はじめに
自転車競技にはロードバイクやマウンテンバイクなどが非常に有名ですが、自転車競技の中には「シクロクロス」といわれるものもあります。近年日本でも非常に人気があるシクロクロスですが、具体的にはどのような競技でどのような魅力があるのでしょうか?シクロクロスについての解説をしていきます。
シクロクロスとは
まずそもそもシクロクロスとはどのような自転車競技なのでしょうか?シクロクロスが始まった経緯など、シクロクロスについての概要を紹介していきます。
ベルギーで発祥した自転車競技
シクロクロスではオフロードをロードバイクのような自転車で走行します。そのようなシクロクロスは、自転車競技が活発に行われている国の一つの、ベルギーで始まったといわれています。ベルギーで取り組まれるようになったものが、自転車競技に発展して、ヨーロッパの各国に広まったといわれています。
冬のトレーニングとして始まった
シクロクロスはそもそも、冬の期間のトレーニングとして取り組まれていたといわれています。ベルギーの冬は気温が低いだけでなく、雨や雪など非常に厳しい天候になってしまいます。もちろんそのような環境では、十分に自転車のトレーニングを行う事は難しくなります。そこで、悪路を使用して走行するシクロクロスが始まりました。当時はプロ選手のトレーニングとしても行われていたようです。
現在もヨーロッパでは大人気
ベルギーで発祥してヨーロッパ各国に広がった自転車競技ですが、現在でもヨーロッパを中心に非常に人気があるものになっています。ヨーロッパだけでなく、アメリカやアジアでも人気がでてきています。オリンピック競技ではありませんが、シクロクロスの世界選手権もヨーロッパで毎年開催されています。
シクロクロスの特徴
今ではヨーロッパだけでなく、世界中で人気があるシクロクロスですが、シクロクロスはどのような特徴がある競技なのでしょうか?具体的な競技内容も紹介しながら、シクロクロスの特徴を解説します。
シクロクロスの特徴①さまざまなところを走る
シクロクロスはさまざまな場所を走行する自転車競技です。アスファルトや土の上はもちろんのことですが、その他にも、泥や砂など普段では走行することがない場所でも走行します。シクロクロスのシーズンは冬なので、時には雪の中を走行することもあります。そのような幅広い環境で走行することになるため、シクロクロスでは広い対応力も求められます。
シクロクロスの特徴②周回コースで行われる
ロードバイクでのレースはスタートとゴールが違う事も珍しくありませんが、シクロクロスは短いコースを作成して、そのコースを周回して走行します。同じコースを走行しますが、そのときによって、路面の状況が変化するため、その都度違った走り方が必要になります。また、周回コースであると、観客はずっと同じ場所でみれるため、観戦が非常にしやすいです。
シクロクロスの特徴③競技時間で周回数が決まる
シクロクロスのレースで最も特徴的なのが、周回数の決め方です。シクロクロスはスタートするときには、周回数が決められていません。シクロクロスでは競技時間を目安にしています。エリートクラスでは1時間が競技時間で設定されており、1~2周周回したときのタイムで、1時間になる目安の周回数で最終的な周回数が決められます。そのため、周回数の公表はレース途中となります。
シクロクロスの特徴④自転車を担ぐ
シクロクロスでは泥などを走りますが、ときには、泥や砂が深くて乗れないときもあります。そのようなときには、一度降りて自転車を押したり、担いだりして走ります。ほかの自転車競技ではこのように自転車を降りて走ることはないため、非常に独特です。コースには階段などもあるため、そこでも担いで走る必要があります。
次のページでは、シクロクロスの魅力や、通常のロードバイクとの違いをご紹介します。