クロスバイクのメンテナンスの重要性
クロスバイクやロードバイクに代表されるスポーツバイクは、日々のメンテナンスが重要です。スポーツバイクは普通の自転車よりも速くスムーズに走るために高価でデリケートな製品が使われ、手入れを怠ると影響も大きくなります。そのため安全で快適に走るにはよい状態の維持が欠かせません。
ラフに扱われがちなクロスバイク
クロスバイクは軽快なロードバイクと頑丈なマウンテンバイクの両方の利点を兼ね備えます。フレームは主にアルミが使われ、サビに強く丈夫で安価です。クロスバイクの相場は5~10万円と安いためロードバイクと比べて手荒に扱われがちで、屋外保管がほとんどです。クロスバイクは街乗りや通勤など日々の用途で活躍するにもかかわらず、ロードバイクほどメンテナンスに気を使われることはありません。
クロスバイクこそ大事なメンテナンス
しかし、毎日のように使われるうえに屋外保管が前提のクロスバイクこそ、消耗の度合いは早くなります。ロードバイク並みのスピードで車道を走ることも多いため、整備不良によるトラブルは即事故につながります。むしろクロスバイクこそ毎日のメンテナンスが重要になってくるのです。
クロスバイクに必要なメンテナンス一覧①日々の作業
クロスバイクのメンテナンスは、何をどこまで行えばいいのでしょうか。もちろんあらゆる部品のすみずみまで自分でできればいいのですが、現実的にはハードルが高く、ましてやスポーツバイクは初めてという方にはなおさら大変です。まずは誰にでもできる最低限必要な作業を毎回確実に行いましょう。
日々のメンテナンス①拭き掃除
メンテナンスの第一歩は拭き掃除です。自転車は道路の砂ぼこりや泥はね、水たまりなどで乗るたびに汚れます。どうせ屋外保管だからといって放っておくと汚れは落ちにくくなるうえ、雨や潮風、人の汗は自転車全体の劣化を早めます。毎回必ず乗ったあとに拭き掃除を行うよう習慣づければ、車体のささいな異常にも気が付きやすくなります。
拭き掃除の手順
最初に拭き掃除に使うウェスを用意します。ウェスは使い古しの布で十分ですが、着なくなったTシャツでもいいでしょう。
- 湿らせたウェスでハンドルやサドルを拭いていき、汗や脂を落とす
- フレーム全体を拭いていく。汚れやすい下の方は特に丁寧に
- ホイール・タイヤ周りの手順で拭く。リムブレーキの場合はホイールリムの黒ずみを落とす
- 乾いたウェスでフレームをから拭きする
日々のメンテナンス②タイヤチェック
自転車のパーツで最も劣化がわかりやすいのがタイヤです。タイヤで状態をチェックするポイントは減り具合とひび割れ、空気の抜けぐあいです。高圧で空気を入れるスポーツバイクのタイヤは空気が抜けやすく、短期間で空気を入れる必要があります。チェックと空気入れを怠るとパンクやホイールの破損につながるので、拭き掃除のときに確認しておきましょう。
タイヤ交換の基準はどこまで?
タイヤがどこまで磨耗したら交換するかの目安は、タイヤの中心部の溝を見ましょう。接地面積の大きい中心の5mmで溝やトレッドが減ってツルツルになっていたら交換をおすすめします。それ以上すり減っていたり、表面や横にひび割れがあればすぐに交換しましょう。
空気圧チェックと空気入れの手順
- タイヤチューブのバルブ(仏式の場合)先端のネジを最大まで緩める
- 測定ゲージをタイヤのバルブに差して、目安の数字を測る
- タイヤに表記された空気圧に近い値になるまで空気を入れる
- バルブ先端のネジを確実に締める
クロスバイクに必要なメンテナンス一覧②定期的な作業
毎回こまめに行う以外に、定期的に必要になるメンテナンスとして、洗車と注油があります。どこまで定期的に行うかはクロスバイクに乗る頻度にもよりますが、屋外保管が多いクロスバイクは最低でも月に一度は行いましょう。注油に関しては変速でひっかかる、ギアやチェーンから異音がしたら行うことをおすすめします。
定期的なメンテナンス①洗車
洗車は専用のバイクウォッシュとパーツクリーナーを使います。水と中性洗剤でもいいですが、必要なグリスまで洗い流してしまったり乾燥が不十分だとパーツにサビが発生するおそれがあります。また作業にはメンテナンススタンドがあると便利です。
洗車の手順
- 作業前にメンテナンススタンドで車体を浮かして固定する
- パーツクリーナーをチェーン、ディレイラー、前後のギアへスプレーまたは塗布する
- ブラシで丹念に汚れを落とす
- バイクウォッシュをクロスバイク全体にスプレーし、汚れが浮き出るまで待つ
- ウェスでていねいに拭き取る。チェーンや各パーツは別のウェスを使い、ウェスに黒い汚れが付かなくなるまで拭き取る
よりすみずみまで洗うなら、フレームからホイールを外して別々に洗いましょう。フロントフォークやシートステーの汚れも落としやすくなります。
定期的なメンテナンス②チェーンの注油
自転車のチェーンには常にチェーンオイルが欠かせません。オイルが切れた状態で走ると
- ギアとの摩擦によりチェーンがいたみやすい
- 滑らかさがなくなり変速や走行中に引っかかる
- サビやすくなる
といったデメリットがあります。チェーンの拭き掃除をしたら必ず注油をしましょう。注油作業のときにもメンテナンススタンドを使います。
注油の手順
注油を行う前にチェーンの汚れがきれいに取れたことを確認しましょう。
- チェーンの接合部に一コマづつオイルをスプレー、または垂らしていく
- 一周全部油を差し終えたら軽くペダルを回してチェーン全体になじませる
- ペダルを回しながらギアを変え、スプロケット全体にもオイルをなじませる
ディスクブレーキの場合は、車輪中心部のローター(円盤部)やブレーキパッドに油をつけないように気をつけてください。ローターを触るのも避けましょう。
タイヤの空気圧を表す単位としては、PSIとbarの2つがあります。タイヤにより異なりますが、太さ28Cのクロスバイクの場合は90〜120PSI、6〜8.5barがおおよその目安です。この数字の中間より少し高いくらいが適正とされています。