クロスバイクのタイヤとは
タイヤは自転車のパーツの中で唯一地面と接していますので、サイズ、太さ(幅)、種類などによってスピードや乗り心地が大きく変化します。そのため、路面の状況や走行距離などに合わせて、自転車の種類によっても特徴が異なってきます。また、耐久性やグリップ力、パンクしにくいなど、個々のタイヤ独自の特徴もあります。
クロスバイクはロードバイクとMTBのいいとこ取り!
クロスバイクはMTBの要素を残しつつ、舗装路をスピード走行で快適に走る自転車というコンセプトで誕生しています。そのため、MTBのように頑丈なフレーム、車体を安定させるためにアップライドな姿勢で運転できるジオメトリ、フラットバーハンドルが採用されます。一方タイヤは舗装路に対応するために、大きさはロードバイクのサイズである700c、太さ(幅)は25c(25mm)~38c程度、溝の無い、または溝が浅いタイヤが採用されています。
クロスバイクタイヤのサイズ
サイズはタイヤの直径(大きさ)のことですが、これはホイールと大きさが合っていなければ取り付けられませんので、まずはホイールのサイズを確認してください。クロスバイクは近年どちらかというとロードバイク寄りの種類が増えていることもあり、タイヤ、ホイールも多くの機種がロードバイクと同じ「700c」という規格になっています。
クロスバイクタイヤの太さ(幅)
太さの主流は28c、32c
タイヤの太さには制限があるものの、選択できる幅はかなり広めです。700cサイズでもロードバイクの主流である細い25c(25mm)から、ママチャリ並みの太さである38c(38mm)程度まで選択することが可能です。クロスバイクに最初から装備されていることが多いのは28c、32cで、安定感とスピードのバランスが取れた、クロスバイクらしいサイズになります。
タイヤの太さによる特徴
タイヤは太さによって走行性や乗り心地が大きく変わりますので、ここでは太いタイヤ、細いタイヤに分けて特徴を解説します。
細いタイヤはスピード走行向き!
細いタイヤは高圧で空気を入れる必要がありますので、タイヤが硬くなりよく転がるようになるため、加速が付きやすくスピードが出ます。しかし、タイヤ内の空気量が少なくクッション性が低いため、乗り心地が悪くなります。クロスバイクで細い部類に入るのは25cで、これはロードバイクの主流サイズになります。
太いタイヤは安定感がある!
簡単に言ってしまえば、タイヤの細い太いはトレードオフの関係なので、太いタイヤは細いタイヤの反対の特徴が際立つということです。太いタイヤは中に入る空気量が多くなり、クッション性が出て衝撃を吸収しやすくなるため、乗り心地がよくなります。また、地面との接地面積が広くなるため、車体を安定させて走れるようになります。しかし、タイヤが柔らかいために変形しやすく、転がる際にロスが生じるので、細いタイヤに比べスピード面で劣ります。
クロスバイクタイヤの選び方
タイヤはクロスバイクに乗る用途、目的によって最適な種類がありますので、ここでは用途別にクロスバイクのタイヤの選び方を解説します。
【用途別】クロスバイクタイヤの選び方①通勤
自転車通勤者が増えている!
現在のご時世では通勤時の密を避けるために、自転車通勤をする人が増えています。新たに自転車を購入する人も多く、通勤はある程度長い距離を乗るため、手ごろな価格で走行性能が高いクロスバイクが選ばれやすくなっています。
通勤の大敵はパンク!
通勤では修理に時間を取られ遅刻するわけにはいきませんので、パンクは避けたいところです。そのため、パンクしにくいタイヤが求められますし、毎日のことですので耐久性も重要です。また、通勤は雨の日でもしなければなりませんが、雨の日も自転車通勤をするということならば、路面が濡れていても滑りにくいグリップ力の強さも必要です。
【用途別】クロスバイクタイヤの選び方②普段使い・街乗り
普段の買い物やちょっとした用事で街乗りをする場合は、スピードよりも安定感を重視する必要があります。また、効率よく乗るためには道を選ばないタフさが必要です。そういったことから街乗りには安定感のある32c~38cの太めのサイズがおすすめですし、耐久性やパンクしにくい特徴を持った堅牢な種類のタイヤが向いています。
【用途別】クロスバイクタイヤの選び方③サイクリング・ツーリング
趣味として少し長めの距離を走る場合は、軽量でグリップ力があり、よく転がるタイヤが理想的です。そういった特徴を持ったタイヤはロードバイク用に多く、太さも25cや28cなどクロスバイクとしては細い方が向いています。また、長距離になりますので、乗り心地やパンクしにくい特徴を重視して「チューブレスタイヤ」を選択する手もあります。ただし、それには専用のホイールが必要ですので、同時にカスタムする必要があります。
おすすめのクロスバイクタイヤ【オールマイティ】4選
クロスバイクに乗る用途は1つとは限りませんし、通勤からツーリングまで幅広い用途に対応するのがクロスバイクのよいところです。そこでまずはオールマイティな特徴のあるおすすめタイヤを4種類紹介します。
おすすめのクロスバイクタイヤ【オールマイティ】①Panaracer(パナレーサー):パセラブラックス
Panaracer パセラ ブラックス
参考価格: 2,445円
パセラブラックスは、日本が世界に誇る自転車パーツメーカー「パナレーサー」の人気タイヤです。通勤からツーリングまでそつなくこなすというオールマイティさが人気の秘訣です。こちらは700×28cですが、700c規格であれば太さの種類は38cまでありますし、26、27インチサイズも用意されています。
おすすめのクロスバイクタイヤ【オールマイティ】②ブリヂストンアンカー:DISTANZA
ブリヂストン アンカー DISTANZA (ディスタンザ)
参考価格: 2,418円
ディスタンザは表面ゴムのセンター部分は溝の無いスリックパターンですが、ショルダー部分にかけて溝が切ってあり、転がりと水はけのよさのバランスが取れたオールマイティタイプのタイヤです。サイズは700c、太さは25c、28c、32cが用意されています。
おすすめのクロスバイクタイヤ【オールマイティ】③Continental(コンチネンタル):グランプリ5000
コンチネンタル グランプリ5000
参考価格: 6,980円
コンチネンタルグランプリ5000は、ロードバイクタイヤの人気ランキングで常に上位の高性能タイヤです。コンチネンタルは耐久性、耐パンク性では「王様」という異名もあるほどの頑丈さが有名なメーカーですが、こちらは転がりの軽さ、乗り心地のよさなどどれをとっても申し分なく、文句なしのおすすめタイヤです。
おすすめのクロスバイクタイヤ【オールマイティ】④SERFAS(サーファス):SECA
サーファス SECA(セカ)
参考価格: 2,420円
サーファスのセカは転がりの軽さ、耐パンク性能、撥水性など、クロスバイクに求めら要素が必要十分レベルでバランスが取れている、コスパの高いタイヤです。太さが23c、25c、28cになりますので、クロスバイクに細めのタイヤを装備したい人におすすめです。
出典:イラストAC