自転車で音楽を聴きたい
自転車に乗りながら音楽を聞くと、ジャンルによっては緊張を和らげてくれたり、疲れて集中力が切れた状態を防いでくれたりと、良い効果もたくさんあるのですが、交通法違反となっては意味がありません。できれば何も気にせず音楽を聞きたいけれど、「これを守れば違反にならない」があるのかの例と、自転車に乗りながら音楽を聞けるグッズを紹介していきます。
自転車に乗りながらのイヤホン使用は交通違反?
自転車に乗りながらのイヤホンの使用は、道路交通法で自転車の危険な運転行為を取り締まるため定められた「15項目の危険行為」の中にある「安全運転義務違反」にあたるのでは?という声が上がっています。「安全運転義務違反」の代表例としては、運転操作不適(ブレーキペダルの踏み間違えなど)や前方不注意(脇見運転やスマホなどを見ながらの運転)などの7つに区分されています。
自転車は「軽車両」である
道路交通法によって自転車は軽車両に位置付けられています。免許は必要なくても道路交通法を守り、安全運転をおこなう義務(道路交通法第70条)があります。軽車両のため定められた運転ルール以外は基本的に自動車と同じ運転ルールとなります。
現状ではイヤホンの使用は明確に禁止になっていない
2021年4月の時点では、道路交通法で「イヤホンを使用して自転車の運転をしてはいけない」と明確に禁止されていません。しかし、第71条1項6号で、その他、必要と認めて定めた事項を守る義務があります。
・道路交通法71条1項6号「道路または交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」
各都道府県で「イヤホン禁止」を条例化。骨伝導イヤホンも対象に
多くの都道府県では、「公安委員会遵守事項」で交通規則や条例を定めています。自分の暮らす地域のルールを確認し、それを守って自転車に乗る必要があります。自転車に乗りながらイヤホンを使用して音楽を聞くことは「安全な運転に必要な音または呼び止められても声が聞こえない状態で車両を運転しないこと」に該当するとして、片耳イヤホンや骨伝導イヤホンでも使用しないよう、警察で指導している地域もあるのです。
骨伝導イヤホンは何が違反なのか
骨伝導イヤホンの使用を、書類などに記載して明確に禁止している都道府県は、2021年4月現在では存在していないようです。しかし、骨伝導イヤホンも「イヤホン」と名称がついていることや、耳を塞ぐイヤホンとの見た目の区別がつきにくい、といった理由で警察官に呼び止められる可能性はかなり高く、「安全のために外してね」と指導をされる場合もあるでしょう。
「自転車で音楽が聞きたい」を実現させるルール
イヤホンのように耳をふさがなくても、スマホやラジオなどで大きな音を出して自転車に乗ることは、交通違反となる可能性があります。また、スマホホルダーにセットしたスマホを、走行中に操作したり、画面を注視したりすることも「ながら運転」として道路交通違反です。「自転車に乗りながら音楽を聴く」を実現するためには次の3つのポイントに注意し、モラルのある自転車の乗り方を心掛けることが大切です。
「自転車で音楽が聞きたい」を実現させるルール
- Point 1 音量はできる限り小さくする
- Point 2 操作などを理由に長時間の片手運転をしない
- Point 3 走行中、停止中いずれの場合でも、スマホなどの画面を見ない
グッズ① ヘルメットに取り付ける振動型スピーカー「Ahead M」
Ahead M
参考価格: 8,800円
Bluetooth5.0対応 マイク付きで通話可能 最大通信距離:15m 音楽再生時間:最大8時間
充電時間:2時間 IPX4の防水性能 1.85Wステレオスピーカー 本体重量:36g
振動型スピーカー「Ahead M」は、ヘルメットにヘルメットに両面テープで貼り付け、振動で音を伝達するスピーカーです。マイクも内蔵していて通話もできるので、電話対応もスムーズにおこなえます。36gと軽量で、頭や首への負担も抑えられています。音楽を楽しめること以外にも、ヘルメットを着用することで頭部の安全性が高まります。
グッズ② 服に取り付けるスピーカー「 Zulu Audio (ズールーオーディオ)」
Zulu Audio
参考価格: 5,970円
Bluetooth4.1対応 Bluetooth有効範囲:5m 再生時間:約4時間 充電時間:約2.5時間
IPX4の防水性能 オーディオ出力:2W×2/40~20,000Hz 本体重量:140g
「Zulu Audio」は、小型のスピーカーとマグネットで服を挟んで使用します。耳の近くにセットすることで音量も抑えられます。固定されているので段差越えの振動や、ロードバイクでのダンシングで身体を大きく動かしてもずれ落ちを気にせず楽しめます。
グッズ③ ネックスピーカー サンワサプライ「MM-SPBT4BK」
サンワサプライ「MM-SPBT4BK」
参考価格: 6,096円
Bluetooth5.0対応 マイク付きで通話可能 最大通信距離:10m 連続再生時間:10時間
充電時間:最大3時間 IPX5の防水性能 microSDカードで音楽を再生可能 本体重量:175g
サンワサプライの「MM-SPBT4BK」は、肩にかけて使用するネックスピーカーです。MP3ファイル対応なのでスピーカー単体で使用できます。走行中にうっかりスマホなどの画面を見てしまうことがありません。しかし、身体に固定されていないので、振動でずれ落ちる可能性があります。使用するときは落下防止のコードを付けるなどの工夫が必要で、前傾姿勢の強いロードバイクでは身体に接触する部分が少なく、不安定な状態になる可能性があります。
グッズ④ GooIRC Bluetooth機能付懐中電灯
GooIRC Bluetooth機能付懐中電灯
参考価格: 1,888円
Bluetooth 4.1対応 マイク付きで通話可能 Bluetooth伝送距離:10m FMラジオ機能(88~108MHz)SDカードで音楽を再生可能 スピーカー出力:3W/100~20,000Hz 本体重量:113g
bluetoothスピーカーとマイクを内蔵したEDライトです。付属のマウントでハンドルに固定し前照灯として使用できます。ライトと一体型なのでハンドル回りをスッキリまとめられます。このスピーカーもMP3ファイル対応です。ハンドルに取り付けるので、耳から遠く大きな音量で使用してしまうことや、周囲に音が漏れやすいので注意が必要です。夜間のライトとMP3再生の同時使用では、バッテリー消費によるライトの不点灯となる場合があります。
グッズ⑤ TYYW 手首の携帯用luetooth防水スピーカー
手首の携帯用Bluetooth防水スピーカー
参考価格: 4,656円
Bluetooth 3.0対応 マイク付きで通話可能 FMラジオ機能 スピーカー出力:3W/120~20,000Hz
腕時計のように手首に着けて使用するスピーカーです。バンドで固定するので、MTBで未舗装路を走行するなど、激しい振動でも落下の心配がありません。BluetoothスピーカーやFMラジオ機能のほかに、スピーカーの周りに内蔵されたライトが光るので、夜間の走行でも事故防止に役立ちます。耳から手首まで距離があるので、音量に気をつける必要があります。
グレーは白にも黒にもなる
自転車に乗りながら音楽を聴くためのグッズを、5つ紹介させていただきました。しかし、この提案も地域によっては禁止となっているかもしれませんし、どの提案でも大きな音を出して使用すると違反となってしまいます。現状では、自転車に乗りながら音楽を聴くことはルールのグレーゾーンにあるのです。大切なのは正しい使い方を心掛けることです。