スポルティーフとは
スポルティーフとは、フランス語で「スポーツ的な」や「スポーツに関する」といった意味の言葉で、おもにロードバイクと同じ700cのホイールを採用したツーリングバイクです。実はこのスポルティーフという呼称は日本だけのもので、フランスではこういった自転車を「ランドヌール」と呼びます。
スポルティーフの特徴
①フレーム
フレーム素材は長時間のライドでも疲労が少ないクロモリがメインです。スポルティーフにはトラディショナルな雰囲気を求める人も多いことからも、クロモリは適しているといえるでしょう。ツーリングバイクなので、直進安定性を重視した設計となっています。
②ハンドル
長時間のライドでのいろいろなポジショニングに対応の可能なドロップハンドルが大半を占めます。また、トラディショナルなイメージのシャローバーを用いるモデルも少なくありません。
③タイヤ
スピードを追求するのではないため、一般的なロードバイクの700cホイールながら太めの25~28cのタイヤ幅が装着されているモデルが多いです。舗装路での走行性と未舗装路を含めた場所でのクッション性の両立という点からすれば、これくらいのタイヤ幅はベストチョイスといえるでしょう。
④変速機
ロードバイクよりワイドで軽めのギア比が使われます。ある程度の高速域でのクルージングから山道走行までがこなせるような幅広い状況に対応できるよう、フロントギアはダブルもトリプルも両方のモデル設定がありますがメインはダブルです。また、シフターはダブルとstiの2種類があります。
スポルティーフとランドナーとの違い
スポルティーフは高速走行向き
スポルティーフとランドナーとの違いを簡単にいえば、スポルティーフのほうが高速度での走行に向いていて、細めのタイヤを採用し、積載する荷物の量が少なめといった点が挙げられます。高速を楽しむためにギア比は高め、フレーム設計はランドナーより前傾が強めとなっています。
未舗装路はランドナーが適している
また、舗装路走行がメインなので舗装路の走行性は高いのですが、オフロードへの対応力はランドナーのほうが上回っています。ランドナー同様、泥除けや小さめのフロントキャリアは装備していますが、サイドバッグなどの大きな荷物への対応はしていません。
スピードかゆったりか
したがって、ランドナーと同じツーリングバイクのカテゴリーに属してはいますが、たくさんの荷物を積んでの長期間の自転車旅であればランドナーのほうが適しています。スポルティーフは、スピードを味わいながらの短期間の自転車旅を楽しむためのギアといえるでしょう。
どちらも「ツーリングバイク」
とはいえ、それぞれの違いに明確かつ厳密な定義はないのが実情なので、サイクルショップによっての判断で分類していたり、両方を併せて「ツーリングバイク」と呼んでいるケースも少なくありません。
スポルティーフのおすすめ8選
おすすめ①アラヤ ディアゴナール
高速ツーリングにも適した700×28cホイールに少し太めのタイヤを装着し、メインコンポーネントにはシマノ製ロードバイク用を採用しています。ツーリング時の高速巡行を快適にするstiレバーや前後の泥除け、輪行ツーリングに便利なカートリッジ式ヘッドセットを標準装備しています。初心者も手を出しやすい比較的安い価格も魅力です。
アラヤ ディアゴナールのスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ/ハイテン
- メインコンポーネント:シマノ製クラリス
- ブレーキ:シマノ製 BR-CX50 カンティレバーブレーキ
- 重量:13.0kg (460mm)
- 価格:88,000円(税抜)
おすすめ②アラヤ エクセラ スポルティフ
アラヤエクセラは、トラディショナルな工法に則ったスポルティーフ本来の美しさの中に現在のロードバイク機能を取り入れたモデルです。付属するキャリアやフェンダーを取り外せば9kg台とスポルティーフでは非常に軽く、リア10速のコンポーネントと併せてスポーツツーリングを味わうことができます。
アラヤ エクセラ スポルティフのスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ
- メインコンポーネント:シマノ製105
- タイヤ:PANARACER 700×25C
重量:9.9g(10.8gキャリア・フェンダー付)
- 価格:220,000円(税抜)
おすすめ③ラレー CRB
700×28cタイヤを装着したフルクロモリロードです。メインコンポーネントにシマノ製クラリス、テクトロ製機械式ディスクブレーキを採用し、stiレバーやシフトケーブルを内蔵するなど、クラシック&モダンデザインを追求したモデルです。ツーリングカスタマイズへの可能性も高く、自分好みの自転車を作る楽しみに満ちた1台です。
ラレー CRBのスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ
- メインコンポーネント:シマノ製クラリス
- ブレーキ:テクトロ製機械式ディスク
- 重量:11.5kg(450mm)
- 価格:92,000円(税抜)
おすすめ④フジ バラッド R
アーバンクロモリバイクという位置づけながらスポーツ走行もこなすクロモリバイクです。往年のダブルレバー駆動を復活させたクラシックでノスタルジックなヴィンテージと見紛うスタイルは重厚感にあふれています。5サイズあるので、身長の低い人や女性でもピッタリのサイズが見つかるでしょう。
フジ バラッド Rのスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ
- メインコンポーネント:シマノ製クラリス
- ホイール:フジ特製ホイールセット
- 重量:10.0kg
- 価格:84,000円(税抜)
おすすめ⑤丸石 エンペラー ツーリングコンダクター
スポーツタイプで最もポピュラーな700cサイズのホイールに太めのタイヤ幅の35cを装着した輪行ツーリングモデルのクロモリバイクです。ポジションの取りやすいオリジナルのツールリングバー、ホイールの剛性を高めるラージフランジといた性能面だけでなく、輪行の際に便利な分割式ハンマードアルミフェンダーがクラシックスタイルを演出します。
丸石 エンペラー ツーリングコンダクターのスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ
- メインコンポーネント:シマノ製クラリス
- タイヤ:パナレーサーパセラ35c
- 重量:12.2kg(510mm)
- 価格:130,000円(税抜)
おすすめ⑥ルイガノ BEACON 9.0
特殊な形状のバタフライハンドルが特徴的なクロモリロードバイクです。バタフライハンドルのメリットは、一般的なロードバイクのドロップハンドルより握る箇所が多いので、さまざまな姿勢がとれ長距離を走っても疲れにくい点です。またディスクブレーキ仕様なので、雨天時の制動力に優れるのもロングライドにおいて大きなポイントとなります。
ルイガノ BEACON9.0のスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ
- メインコンポーネント:シマノ製ディオーレ
- ブレーキ:テクトロ製機械式ディスク
- 重量:15.1kg(420mm)
- 価格:105,000円(税抜)
おすすめ⑦ビアンキ ANCORA TIAGRA
チェレステカラーが人気のイタリアのバイクブランドビアンキのビンテージクロモリロードです。革製のバーテープやサドル、ヴィンテージチェレステカラーのフレームなどクラシックな雰囲気ながら、メインコンポーネントにシマノ製ティアグラを採用し安定感のある走りをしてくれます。
ビアンキ ANCORA TIAGRA のスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ
- メインコンポーネント:シマノ製ティアグラ
- ブレーキ:Tektro 992AG(カンチブレーキ)
- タイヤ:Vittoria Zaffiro 700x28C
- 価格:160,000円(税抜)
おすすめ⑧ミヤタ ITAL SPORT
メインコンポーネントにシマノ製ティアグラを採用したクロモリロードです。フォーク素材がカーボンなので、路面からの衝撃や振動を吸収して長距離走行も疲れにくいです。stiレバーや10速×2の計20段変速に加えて、700×25cのロード用タイヤは、スポルティーフとしての走りを実現してくれます。
ミヤタ ITAL SPORTのスペック
- フレーム/フォーク:クロモリ/カーボン
- メインコンポーネント:シマノ製ティアグラ
- タイヤ:Vottoria ZAFFIRO 700×25c
- 重量:9.7kg(520mm)
- 価格:128,000円(税抜)
スポルティーフの選び方
ツーリングバイクのカテゴリーにはスポルティーフとランドナーが存在しますが、両者の明確な違いはありません。ただ、スポルティーフはランドナーより高速で走ることを目的に設計されているので、スポルティーフを選ぶ際にはそういった点に注目することも重要です。
スポルティーフの注目点
- ロードバイクに近い700cの細めのタイヤ幅
- 高速走行に対応するロード系のコンポーネント
- ランドナーより高速に適した軽めのギア比
- フロントギアは3枚より2枚がメイン
スポルティーフの購入時や乗る際のポイント
注意点①モデル数が少ない
一般的なロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツバイクに比べて、ラインナップは決して多くありません。大型のサイクルショップならたくさんのモデルがあるだろうと出かけていくと、かえって置いていないことも少なくなく、希望するような装備やスペックのモデルがなかなか見つからない可能性もあることを認識しておきましょう。
注意点②中古で購入するのもアリ
2021年モデルも多くない
2021年モデルでスポルティフを扱っているメーカーやブランドは多くありません。2021年以前のモデルとなれば、在庫が残っていない限り新車で手に入れるのは難しいでしょう。したがって、中古車を購入するという選択肢もアリです。
中古は安い
中古車を購入するメリットは、まず安い点です。クロモリフレームの自転車はアルミやカーボンより安い設定となっていますが、中古ならより安い値段で手に入ります。また、2021年モデルだけでなく、さまざまなモデルから選択することができます。こだわりのスポーツバイクを取り扱っている自転車屋なら、案外安い値段でお気に入りが見つかるかもしれません。
注意点③オーダーメイドやカスタムもアリ
ロードバイクをベースにスポルティーフ仕様にカスタムしたり、オーダーメイドするという方法もあります。コツコツとパーツを調達して組み立てたりオーダーメイドして、自分だけの1台を手に入れるのもスポルティフを所有する楽しみといえるかもしれません。オーダーメイドには「セミオーダー」と「フルオーダー」があり、セミオーダーなら案外安い価格で入手することも可能です。
注意点④服装にもこだわろう
スポルティフはランドナーより速く走れますが、そもそもスピードを追求するモデルではありません。したがって、ピチピチのサイクルジャージといった服装は似つかわしくないでしょう。特に、自転車旅行の際の服装には注意したいものです。スポルティフに似合うおしゃれで長時間ライドでも快適な服装を心掛けたいですね。
スポルティーフでより楽しい自転車旅を
スポルティフなら行動範囲がさらに広がり、自転車旅行もより楽しくなります。クロモリフレームが主体なので頑丈で乗り心地もよく、ロードバイクと比べて安い価格で手に入れることもできるでしょう。また、自分好みにカスタムするという楽しみもあります。さまざまなシチュエーションに対応してくれるスポルティフは、自転車旅のよき相棒としておすすめです。
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