英式バルブの構造・メリットと空気の入れ方!他の種類との違いは?

英式バルブの構造・メリットと空気の入れ方!他の種類との違いは?

英式バルブはママチャリに使われているバルブです。それだけに「使い方なんて知っているよ」という人も多いと思います。しかし、知っているようで知らないこともあるかもしれません。ここでは、英式バルブの構造とメリットなどを解説していきましょう。

記事の目次

  1. 1.英式バルブとは
  2. 2.英式バルブの特徴
  3. 3.英式バルブの構造
  4. 4.英式バルブと他のバルブとの違い
  5. 5.英式バルブのメリットとデメリット
  6. 6.英式バルブへの空気の入れ方
  7. 7.まとめ

英式バルブとは

筆者撮影

英式バルブは自転車用バルブの一種です。「ダンロップバルブ」や「ウッズバルブ」とも呼ばれ、日本ではママチャリに広く使われています。英式バルブは名前の通りイギリス生まれで、1888年にイギリス人のジョン・ボイド・ダンロップによって発明されました。つまり、ママチャリはイギリスの自転車の系統を引いているわけです。ちなみにダンロップは、現在では世界的なタイヤメーカーとして広く知られています。

出典: https://tyre.dunlop.co.jp/brand/history/

英式バルブを発明したジョン・ボイド・ダンロップ

英式バルブの特徴

筆者作成

まず使い勝手の面で特徴をあげるとすれば、「入手しやすい」ことでしょう。ママチャリに使われていることもあり、自転車店以外にホームセンターやスーパーなどでも購入できます。次に部品の特徴は「ムシゴム」です。ムシゴムは細長いゴムチューブで、チューブ内の空気を保持するのに使われています。

ムシゴムの名前の由来

ムシゴムという名前の由来は複数あり、有力なのは以下の2つです。

  • 見た目が虫みたいだから。
  • バルブコアの別名が「ムシ」で、そこに付けるゴムだから。

英式バルブの構造

ここでは英式バルブの構造と、その仕組みについて紹介します。使い方を知っていても、構造や仕組みについては知らない人も多いのではないでしょうか。このような仕組みが100年以上も昔に作られたのです。

英式バルブの部品構成

筆者作成

英式バルブを構成する部品は以下のとおりです。

  • キャップ
  • ムシ(プランジャー)
  • 袋ナット(バルブナット)
  • バルブステム
  • リムナット
  • バルブベース
  • ムシゴム
英式バルブはバルブステムを中心に、他の部品が付随する形で構成されています。まず、バルブステムの土台にあるのがバルブベースです。次にバルブステムの内側にプランジャーとムシゴム、外側にキャップ、袋ナット、リムナットが取り付けられています。

英式バルブの空気が入る仕組み

筆者作成

バルブから入る空気は、プランジャー側面の空気穴とムシゴムによって制御されます。通常はプランジャーの空気穴をムシゴムがふさいでいるので、チューブ内の空気が漏れません(下図①)。しかし、バルブから空気を入れると、空気圧でプランジャーとムシゴムの間にスキマが生じます。そして、このスキマから空気がタイヤに入っていくのです(下図②)。

筆者作成

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英式バルブと他のバルブとの違い

英式バルブと他のバルブの違いは何でしょうか。ここでは仏式バルブと米式バルブとの違いについて解説します。

仏式バルブとの違い

筆者作成

最大の違いはバルブの太さです。具体的には仏式バルブの直径が6mmなのに対し、英式バルブは8.1mmと太めになっています。また、空気の入れ方も異なり、仏式バルブはバルブ先端のネジをゆるめて空気を入れますが、英式バルブはその必要がありません。さらに、仏式バルブは英式バルブよりも高圧で空気を入れるので、空気圧の管理が厳密です。

米式バルブとの違い

筆者作成

アメリカンバルブとも呼ばれる米式バルブは、アメリカ生まれで自動車やバイクにも使われています。その米式バルブと英式バルブの違いは、バルブ先端の形状です。英式バルブの先端は空洞ですが、米式バルブは中心にバルブコア軸という細い突起があります。また、米式バルブには英式バルブのようなバルブとリムを固定するナットがありません。自動車にも使われているので、英式バルブにくらべて耐久性が高く、全体的にしっかりとした作りが特徴です。

英式バルブのメリットとデメリット

英式バルブが日本で広く使われているのは、どうしてなのでしょうか。ここでは、英式バルブのメリットとデメリットを紹介します。

英式バルブのメリット①入手しやすい

英式バルブのメリットは、何と言っても入手しやすいことです。ママチャリに使われているので、自転車店のほか、ホームセンターやスーパーなどさまざまな場所で売っています。しかし、仏式バルブや米式バルブは自転車店でもスポーツ車を扱っていないと、取り寄せになることがあります。

英式バルブのメリット②空気入れが入手しやすい

英式バルブは空気入れも入手しやすいです。日本国内で売っている空気入れのほとんどは、英式バルブに対応しています。逆に、他の種類のバルブに対応している空気入れは少なく、自転車店以外では入手が難しいです。また、英式バルブの空気入れはスーパーや駐輪場などに置いてあることが多く、出先でも空気を入れられます。

英式バルブのメリット③価格が安い

ママチャリに使われている強みで、英式バルブは他の種類のバルブにくらべて価格が安いです。消耗品のムシゴムも1個100円以下なので、気兼ねせず交換できます。日々乗っていれば、バルブ周りの消耗は避けられません。安心して乗り続けるという点でも、手頃な価格はありがたいですね。

英式バルブのデメリット①空気圧調整がしにくい

筆者撮影

英式バルブは構造上、少しだけ空気を抜くことができないので、微妙な空気圧の調整ができません。英式バルブでは袋ナットをゆるめることで空気が抜けますが、一気に抜けてしまいます。だから、英式バルブはロードバイクなどの厳密な空気圧管理が必要な自転車に採用されないのです。

英式バルブのデメリット②高圧で空気を入れられない

英式バルブは構造的に空気が漏れやすいので、高圧の空気を入れることができません。無理に高圧にすると、ムシゴムが壊れます。なので、ロードバイクのような安定して高速で走るために、タイヤに高圧の空気を入れる自転車には、ほとんど採用されません。しかし、ママチャリのような短距離をゆっくり走る用途で使う自転車なら、低圧の英式バルブで十分なのです。

スーパーバルブを使えば長持ち

スーパーバルブというムシゴムがないバルブにすると、ムシゴムの交換が不要になります。その他にも以下のようなメリットがあって、便利です。

  • 空気漏れが少ないので、空気入れの頻度が減らせる
  • プランジャーの空気穴がムシゴムで塞がっていないので、軽い力で空気を入れられる
2個セットで300~400円ぐらいと価格も安いので、気軽に試せておすすめです。

続いて、英式バルブへの空気の入れ方を紹介!

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英式バルブへの空気の入れ方

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