ディスクブレーキのクロスバイクが台頭
ディスクブレーキモデルが次々と
ディスクブレーキの自転車というと、スピードの出る高性能なロードバイクやぬかるみを走るマウンテンバイクといったイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。しかし、近年になってクロスバイクでもディスクブレーキを搭載したモデルが、メーカーから次々と発表されています。
ロードバイクのディスクブレーキ化の波
ディスクブレーキ化の波はスポーツバイクの世界に押し寄せていて、ディスクブレーキを搭載したロードバイクの割合が年々増しています。日本でも人気のトレックではロードバイクの主要モデルにおいてリムブレーキ仕様車の開発は中止、販売も終了しました。
クロスバイクもディスク化へ
他メーカーもトレックに追随するかは不明ですが、ロードバイクの傾向として今後はディスクブレーキモデルがメインとなっていくのは間違いないでしょう。そして、こういった動きはクロスバイクにも波及しています。まだまだ主流はVブレーキモデルですが、ディスクブレーキ搭載モデルが増え、選択肢が一気に広がっています。
クロスバイクにディスクブレーキがおすすめな理由
ディスクブレーキを搭載したクロスバイクが増えている現状に「でも、クロスバイクにディスクブレーキなんて必要なの?」と疑問を感じている人もいるかもしれません。しかし、クロスバイクだからこそメリットの恩恵が大きく、ディスクブレーキがおすすめなのです。その理由を紹介しましょう。
メリット①雨でもブレーキが効きやすい
ブレーキの制動の仕組み
リムブレーキは車輪の外側をブレーキシューで挟んで制動しますが、ディスクブレーキはホイールの中心にあるディスクローターという円盤上の板を金属や樹脂製のパッドで挟んで止める仕組みです。
雨の影響
リムブレーキは地面に近い部分にホイールがあるので、雨の日は地面からの雨水の影響を受けブレーキシューの効きが悪くなりがちです。一方、ディスクブレーキはホイールの中心で制動するので雨の影響を受けにくく、リムブレーキと比べて、雨の日の制動力が段違いに優れています。
通勤・通学で安心
通勤や通学でクロスバイクに乗っていれば、晴れの日だけに乗るというわけにはいきませんよね。また、帰宅の途中で雨に降られることもあるでしょう。通勤や通学の足として使用している人の多いクロスバイクにおいて、雨の日のブレーキの効きのよさは非常に大きな安心感を与えてくれます。
メリット②軽い力でも高い制動力
街乗りのブレーキングは頻繁
クロスバイクは、通勤や通学、またポタリングなど街乗りがメインとして利用されていることが多いです。街乗りメインであれば、信号で止まる機会が増えますし、人や車との接触を避けなければなりません。そのためにはブレーキをかける回数が多くなりますが、何度もブレーキをかけるというのは、力のない人や女性にとって腕や指への結構な負担となります。
小さな力で大きな安心
ディスクブレーキ、特に油圧式なら小さい力でもしっかりとブレーキが効き、指1、2本でブレーキレバーを握るだけで止まることができます。街乗りでも、長距離をサイクリングしても、ブレーキングで腕や指が痛くなるということは少なくなるはずです。
メリット③ブレーキ調整などのメンテナンス頻度が少なくて済む
メンテナンスが減らせる
リムブレーキでは、ブレーキ調整などを行わなければならない機会が少なくありません。ディスクブレーキなら、油圧式の場合は基本的に年に1度オイル交換を行うくらいのメンテナンスでOKですし、ブレーキワイヤーが存在しないので切れたり腐食・サビの心配も不要です。
街乗り用途でメンテナンスは面倒
ブレーキパッドの消耗がリムブレーキより遅いこともメリットです。通勤や通学で毎日乗る機会の多いクロスバイクにおいて、メンテナンスの頻度が少なくて済むのは非常に助かります。また、ブレーキングでリムを傷めることもありません。
ディスクブレーキのクロスバイクのデメリット
デメリットも認識しよう
おすすめする点の多いディスクブレーキモデルのクロスバイクですが、残念ながらメリットばかりではありません。リムブレーキよりパーツが増えたことや制動力に対応するための強度アップによる重量の増加や価格の値上がり、輪行時の手間(特に油圧式)などがデメリットとして挙げられます。
デメリットは安心と引き換え
しかし、重量が増えたといってもモデルによりますが数百グラム程度です。通勤・通学や街乗りで乗るのであれば、大きな影響はないでしょう。価格の値上がりも数千円ほどなので、その金額でブレーキ時の安心が手に入ると思えば安いものです。
デメリットよりメリットが大きい
また、ロードバイクと比べてクロスバイクで輪行に出掛ける機会はさほど多くはないでしょう。つまり、ディスクブレーキモデルのクロスバイクでデメリットを被るよりメリットの恩恵を受けるケースのほうが断然大きいといえるのです。
ディスクブレーキモデルのクロスバイクおすすめ5選
おすすめ①TREK FX2 Disc
日本でもロードバイクが人気のアメリカンブランド「トレック」のクロスバイクです。軽量アルミフレームにアルミフォークのボディはスタイリッシュさがウリです。もちろん走りも通勤・通学から週末のライドまでをこなす万能バイクです。一つ下のグレードのFX1は価格が10,000円ほど安いのですが、ブレーキが機械式なのでFX2を買うほうがおすすめです。
TREK FX2 Discのスペック
- Fディレイラー:シマノ製ターニー
Rディレイラー:シマノ製アセラ - ペダル:ボントレガー
- ブレーキ:テクトロ製油圧ディスク
- 価格:66,000円(税抜)
おすすめ②GIANTE SCAPE R DISC
自転車大国台湾の世界最大シェアを誇る有名ブランド「ジャイアント」のディスクブレーキ仕様のクロスバイクが、エスケープR DISCです。日本で最も売れているクロスバイクといわれるエスケープRにもディスクブレーキが採用されました。ジャイアントはコスパの高さが特徴的ですが、このモデルもその例にもれません。
ESCAPE R DISCのスペック
- フレーム/フォーク:アルミ
- Fディレイラー:シマノ製ターニー
Rディレイラー:シマノ製アルタス - ブレーキ:テクトロ製油圧ディスク
- 価格:61,000円(税抜)
おすすめ③GIOS MISTRAL DISC HYDRAULIC
ジャイアントのエスケープRと並んで人気の高いイタリアンクロスバイク「ジオス」のミストラルは、ほとんどのコンポーネントに信頼性の高いシマノ製を採用していることで多くの支持を集めています。それはディスクブレーキモデルになっても変わっていません。ホイールはシマノ製とアレックスリム製から選択でき、アレックスリム製なら60,000円を切るという価格は非常にお買い得です。
MISTRAL DISC HYDRAULCのスペック
- フレーム:アルミ/フォーク:クロモリ
- Fディレイラー:シマノ製ターニー
Rディレイラー:シマノ製アルタス - ブレーキ:シマノ製油圧ディスク
- 価格:66,000円(税抜)/シマノ製ホイール
59,000円(税抜)/アレックスリム製ホイール
おすすめ④LOUISGARNEAUSETTER9.0DISC
カジュアルなデザインが人気のカナダのブランド「ルイガノ」の油圧ディスクブレーキ搭載モデルです。ルイガノの自転車はおしゃれなことから特に多くの女性からの支持を得ていることもあり、サイズが身長150~195cmまで対応しているのはうれしい点です。スタイルだけでなくすべてのコンポーネントをシマノ製で統一するなど、性能にもこだわった1台です。
SETTER9.0DISCのスペック
- フレーム/フォーク:アルミ
- Fディレイラー:シマノ製ターニー
Rディレイラー:シマノ製アルタス - タイヤ:KENDA製700×28C
- 価格:63,000円(税抜)
おすすめ⑤Bianchi C・Sport 2
世界最古の自転車メーカーとしてチェレステカラーが人気のイタリアンブランド「ビアンキ」のクロスバイクです。35Cの太めのタイヤは、街乗りや通勤・通学でも快適な乗り心地が期待できます。週末のライドも十分こなしますが、もっとスポーティに走りたいのであれば上級モデルのROMAシリーズがおすすめです。
CSport2のスペック
- フレーム/フォーク:アルミ
- Fディレイラー:シマノ製ターニー
Rディレイラー:シマノ製アセラ - ブレーキ:シマノ製油圧ディスク
- 価格:69,800円(税抜)
まとめ
日常の足としても使用されているクロスバイクだからこそ、安心感というものは非常に大切です。そして、リムブレーキに比べて特に雨の日の制動力に優れているディスクブレーキはその安心感を与えてくれます。メーカーも次々とディスクブレーキモデルを投入しています。今後クロスバイクの購入を考えるなら、ディスクブレーキモデルを検討してみることもおすすめします。
https://www.giant.co.jp/giant20/showcase/crossbike/