TREKのクロスバイクFXDiscシリーズ(FX1/FX2/FX3)の性能を比較解説!

TREKのクロスバイクFXDiscシリーズ(FX1/FX2/FX3)の性能を比較解説!

クロスバイクのロングセラー、トレックFX Discは自転車のインプレやレビューでは常に高い評価を得ています。今回そのFX Discシリーズ、FX1、FX2、FX3の2020年モデルが発売されました。果たしてその性能はどれだけのものなのでしょうか。

記事の目次

  1. 1.TREK FXシリーズとは
  2. 2.TREK FXシリーズの魅力
  3. 3.2020年モデルと2019年モデルの比較
  4. 4.FX Disc各モデルごとのスペック
  5. 5.それぞれの違いは?各機能をレビュー
  6. 6.FXシリーズのレビューと選び方
  7. 7.まとめ

TREK FXシリーズとは

Photo by paularps

長年にわたりトレックのクロスバイクのスタンダードとなっているシリーズ、それがFXシリーズです。フィットネスから街乗り、通勤通学まで幅広い用途に適しており、他メーカーと遜色ない価格ながら優れたスペックと独自の性能で根強い人気を誇ります。では他のメーカーと比べて何がそんなに優れているのでしょうか。

TREK FXシリーズの魅力

ココがスゴいFX Discシリーズ①

独自技術のアルミフレーム

トレック独自のアルミ成型技術により生まれたのがAlpha ゴールドアルミフレーム。より強く、より軽く、より振動を吸収できるように開発されたこのフレームが、FXシリーズの快適な走行性能の秘訣です。実際走っていても安定感があると好評で、FX1からFX3まで全てにこのアルミフレームが使われています。ロードバイクからMTBまで、プロチームもサポートしてきたトレックの技術力がここでも遺憾なく発揮されています。

ココがスゴいFX Discシリーズ②

拡張性の高さ

スポーツバイクにはさまざまなパーツや付属製品があります。フェンダーやラックを簡単に取り付けられるのはもちろん、FXシリーズにはサイクルコンピュータやライトなどのアイテムをスマートに装備できるBlendrステム、Bluetooth/ANT+センサーのDuoTrap Sをフレームに内蔵できるスペースを設けるなど、拡張性が高い機能が全車に標準装備されています。

2020年モデルと2019年モデルの比較

2019年モデルとの変更点①

Photo byolivermann

ディスクブレーキに統一

ディスクブレーキの急速な普及に伴い、トレックでも2019年から一気にディスクの比率を増やしています。そしてFXシリーズは今年から全てディスクブレーキのみになりました。天気や路面状況に左右されず、常に安定した制動力を約束してくれるディスクブレーキはスポーツバイクにおいて標準になりつつあります。FX2とFX3には油圧式が採用され、指一本でしっかり止まる、と多くのインプレでも高評価を得ています。

2019年モデルとの変更点②

ケーブルの内装化

どのレビューやインプレでも好印象だったのが、全てのモデルでケーブルがフレームの中に収められた内装式になっているということです。見た目がすっきりしてスマートになっただけでなく、フレームの洗車がしやすい、ワイヤーのさびや汚れが防げるなどのメリットがあります。

2019年モデルとの変更点③

スルースキューの採用

ディスクブレーキ専用となってフロントフォークの先がコの字型から円形になり、「スルースキュー」システムが採用されました。ホイールをはめる時に上から溝に合わせて押さえるのではなく、穴に合わせてシャフトを通す方法ですね。これによりホイールの脱輪を防ぐだけでなく、ディスクブレーキのパッドとローターの角度がずれない正しい位置に取り付けやすくなりました。

FX Disc各モデルごとのスペック

ここからはFXシリーズの3つのモデルを性能面から見ていきます。それぞれのモデルがどんな性能になっているのか比較してみてください。

FX 1 Disc

トレック FX 1 Disc©︎トレック

スペック

  • フレーム:Alpha ゴールドアルミフレーム
  • フロントフォーク:スチール
  • ブレーキ:機械式ディスクブレーキ
  • 変速ギア:3×7の21速
  • 重量:12.90 kg
  • 価格:55,000円(税抜)

インプレ

今回の3つのモデルの中で一番低価格のモデルです。とはいえ基本となるフレームはFX2・3と同じ素材が使われ、BlendrステムやDuoTrap Sも標準装備、ラックやフェンダーも取付け可能と拡張性も十分。機械式ディスクブレーキはリムブレーキより制動力に優れ、濡れた路面でもしっかりコントロールできます。タイヤは35mmと安定感のある太めのサイズを使用しています。

FX 2 Disc

スペック

  • フレーム:Alpha ゴールドアルミフレーム
  • フロントフォーク:アルミ
  • ブレーキ:油圧式ディスクブレーキ
  • 変速ギア:3×8の24速
  • 重量:11.95 kg
  • 価格:66,000円(税抜)

インプレ

今回紹介する3モデルの中では一番価格と性能のバランスが取れたモデルです。24速という豊富な段数はどんなシチュエーションでも最適なギア選択を可能にしてくれます。フロントフォークはアルミ製でスチールのFX1より1kg近く軽量化され、軽いタッチでも効きの良いtektro製油圧式ブレーキなど軽快な走りを求めるのに十分なスペックが揃っています。

FX 3 Disc

スペック

  • フレーム:Alpha ゴールドアルミフレーム
  • フロントフォーク:カーボン
  • ブレーキ:油圧式ディスクブレーキ(SHIMANO製)
  • 変速ギア:2×9の18速
  • ボントレガー Satellite Plus IsoZone ハンドルバー
  • 耐パンク性の高いH2 Hard-Case Lite タイヤ
  • 重量:11.74 kg
  • 価格:82,000円(税抜)

インプレ

FXシリーズのアルミモデルでは最もグレードの高いのがこのFX3。アルミフレームとカーボンフォークの組み合わせ、2×9の18速、チューブレスタイヤ対応ホイール、SHIMANO製油圧式ディスクブレーキとロードバイクにも引けを取らない充実ぶりです。またこのFX3ではSatellite Plus IsoZone ハンドルバーを採用。グリップの快適性を高めています。

それぞれの違いは?各機能をレビュー

Photo byqimono

それぞれのモデルで微妙にスペックが異なるのはご説明しました。ではそれらは何がどう違うというのでしょうか。ここでは機能の違いをもう少し踏み込んで解説します。

違い①機械式か油圧式か

全モデルで採用されたディスクブレーキですが、FX1では機械式、つまりワイヤーで引いて止めるタイプとなっています。ワイヤーの伸びや劣化で制動力が落ちる欠点はありますが、メンテナンスは難しくありません。一方FX2とFX3で使われる油圧式は機械式より制動性が高く、軽い力で楽にブレーキがかかるため握力の弱い人でも安心です。またFX3のブレーキにはより信頼度の高いシマノ製が使われています。

違い②フロントフォークの素材

前輪を挟むフロントフォークは2019年製から変更は無く、材質も各モデルごとに違います。基本的に鉄(FX1)よりアルミ(FX2)、アルミよりカーボン(FX3)の方が前輪からくる振動を効率的に吸収して快適さをもたらしてくれます。またその分、軽量化にもつながります。

違い③変速ギアの数

Photo byfotoblend

変えられるギアの数が多いほど状況に応じたきめ細かな変速ができます。ただしFX3だけは2019年までのフロント3速をやめてフロント2、リア9の計18速になっています。これはロードバイクと同じ(SHIMANO SORA)ワイドで効率の良いギア比を求めてのスペック変更です。

違い④エルゴグリップ

FX3のみにBontrager Satellite IsoZoneというトレック独自の技術を使ったハンドルバーとグリップが装備されています。これにより路面の振動や衝撃からくる手への圧力が大幅に軽減され、より快適で楽しく走れます。

違い⑤女性向けモデル

スポーツバイクではサイズ選びも重要になりますね。小柄な女性だと自分の体に合う自転車がないというのが悩みの種ですが、FX2とFX3では女性専用モデルも用意されています。適正身長では147cmから対応しており、スペックも男性用と変わりません。気になるサドルも女性に適した専用モデルが準備されていますので安心です。

FXシリーズのレビューと選び方

FX1 Discのレビュー

クロスバイク入門者なら選んで安心

スポーツバイクに興味があり、まずどんなものか乗ってみたいというビギナーにうってつけなのがFX1。3モデルの中では最も手ごろな価格ではあるものの、自転車の基本となるフレームは上位モデルと共通のため、快適な走行性能が楽しめます。エントリーモデルとしては必要十分な機能やスペックを満たしており、幅広い分野で活躍してくれます。

FX2 Discのレビュー

通勤からファンライドまで。何でもやりたい人へ

バランスのとれたスペックと手頃な価格で高評価のインプレが目立つFX2。運動でもちょっとした距離の移動でも、クロスバイクで何でも万能にこなしたい人にはおすすめです。FX1でも十分に満足のいく性能ですが、油圧式を採用したディスクブレーキは軽い力でしっかり効いてくれるので、握力が落ちる悪天候時に威力を発揮してくれます。女性や手の小さな人にもおすすめです。またフロントフォークがアルミになっていますので、より軽く、柔らかい快適な走り心地になります。

FX3 Discのレビュー

より長く、より遠くへ、より快適に。走りを楽しみたい人へ

ロードバイクほど本格的ではないが、ちょっと遠出のツーリングも楽しみたいというならばFX3で決まりでしょう。カーボンフォークと専用のハンドルバーはより路面の振動吸収性に優れているので、長時間のライドでもストレスなく快適な走行を約束してくれます。タイヤは32cとFX2より細めになっているのでより軽快に走ることができます。価格以上の満足感を約束してくれます。

まとめ

Photo by UrbanPromise Camden, NJ

2019年のモデルに比べ大幅に刷新されたトレックFXシリーズをFX1からFX3まで比較検討してみました。それぞれ価格に応じた性能の違いはあるものの、3つともシティサイクルとしては十分すぎるほどの快適な走行ができること間違いなしです。

気になる方は一度試乗してみよう!

人気商品なだけに他にも様々なレビューやインプレ記事が出ていますが、可能ならぜひ一度店頭で試乗してみることをおすすめします。全国のトレックストアやサイクルショップでは定期的に試乗会を行っている他、サイクルイベントでも新作モデルの紹介として試乗ができる機会が設けられます。今回ご紹介した性能の違いに着目して、ぜひあなたにぴったりの一台と出会ってください。

ちゃりぶらりあん
ライター

ちゃりぶらりあん

自転車、特にロードバイクをこよなく愛し、チャリでブラブラするのが好きな図書館司書(ライブラリアン)。 すなわち「ちゃりぶらりあん」とは私のことです。 怠けているので速くはなく、稼ぎはないので高いパーツも買えませんが、走る楽しさは何よりの宝物です。 海外レースもよく観戦します。

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