BMXとは
BMXと言えば、若い人が公園や街中でサイズの小さな自転車に乗りながら、跳んだり回ったりしている様子を思い浮かべる方が多いと思います。実際にBMXはスケボーやストリートダンス同様、若者のストリートパフォーマンスの一つでありますが、同時に国際自転車競技連合やオリンピック種目にも認定されている立派なスポーツでもあります。
どのようにして生まれたのか
BMXは、アメリカの子供がビーチクルーザーと呼ばれる自転車でモトクロスの真似をして遊んでいたのが起源です。現在でも20インチが標準のホイールサイズなのは、その時の子供用バイクが20インチサイズだったためです。起伏の大きいオフロードでジャンプを繰り返すモトクロスを自転車で行い始め、Bicycle Motocross(cross→X)=BMXというジャンルに発展していきました。
速さより技の種類や難易度を競う
その後BMXのスタイルも様々な変化をしていきます。レースとして速さを競う以外にも、しだいにテクニカルだったりトリッキーな技を競い始めるようになり、X-Gamesやストリートパフォーマンスとして定着しました。遊びであれスポーツであれ、技の巧さ、難易度、あるいは激しさが高ければ高いほどカッコいいものとして評価されるのです。
BMX競技の種類
多様な変化をしてきたBMXは、競技としてどのようなジャンルがあるのでしょうか。スポーツとしてのBMX競技は、レースとフリースタイルの2種類に分けられます。
BMX競技の種類①レース
コブやジャンプ台など、起伏に富んだオフロードコースを走って着順を競います。コースは大体400mくらい、一度に最大8人で出走して予選から準決勝、決勝へと進むもので、オリンピック競技にも採用されています。自転車競技初心者の方にも始めやすく、小さな子供でも行うことができます。とはいえ激しいアップダウンやジャンプもあるので、転倒や接触は日常茶飯事でもあります。
BMX競技の種類②フリースタイル
一方フリースタイルはレースとは異なり、着順や速さではなく技そのものを競うのが特徴で、感覚としてはむしろスケボーなどに近いと言えるでしょう。フリースタイルはそのやり方やフィールドの違いにより以下のように分けられます。
フラットランド
フラットランドは文字通り「平らな」アスファルトの地面などで行われ、自転車の上で様々な技を繰り出すのが特徴です。コースを走り回ってアクションを行うのではなく、その場で自転車に乗りながら回転したり、ペグと呼ばれる足場に乗って前輪または後輪のみでバランスを取りながら工夫をこらした技を披露するなど、まるで自転車と一体になって踊るような芸術的なスタイルが特徴です。
パーク/ストリート
一方こちらは、走りながらコースや周りの状況に合わせて自由な技を出していきます。段差や縁石を飛び越える、手すりや壁をつたいながら走るなど、初心者にはかなり難度が高く感じられます。専用の施設で走るか、普通の街中を走るかでパークかストリートに分けられ、パーク競技は東京オリンピックの正式種目に採用されます。なお街中で走る時は、公共物に傷や破損がないように配慮しなければいけません。
トレイル
ダートジャンプとも言われます。山林などの未舗装路に大きなコブや連続したジャンプ台がしつらえられたコースで、ジャンプの高さや難易度などを競います。日本ではなじみの少ない種目ですが、国内有名選手により専用のコースが作られ、初心者から上級者までより多くの人が楽しめるようになり始めています。
ヴァート
ひとことで言えば、スケボーやスノーボードのハーフパイプ競技の自転車版です。U字型のハーフパイプやすり鉢状のフィールド内を往復しながら、空中で回転したりひねりを加えたりして、技の難易度や芸術性を競います。自転車だけを回転させたり、ハンドルだけを回したりと複雑なテクニックも見られます。危険も伴いますが、華麗でダイナミックな演技は見るものの目を奪います。
BMXはその競技の性格上、落車・転倒が多くなります。どの種目においても、ヘルメットやプロテクターはしっかりと着用しましょう。