固定ローラーの特徴
固定ローラーを使う上でのメリットやデメリットなどはどのようなものがあるのでしょうか? 固定ローラーでトレーニングを行ったときの効果だけでなく、固定ローラーを使ったことで起きる弊害なども解説します。
特徴① 環境に左右されずに練習に集中できる
固定ローラーはローラー台とロードバイクが固定されているので、車体を強引に左右に揺らしたりしない限りは転倒することはありません。そのためどんなにつらい状況でもペダルを踏みこむことだけに集中できます。バランスを取ることを気にせずに練習に没頭できることは固定ローラーの大きなメリットです。
特徴② インターバルトレーニングに最適
固定ローラーはつらいときにもペダルを踏みこむことだけに集中すればいいので、インターバルトレーニングにも適しています。また、屋外とは違って信号などで立ち止まる必要もないため、決められた時間でインターバルトレーニングできます。固定ローラーは大きな負荷も加えられるので、自分のパワーがその負荷を上回る心配もありません。
特徴③ フォームが崩れやすい
固定された状態でトレーニングするのは、大きなメリットではありますが、ペダリングやフォームのことを考慮するとデメリットもあります。固定された状態で力任せにペダリングしていると、フォームがめちゃくちゃな状態でトレーニングを行ってしまう場合もあります。そのことを念頭に置いてトレーニングしないと、パワーが上がってきてもペダリングの効率が悪くなってしまうなど、実走では速く走れないので注意しましょう。
特徴④ タイヤが消耗する
タイヤドライブ式の固定ローラーはタイヤに負荷を加えるので、ローラー台とタイヤとの間で大きな摩擦が生じます。その状態で長時間トレーニングしていると、タイヤが焦げてしまって次第にタイヤがすり減ってしまいます。ローラー専用のタイヤを使用すると、タイヤのすり減りが少なくなり、騒音も小さくなります。
特徴⑤カーボンフレームへのダメージがある
固定ローラーはロードバイクのフレームに直接固定して使うものなため、ローラー台の横方向への動きがフレーム自体にも伝わりやすくなります。また、その力は逃げ場がないため、フレームにダメージを与える場合があります。特にカーボンフレームのロードバイクで、固定ローラーを使うときは無理なペダリングやダンシングは避けましょう。
固定ローラーの種類
固定ローラーは運動時の負荷量の加え方などでさらに数種類に分けることができます。次は、それぞれの固定ローラーの特徴を解説していきます。
固定ローラー①タイヤドライブ式
タイヤドライブ式の固定ローラーは、ローラー台がタイヤと接する形式になっています。そのため、固定ローラーからの負荷はタイヤから伝わるようになっています。最もポピュラーな固定ローラーで、市販されている商品のラインナップも多いので、ローラー台の選択肢が大きいのも特徴です。
固定ローラー②リムドライブ式
タイヤドライブ式はタイヤがローラー台と接して、負荷がタイヤを介して伝わるようになっていましたが、リムドライブ式はリムがローラー台に接しています。そのため、リムを介してローラー台からの負荷が伝わります。タイヤがすり減ったりすることがないのが特徴です。しかし、商品のラインナップは少ないので選択肢もかなり少ないです。
固定ローラー③ ダイレクトドライブ式
最後に紹介するのはダイレクトドライブ式です。タイヤドライブ式などはリアホイールを取り付けたままローラー台に設置しますが、ダイレクトドライブ式は、ローラー台にスプロケットが取り付けられているので、リアホイールを外して、そのままローラー台のスプロケットに合わせて設置します。静粛性に優れるので最近各メーカーが、さまざまなモデルを販売しています。
スマートトレーナーとは?
ダイレクトドライブ式の固定ローラーの中で、自動負荷調整などの機能を持ったローラー台をスマートトレーナーといいます。Zwiftなどのバーチャルライドのアプリと連動して、仮想空間の坂の斜度に合わせて負荷量が変化するようになっています。実走感も高いので非常に人気ですが、他のローラー台と比べると一番高価です。
三本ローラーの特徴
次は三本ローラーの特徴についての紹介をします。三本ローラーは固定ローラーとは構造などが全く違うため、固定ローラーにはないメリットやデメリットがあります。どのような選び方が最適なのか知るためにも、三本ローラーの特徴についても触れていきましょう。
特徴① バランス感覚が身につく
三本ローラーを使用してトレーニングを行っていく上で最大のメリットは、バランス感覚が身につくということです。三本ローラー上でロードバイクに乗ることは、想像以上に難しいです。不安定な環境でペダリングを練習することで、実走のときには養いきれないバランス感覚の向上が期待できます。最初のうちは、ふらつかずに走るだけでも一苦労するでしょう。
特徴② 実走の感覚に近い
二つ目の特徴は、三本ローラー上でロードバイクを乗ると、実走に近い感覚で走ることが可能です。回転するローラー上を走っているので、完全に実走と同じというわけではないですが、固定ローラーと比べると明らかに実走に近い感覚で走行できます。実走の感覚に近いので、そういった楽しみ方も味わいながらトレーニングが行えます。
特徴③ 騒音が大きい
三本ローラーは3つのローラーが高速で回転しています。その回転速度は固定ローラーよりも速いです。そのため、三本ローラーを使用していると騒音や振動が発生します。固定ローラーでも騒音や振動は発生しますが、三本ローラーはそれ以上です。騒音や振動は高速で走行すればするほど大きくなってしまいます。
特徴④ 追い込みきれない
三本ローラーは回転するローラーの上を走行するもので、基本的には大きな負荷をかけることはできません。そのため、固定ローラーのように自分の限界まで追い込むようなトレーニングは難しいでしょう。負荷装置が付属している三本ローラーもありますが、それでも固定ローラーの負荷には及びません。また、追い込もうとするとその分騒音や振動も大きくなってしまいます。
特徴⑤ 転ぶこともある
バランス感覚を身につけることができるのが三本ローラーですが、言い換えると不安定なため、転倒してしまうこともあります。特に初心者の方は集中していないと転倒してしまう事こともあるでしょう。それだけ、三本ローラー上でのトレーニングはバランスが必要です。慣れるまでは常に集中しながらトレーニングしましょう。
次は、ローラー台の選び方や練習方法などを紹介!