BMX用自転車の特徴
そんなBMXに使われる自転車は、ロードバイクとも、マウンテンバイクとも異なる、非常にユニークなスタイルです。ではBMXバイクはどんな特徴があるのでしょうか。
特徴①乗り心地より頑丈さ
他の自転車と大きく異なるのは、乗り物でありながら「距離を走ること」「速く走ること」を前提にしていないことです。もちろんレース用はある程度走れなければなりませんが、BMXバイクは飛んだり跳ねたりが主目的になるため、乗り心地よりも「激しい衝撃に耐えられる」、頑丈であることが何より最優先されます。
不要なパーツは付けない
そのためBMX、特にフリースタイル用の自転車は、変速機やスタンド、ライトも泥よけもついていません。公道を走らない限りは、ブレーキすらないものも珍しくありません。サドルですら「座る」ことを重視していないため、動きを妨げないように低く、極端に傾けたようにセットしてあったりもします。
特徴②小回りのきくコンパクトさ
全体的に車体が小さいのもBMXの特徴です。ジャンプやアクロバティックな動きをするには、小回りがきく上により自分の身体と一体化した小さめの車体の方が適しています。また大きな車体より小さくて頑丈な方が、着地した時の衝撃を受けるのにも有利だとも思われます。全体的にBMXでは、取り回しのきくコンパクトなサイズが大事です。
特徴③BMX独特のパーツ構成
他の自転車には見られない、BMX独特のパーツもあります。主な物としては、ペグとジャイロの2つがあります。
BMX独自のパーツ/ペグとジャイロ
- ペグ…前後ホイールハブの横に付いている10cm程の太い棒のことです。フラットランドで演技をするときにこれを足場にしたり、パーク/ストリートで手すりなどに引っ掛けて滑り降りるのに使ったりします。
- ジャイロ…フラットランドで技を繰り出す時に、ハンドルを何回転してもブレーキワイヤーが絡まないようにするための仕組みです。
BMX自転車の選び方
そんな独特のBMXですが、このジャンルに使う自転車を買う時は、何をどういう所に注意して選べはいいのでしょうか。ここからは、BMXに興味がある、始めてみたいという初心者の方に向けて、BMX用自転車の選び方を見ていきましょう。
選び方①競技の種類で選ぶ
まず最初に決めるのは、自分が主に始めてみたい種目を選びましょう。同じBMXでも、レースとフリースタイルとでは主な目的が違うので、自転車に求められるものも違うのはお分かりと思います。またフリースタイルでも、トレイルなら衝撃に強い自転車を、車体そのものを激しく動かすフラットランドならケーブルの絡まないジャイロを搭載するなど、種目の違いで選択する自転車も変わってきます。
初心者は何から始める方がいい?
全くのBMX初心者や、小さなお子さんならばレースから始める、というのは最初に紹介しました。他の種目を行うにも基本的なバイクコントロールは必要ですが、それを身につけるのにもレースは有効です。土のコースなら比較的落車の怪我も重くなりにくく、レースだけで物足りなくなればトレイルにも進めます。フリースタイルに興味があるのなら、フラットランドが危険が少なくておすすめです。
選び方②身長からフレームサイズを選ぶ
次に大事なのが自転車のフレームサイズです。BMXの自転車はトップチューブ(TT)とチェーンステー(CS)の長さを基準に、身長に合わせたサイズを選ぶのですが、同時に最初に選んだ種目によっても適したサイズが違ってきます。走行性能重視のレース用は大きめで、コンパクトな動きが目的のフラットランド用は小さなフレームが使われます。一般的にジャンプ重視の種目はチェーンステーが長めのフレームを使うことが多いです。
フレームの選び方:トップチューブサイズの目安
レース | 160〜170cm | 20.0〜20.75インチ |
170〜180cm | 20.75〜21.5インチ | |
フラットランド | 160〜170cm | 18.3〜18.8インチ |
170〜180cm | 18.6〜19.0インチ | |
パーク/ストリート | 160〜170cm | 20.5〜20.8インチ |
170〜180cm | 20.8〜21.8インチ | |
トレイル | 160〜170cm | 20.0〜20.5インチ |
170〜180cm | 20.5〜21.0インチ |
選び方③価格で選ぶ
自転車を選ぶ上ではやはり値段も気になります。BMX用ではフレームやハンドル等にはスチールが使われ、同じスチールでもハイテン鋼とクロモリ鋼のどちらを多く使うかで、フレームの強度や性能に差が出てきます。当然その違いは価格にも反映され、クロモリを多く使う方が強度があり、より高価になってきます。
材料に見るBMX自転車の価格帯
- エントリー:フレーム、ハンドル、フォークなどが全てハイテン鋼。価格は30,000〜50,000円程度。
- ミドル:フレームのうち、トップ・ダウンチューブや、ハンドル・フォークの一部にクロモリ、その他をハイテン鋼で作ってあるもの。50,000円台半ばから70,000円位が多い。
- ハイエンド:フレーム、ハンドル、フォークなどに全てクロモリが使われているもの。価格帯は70,000〜200,000円と開きがあります。
まとめ
今回はBMXの初心者の方や、お子さんがBMXを始めたいという親御さんに向け、競技の内容や自転車の選び方を紹介してきました。速く遠く走るという目的とは違い、自転車を使って自分をどう表現するかを追求するのがBMXというジャンルです。そこには当然スリルも危険も伴いますが、開放感や爽快感、新たな創造性をもたらしてくれるアクティビティでもあります。思うがままに身体を動かしてみたい自転車乗りの方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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