はじめに
街を歩いていると、自転車で颯爽と走って行く人を見かけることがありますよね。自転車に乗って、旅をすることができるんです。大変そう、何をやっているのか分からない、と思うかもしれません。いえいえ、メリットがいっぱいあるんです。ちょっと見てみましょう。
自転車旅のメリット
理由①その土地の匂いを感じられる
自転車の旅は、なにより楽しいものです。風を感じることができます。峠を登り切った後の下り道では、ひんやりとした風が、身体中の汗を冷ましてくれます。街でも、河川敷の土手の上のサイクリングロードを走れば、川面を過ぎる風が草花の香りを運んでくれます。エアコンを効かせた車の中では、窓ガラスのスクリーンを映像が過ぎ去って、気づかずに通り過ぎてしまう瞬間です。春の花の香りが、鼻をくすぐる。秋の野焼きの匂いの中を走る。自転車ならではです。
理由②気の赴くままに立ち寄れる
自転車で旅をすると、気ままに立ち寄ることができます。街を走っていて、丸い郵便ポストが立っていた。懐かしく感じ、立ち止まって眺めてみる。そんなこともできます。交差点で止まった際に、足元を見ると、マンホールの蓋のデザインが可愛かった。その場で携帯電話をとりだして、写真を撮ることもできます。いつも何かしらの新しい発見があります。
理由③旅の過程を楽しめる
車では、道端に気を引くものがあったとしても、Uターンするのが大変です。駐車場を探して停めて、また歩いて戻るのも一苦労です。そうこうしているうちに、今のは何だろうと思いながら、通り過ぎてしまいがちです。徒歩の旅も、自転車と同様に立ち止まることができますが、歩ける距離が短くなります。公共交通機関を使った、点と点をつなぐ旅になってきます。自転車の場合、線でつなぎ、旅の過程を楽しむことができるのです。
理由④地元の人に話しかけられやすい
自転車でひとり旅をしていると、地元の人に話しかけられやすい、というメリットもあります。自転車という身近な乗り物に乗っていると、親近感を感じて話しかけやすいのかもしれません。車の鋼鉄のボディの中に入っていない、という点もありますね。徒歩だと、ひとり旅でも旅人かどうか一見分からない、ということもあるかもしれません。自転車だと、お茶や果物をもらうことまであります。
理由⑤健康によい
自転車は、身体によいです。消費カロリーは1時間あたり483kcalです。ランニングが650kcalですが、運動できる時間が違います。自転車の旅で1日5時間こぐと、3時間40分のランニングに相当します。ハーフマラソン以上の運動量になりそうです。これを旅として続ければ、ものすごいダイエット効果になるはずです。自転車に乗っている人って、スマートな人が多いですよね。
理由⑥前向きになる
また、自転車で旅をすると、気持ちが前向きになります。例えばしんどい登り坂に出くわしたとき。峠の頂上がはるか先に見えている。あそこまで登るのか、と思います。とりあえず、次のコーナーまで足を回そうと決めて、ペダルをこぎます。コーナーにたどりつくと、今度は次のコーナーまで、とそれを繰り返す。いつしか気がつけば、峠を登り切っています。
理由⑦仕事にも活きる
もっとしんどい坂の場合、もう次のコーナーまでこぐのも大変。そんなときは、あと10回足を回そう、と心の中で決めます。それを、あと10回、あと10回と繰り返します。そして、コーナーにたどりつく。それを、繰り返す。こういった経験を積んでいると、仕事で大変な時期があっても、なんとか乗り越えられる、と感じられてくるものです。そんな、気持ちを前向きにする効果が、自転車旅行にはあるのです。
理由⑧おしゃれ
自転車旅行はまた、恰好良い、かもしれません。カラフルなサイクルジャージに、タイトなサイクルパンツ、エアロなフォルムのヘルメット。サングラスまでかければ、スポーツ選手のようです。ちょっと変身した気分になれます。アスリートのように爆走しなくてもよいのです。パブリックな場所で合法的にコスプレできるのは、自転車くらいではないでしょうか。
理由⑨リーズナブル
自転車旅行は、リーズナブルでもあります。炭水化物と宿代だけです。オートバイの場合、自転車と同様に走ること自体が目的となりますが、ガソリン代が結構かかります。1日400km走り、燃費が20km/Lとすると、1日20Lです。120円/Lとすると2400円かかります。これが自転車だと、燃料は炭水化物代だけになります。
出典: Unsplash