ロードバイクでロングライドを楽しもう
ロードバイクでもっと遠くへ
ママチャリやシティサイクルといった一般的な自転車とは違い、ロードバイクは速く遠くまで楽に走ることができます。ロードバイクを手に入れたなら、遠くまで走りにいこうと考えている人も多いでしょう。
ロングライドのポイントを押さえよう
しかし念願のロードバイクを購入してロングライドに出掛けたときに、ライドが楽しくなるか、ただつらかったり体や脚に痛みが生じたりするだけになるかは、しっかりとロングライドのポイントを押さえているか否かによって決まります。ここでは、ロードバイクでのロングライドを楽しむためのポイントを紹介していきましょう。
ロードバイクでのロングライドのコツ
ロードバイクでロングライドを行うには、いくつかのポイントがあります。それらは特に難しいものではなく、どちらかというと「コツ」といった類のものです。そのコツは、いくつかの項目別に分けることができます。
コツ①ルート作成
初心者の目標は100km
ロングライドとひとことで言っても、走る距離は人によってそれぞれです。1日に200km以上を軽く走る人もいれば、50kmがやっと…という人もいるでしょう。ロングライドは何キロ以上といった具体的な距離は決まっていませんが、初心者では100km以上をロングライドの目標に定めている人を多く見受けます。
100km、楽しく走れますか
しかしいきなり100km走破を目指すのはおすすめしませんし、目標達成も難しいでしょう。もちろん絶対に不可能ではありませんが、完走してもつらいだけ、体や脚に痛みが残るだけなど楽しく走れたという実感はないかもしれません。どうせなら、楽しく走って完走後に爽快感を得たいものですよね。
徐々に距離を伸ばしていく
したがって、まずは30km程度を目標に定めて、次は50km、70km、100kmと徐々に目標距離を伸ばしていくといいでしょう。ロードバイクに乗っていると、体力がつくのはもちろん、筋肉やバランスなど体のさまざまな部分が車体になじんできてよりスムーズに走ることができるようになるので、体の各部の痛みも起こりにくくなるはずです。
坂道がポイント
ある程度の距離を走れるだけの体力がついたならその距離に応じたルートを作成しますが、ここで問題になるのが坂道です。ロードバイクは、軽量で多くのギアが装備されているなど、一般的な自転車より坂道が楽に走りやすいように作られています。
坂道は体力を消耗する
しかし、長い上り坂が続いたり傾斜がきつかったりすれば、足に掛かる負担は相当なものになります。特に初めてのロングライドとなると、坂道だけで体力を使い果たして、ルートの残りの距離を走ることができなくなってしまうかもしれません。また、翌日以降に脚に痛みが生じる恐れもあります。
ルート設定のポイント
ルート作成の際には自分が走り切れる距離に設定するのはもちろんですが、なるべく傾斜が少ない、坂道が短いといった道を選ぶことをおすすめします。また、交通量の少ないルートを選んだほうが安全ですし、横を自動車がビュンビュン走って怖い目をするといったストレスも減ります。
輪行という最終手段もアリ
さらにサイコンやスマホのルート案内をうまく活用して、道に迷うことのないようにしましょう。トラブルや体の痛み、体調不良などで完走できなかったときには輪行で帰れるように鉄道が近くを通っているルートに設定するというのもひとつの案です。
②ペース配分
スタミナ切れに注意
初心者のロングライドで最も多い失敗が、スタミナ切れです。体力を使い果たして目的地にたどり着けない、またはたどり着いたとしても疲れて切ってしまってせっかくのライドが楽しくなかったといったケースです。スタミナ切れはスタミナ不足が理由ですが、スタミナのない人でも注意点をしっかり守れば完走することは難しくありません。
ペース配分が重要
その注意点とは、ペース配分です。ペース配分を誤ると、十分スタミナのある人でも完走できない場合もあり得ます。初めてのロングライドやロードバイク初心者の場合、ペース配分の見当がつかないことが多いので要注意です。
頑張り過ぎない
特に注意しなければならないのが、ライド序盤と坂道です。ライド序盤は元気もありますし気分が盛り上がっていることもありついついオーバーペースになってしまうことも多いもの、また上り坂はガシガシと踏み込んで頑張り過ぎがちです。こういった行為は、後で体に大きな影響を与えることになります。
ペースは平均に
スタミナ切れを起こさないためには、ライドのペースを平均にすることが重要です。そのためには疲れない漕ぎ方をすること、具体的には①フロントギアはインナーを多用し軽めのギアでケイデンスを90bpm以上を保つ②なるべく呼吸が乱れないペースで走る③漕ぐのではなく回すペダリングを意識する、の3点に注意しましょう。
小まめな休憩を忘れずに
また、休憩も忘れてはいけません。ただし長時間の休憩は却って疲労感が増すので、1回の休憩は10~20分程度にして、その分20kmごとに休憩することをおすすめします。疲れたと感じる前に、体を休めることで疲れ具合がかなり少なくなるはずです。
③補給食をしっかり摂る
100km走ると3,000kcalを消費
自転車で100km走ると約3,000kcalが消費されるとされ、これは成人男性の1日の平均必要摂取カロリー2,000kcalを軽く超えています。つまり、ロングライドの際に普通に食事をしていては、まったくカロリーが不足してしまうことになります。
ハンガーノックに要注意
体の中でカロリーが不足するとハンガーノックという症状が生じ、急に体が動かなくなってしまいます。ハンガーノックになると自転車で走れないどころかふらついて立っていることもできなくなり、最悪の場合命に関わることもあります。
カロリー不足は補給食で
したがって、ロングライドの前にはしっかり食事を摂らなければいけません。しかしながら、1回の食事で3,000kcalすべてを採るのは大変です。そのため、ライドの途中に補給食を食べることで不足分のカロリーを補うのです。
カロリー摂取と休憩を組み合わせる
さらに、補給食を食べるときに合わせて休憩をとるようにしましょう。100km走る予定で20kmごとに休憩するのであれば休憩は4回になります。朝食に1,000kcal採るなら、1回の休憩で400kcalの補給食を採れば計1,600kcal、これにスポーツドリンクなどの飲み物のカロリーを加えれば合計3,000kcalを摂取できます。
自分に必要なカロリーを知ろう
おにぎり1個が約200kcalなので、1回の休憩でおにぎり2個とドリンクが適切なカロリー摂取の目安となります。ただし、性別や体重、年齢などにより必要摂取カロリー量は異なるので、自分に適した数値を計算しておくことも必要です。
④スケジュールに余裕を持つ
トラブルのリスクを考慮する
ロードバイクなら、5~6時間程度で100kmを走ることができます。しかし、途中でタイヤがパンクしたり、道に迷ったりといったトラブルが起こらないとも限りません。タイトなスケジュールを組んでしまうと時間に縛られて気持ちの余裕がなくなり、事故につながるかもしれません。
明るいうちに帰ろう
また、夏に比べて冬は日が暮れるのが早く、5時を過ぎると暗くなってしまいます。はじめてのロングライドや慣れないうちは、なるべく明るいうちに目的地に着いたり帰宅できるようにスケジュールを立てることをおすすめします。
⑤走る以外の楽しみもプラスする
ロードバイクで走るのは楽しいことですが、ただ長い距離を黙々と走るだけでは気分もだれてしまいがちです。ルート内でちょっとした観光やグルメなどを設定しておくと、モチベーションがアップしてより楽しくライドできますよ。