エスケープR3（ジャイアント）はどんなクロスバイク？特徴・魅力を紹介

エスケープ（Escape）R3は、自転車大国台湾の自転車メーカージャイアントのクロスバイクです。ジャイアントではさまざまなスポーツバイクを販売していますが、販売数において世界でNo.1のシェアを誇ります。そんな中、エスケープR3は、日本で最も売れているクロスバイクとして続く人気の長さは特筆ものです。実際に、街中で見掛ける機会も多いでしょう。

エスケープR3が人気なのは、ラインナップの広さも理由のひとつでしょう。ノーマルのエスケープR3に加えて、「Liv」ブランドで展開する女性向けモデルのエスケープR3 W、油圧ディスクブレーキモデルのエスケープR Disc、さらにエスケープR3のハンドルをドロップ仕様にしたエスケープR Dropがあります。それぞれのモデルのスペックを紹介しましょう。

フレームの軽さは走りに大きな影響を与えます。エスケープR3のフレームは非常に軽いアルミ製で、走りはもちろん、快適性を求めたチューブ形状になっています。

シートステイは、細径で弓なりにベントしています。これは路面からの不快な振動を軽減し、快適な乗り味を実現するための技術です。

操作性と信頼性に優れる「世界のシマノ」がメインコンポーネントに採用されています。はじめてスポーツバイクに乗るビギナーにも違和感なく、快適な操作性を提供してくれます。

通勤や通学など日常使いとして需要の高いクロスバイクには耐久性が求められるため、前輪24本、後輪28本のスポークを採用しています。それでいながら前後で1970gのオリジナルホイールの重量は、ハイスペックなスポーツバイクと比較すると重いですが必要十分でしょう。もちろん使い勝手のいいクイックリリースです。

握りやすさと快適性を両立させたオリジナル軽量ハンドルグリップや、前輪固定用により高い安全性を実現するスキュアーノットがオプションで選択することができます。

40～50km程度の距離のライドなら十分楽しめますし、通勤や通学、気軽な街乗りもこなせる「ハイブリッド」な自転車がクロスバイクです。また、エクササイズとして自転車に乗る人も少なくありませんが、エスケープR3はそういった幅広い目的の実現を見事にかなえてくれます。

ハンドルはフラットバー、乗車ポジションは多少前傾姿勢なジオメトリーとなっています。ロードバイクとクロスバイクはフレームなど細部の長さが異なり、はじめてロードバイクに乗るとかなり違和感を得る人も少なくありません。

しかし、クロスバイクはそれほど極端ではないので、ママチャリから乗り換えてもさほど違和感を得ず、リラックスして乗ることができるでしょう。タイヤのサイズも700cと少し大きめのママチャリの27インチとあまり変わらない大きさなので、乗り換えても違和感なくすぐに乗ることができます。

フレーム素材はジャイアント独自の軽量アルミニウム「ALUXX」を使用しているので、軽快な走りが体感できます。フロントフォークはクロモリです。フォーク素材に振動吸収性を求めてカーボンを採用するクロスバイクもありますが、カーボンはどうしても価格が高くなりがち、エスケープR3はクロモリを使用することで価格を抑えながら振動吸収性も実現させているのです。

走りを左右するコンポーネントは、メインパーツに「世界のシマノ」を採用しているので、変速性能や操作性に優れています。すべてのパーツをシマノ製で揃えることも可能ですがそうなるとやはり価格がアップしがち、エスケープR3は普段使いにぴったり、時にはちょっとスポーティーに走るといったリクエストに応える、価格と性能のバランスのいいクロスバイクなのです。

エスケープR3は、一般的なモデルから女性用モデル、ディスクブレーキモデル、ドロップハンドルモデルまで幅広くラインナップされています。ロードバイクではいくつかの自転車メーカーが女性用モデルをラインアップしていることもありますが、クロスバイクで女性用モデルを提供しているのは非常にまれです。

ディスクブレーキの採用は近年増えてきていますが、エスケープR3はその先駆けともいえます。また、エスケープR3でもっとスポーティに走りたいというオーナーが自分でドロップハンドルにカスタムするケースも少なくなかったのですが「それなら」とメーカーが、その意向に応えてドロップハンドルモデルを発表したのは画期的なことといえるでしょう。

エスケープR3のカラーランナップは、レッドオレンジ、ブラックトーン、ブルー、サンバーストイエロー、ホワイトの5色です。クロスバイクはホワイトが人気色ですが、しっかり押さえてあります。きっとお気に入りのカラーを選ぶことができるはずです。

ほとんどのブランドのクロスバイクで1色か2色、多くても3色までのカラーラインナップなのに対してエスケープR3の5色展開は非常に珍しく、購入する人の立場を考えているといえるのはうれしい限りです。

通勤や通学など日常の足として使用するなら、雨の日に備えてフェンダーは必要ですし、荷物を持ち運びするためにリアキャリアも欲しいところです。エスケープR3はそれらの取り付けができるようにダボ穴を備えていますし、オプションの取り扱いもあります。

日本で最も売れているクロスバイクとされるエスケープR3。これだけの装備やスペックを持ちながら、基本モデルなら50,000円ちょっとで手に入る高コスパは人気があって当然といえるでしょう。スポーツバイクのエントリーとして最適ですし、さらに走りを求める人には、エスケープRX3という1ランク上級モデルもおすすめです。