのは、トレック史上最も上り坂に強いと謳われる、Émondaのディスクブレーキモデルでした。ポートを始めとする総合系の選手はÉmondaのみの使用でしたが、スプリント系の選手はエアロロードのMadoneも使用していました。
ツールドフランス2020上位入賞選手のロードバイク④バーレーン・マクラーレン「ミケル・ランダ」編
バーレン・マクラーレンはミケル・ランダを含め個人総合ベスト20位に3人が名を連ね、チーム総合2位の結果を残しました。バーレン・マクラーレンに機材を提供する台湾メーカー「メリダ」の、ミケル・ランダが乗ったロードバイクを紹介します。
MERIDA(メリダ):SCULTURA TEAM-E
SCULTURAはメリダが誇る、セミエアロ形状のオールラウンドレースバイクです。ツールドフランス2020では市販品に装着されるディスククーラーを外したディスクブレーキモデルの採用が話題となりました。市販品もアマチュアライダーに最適化されたモデルは扱いやすく乗りやすいという評判で、人気のある機種です。
ツールドフランス2020上位入賞選手のロードバイク➄モビスター・チーム「エンリク・マス」編
エンリク・マスが個人総合5位となり、チーム総合優勝という素晴らしい結果を残したのがスペインの「モビスター・チーム」です。エンリク・マスが乗ったドイツメーカー「キャニオン」のロードバイクを紹介します。
CANYON(キャニオン):Ultimate CF SLX 9 Disc eTap
キャニオンでより注目を集めたのは、出場選手最年長のアレハンドロ・バルベルデが使用したAeroadですが、エンリク・マスは総合レースモデルの「Ultimate」のディスクブレーキモデルを選択しました。
http://colnagojapan.blogspot.com/2020/10/v3rsuaecolor.html