東京オリンピック自転車競技③ロードレース
自転車競技といえば、ロードバイク。ロードバイクの競技であるロードレースの日程は、オリンピック開催当日からスタートします。ロードバイクの種目としては、街中と山中を走るコースで、長距離と中距離の2種目があります。比較的長距離であり、さまざまな場所を走るため、途中の風景の美しさやレース中の駆け引き、山岳賞、ゴール前のスプリントなど見どころがたっぷりです。
男女別ロードレース
日程 | ・男子 7月25日11:00〜18:15 ・女子 7月26日13:00〜17:35 |
会場 | 東京、神奈川、山梨、静岡 |
ロードレースの日程は、男子は、オリンピック開催日で、女子は2日目に開催予定です。東京オリンピックの自転車競技の中では、ロードレースは注目すべき競技になっています。ロードレースの競技前には、パレード走行があり、ゆっくり走ってくれるので、見どころです。パレードコースは、武蔵野森公園から東八道路、けやき並木北での見学がおすすめです。
ロードレースのコース
武蔵野森公園からスタートし、稲城市、多摩市、八王子市を通って神奈川県へ向かいます。相模原市、山北町を通り、山梨県では山岳区間「道志みち」に入り、静岡県に向かいます。山中湖の西側から、富士山スカイラインへ入り、標高1,451mの「富士山麓」山岳ポイントに登ります。それから富士スピードウェイを2周し、三国峠を登ります。そして、山中湖の東側から籠坂峠を降り、富士スピードウェイでゴールです。女子は富士山麓と三国峠のヒルクライムを除いたコースです。
タイムトライアル
日程 | 7月29日11:30〜17:20 |
会場 | 静岡 |
タイムトライアルは、TTとも呼ばれ、タイムトライアルに使われるものは、エアロダイナミクスに特化したヘルメットや自転車となっています。タイムトライアルのコースは、富士スピードウェイをスタート地点として、22.1kmの周回コースになっており、ゴールまでの速さを競います。男子はこのコースを2周、女子は1周します。最大高低差は221mで、アップダウンの大きいコースです。エアロダイナミクスに興味のある人は、ぜひタイムトライアルの競技をみて見てください。
東京オリンピック自転車競技④トラック
日程 | 8月3日〜8月8日 15:30〜19:00、8月9日10:00〜12:30 |
会場 | 伊豆ベロドーム(静岡) |
トラック競技は、1周250mで、45度の角度がつけられているバンクと呼ばれるトラックで行われます。角度がつけられていることで、スピードを落とさずにカーブができるので、すごいスピードが出ます。トラックレーサー(ピストバイク)という専用の自転車が使用され、左回りに周回します。賭け事の競輪と似たような会場です。
スプリント
トラック競技のスプリントは、2人ずつ行われるタイムを競うレースです。アタックと呼ばれるラストスパートをいつかけるのかの駆け引きも見どころですし、爆発的なスプリントも見逃せません。
チームスプリント
チームスプリントもあり、男子が1チーム3人、女子が1チーム2人で構成されます。一人当たりの空気抵抗を減らすために、順番に先頭を交代していくエアロダイナミクスを考えたレース展開が見どころです。チームスプリントでは、最後にゴールした人のタイムがゴールタイムになります。
チームパシュート
チームパシュートは、4人1組が対面して逆方向に向かってスタートする、一風変わった4kmのチーム戦のレースです。スピードスケートにもパシュートと呼ばれる競技があり、ルールの概要はほとんど同じです。チームパシュートでは、相手を追い抜かすか、タイムで勝った方が勝者です。空気抵抗から味方を守ろうとする姿勢もチームパシュートならではの見所です。
ケイリン(競輪)
日程 | 8月8、9日 15:30 |
会場 | 伊豆ベロドーム(静岡) |
東京オリンピック2020では、競輪は、ケイリンとカタカナ表記されています。ケイリンは、日本で始まったスポーツなので、トラック競技だけでなく、自転車競技の中でも注目の競技種目です。ケイリンのルールとしては、7人以下の選手がトラックを8周回り、レースの序盤では、風除けの先導車があり、段階的にスピードを上げていきます。選手たちは、先導車の後ろで、激しいポジション争いをするのですが、それがケイリンの見どころです。競輪好きには見逃せない競技です。
ケイリンと競輪の違い
競輪は競馬と同様公営ギャンブルという意味合いが強く、単純なスポーツとしてはケイリンとカタカナ表記して区別しています。競輪では、バンクがコンクリートでできており、1周も333m〜500mと幅がありますが、ケイリンでは板張りになっている上、1周も250mに決められています。また、カーブの傾斜は、競輪では約30度ですが、ケイリンでは約45度です。戦い方も異なり、競輪では空気抵抗を抑える隊列を同じ地方支部に所属する選手たちが組んで協力しあうライン戦法ですが、ケイリンでは、チームはないので、個人同士の心理戦や位置取りを楽しむことができます。
マディソン
2人1組でチームを組み、男子は50km、女子は30kmでレースを行うチーム戦で。2人が交代しながら、途中に設定されたポイント周回で、ポイントを重ね最終的に多くのポイントを稼いだチームが勝利です。
オムニアム
オムニアムスクラッチレース、オムニアムテンポレース、オムニアムエリミネーションレース、オムニアムポイントレースの4つのレースが1日で開催され、各レースの合計ポイントにより順位を競います。一人の選手が、短距離から持久系の種目までこなす必要があります。
オムニアムスクラッチレース
スクラッチレースは、トラックで男子15km、女子10kmの距離を時速50kmを超えるスピードで走り、タイムを競う競技です。オムニアムの種目の中で、最初に行われる競技です。とにかく早いものが勝つというシンプルなルールで、「バンクのロードレース」と呼ばれることもあるほどです。
オムニアムエリミネーションレース
エリミネーションレースは、1周助走し、スピードが乗った状態からスタートするレースです。スタート時は、最大24名ですが、2周ごとに最後尾の選手が1名ずつ脱落していくので、最初から凄まじいレース展開を見ることができます。集団の中での位置どりによっても順位が左右されるので、見ていてとても面白い競技です。
オムニアムポイントレース
ポイントレースは、男子25km、女子20kmで競います。10周するごとに、その周時点での順位によって、ポイントを獲得することができます。1周回って、主集団に追いした選手は、20点が獲得できます。この獲得したポイントによって順位が決定されます。獲得ポイント数が同点の場合には、ゴール時の着順で、順位が決められます。最終的に1着でゴールしたからといって、勝てるわけではないところが、このレースの面白いポイントです。
オムニアムテンポレース
テンポレースは、男子10km、女子7.5kmのレースです。テンポレースもオムニアムポイントレースと同様ポイントを獲得していくレースなのですが、テンポレースの場合、ポイントが加算されるのは、5周目以降です。5周目から、1周するごとに、トップ通過の選手に1点が与えられます。また、1周回って主集団に追いた選手には、20点が与えられます。最終順位は、獲得ポイント数で決められます。